電波が怖いぞ

　紀伊民報AGARAの2006年8月4日の記事『携帯電話の中継アンテナ　設置に反対相次ぐ　紀南地方』に唖然。

　　携帯電話の中継アンテナの設置に反対する運動が、紀南地方で相次いでいる。反対の主な理由は、電磁波の人体への影響に対する不安。地域住民への説明が不十分だという声もある。一方で、携帯電話が通じない「不感地帯」の解消を求める声は多く、賛否が分かれている。

　白浜町堅田で今年４月、ＮＴＴドコモ関西が４階建てビル屋上に高さ約８メートルのアンテナを設置する計画が持ち上がった。

　これに対し、地元の女性は「アンテナから発する電磁波による健康被害は心配」と計画撤回を求め、27日までに１３５世帯計２８２人の署名を集めた。

　このため、ＮＴＴドコモ関西から委託を受けている大阪市の業者は、設置場所を変更する方針を示しており、ほかの候補地を探している。

　う、うわぁ、まだこんな話あるんだァ。

　たしかに、電波塔から電波は出ている。それに間違いはない。しかし、携帯電話用の基地局電波塔の側にいて、電波のために（もしくは、電波以外であっても、電波塔由来のもので）健康を害したと言う例が、報告されたと言う話は寡聞にして聞かないんだが……。

　じつはこれ、一つ問題があって、「アンテナを建てる計画すら住民の知らない間に、いつの間にか町内会が同意していた」というのか、反対派の人たちを動かした深層流なのではと言う事が、記事に載っている。

　たしかに「拠らしむべし、知らしむべからず」とか思っている三公社五現業気分の抜けない基地局建設担当が、「上意である」とかやりかねない部分が残っているんだよね、旧電電公社各社って。

　しかし、電波の届きが悪いって云うのは、災害を考えても観光立地を考えても、何にせよ現代日本の田舎町にとっては不利になる事だけは間違いがない。というか、反対署名が282人も集まったが、賛成派ってのも少なからず居ると思うんだよなぁ。
　その中には、賛成と言うよりも、早く立ててもらわないと電波が弱いせいで、既に幾つも実害が出ていて堪らんって人が結構いる筈だと思う。

　そういう実害と較べると、「電波が害を及ぼさないとも限らない」「及ぼさないと言うデータはまだない」っていう反対理由は、「写真を撮ると魂を吸い取られるかもしれない」「吸い取られないと言う確証はまだない」と言い張るのと大して変わらないモノという気がしてくるのだが、如何なものであろうか？