身近にあって、かなりよく使うものなのだが、中身がどうなっているのかよく知らないものというのは、多数存在する。
たとえば、自動車だ。たぶん、日本で自動車免許を持っている人は、自動車学校で最低限のメカニズムに付いて習っている筈だが、実際に今の電子制御されたシステムとしての車を、理解しているのか?——たとえば、故障した時に直せるのか——というと、はなはだ心もとないのではないだろうか? ましてや、ロータリーエンジンに至っては、私にしても、何度聞かされてもその作動原理が未だに詐欺のようにしか思えない、ナゾのメカニズムである。
更に進んで、ガソリン・電気ハイブリッド車の動力切り替えのメカニズムがどうなっているのかなんてコトになると、物理的にどういう機構が組み込まれているのかなんて、サッパリ判ってない。
しかし、それでも自動車を運転することは出来るし、別に今車を走らせているのが電気(モーター)かガソリン(エンジン)かなんて全く気にすることなく運転出来る。
パソコンもそういう機械の一つだろう。機械的にワケが判っていない人がフロッピーディスクをホワイトホードに磁石で貼り付けたなんて昔話もあった。しかもその上のソフトがまだ判っていない。はなはだ酷い例になると、毎日使っていても、マイドキュメントの外にものが置いてあるなんて全く理解出来ないでいる人も多数存在する。もちろん、ディレクトリとかフォルダとかいうものの考え方も無いから、「あれれ、また作った文章が消えた」とか言っている。
しかし、車やパソコンは、そう生易しくはないにしても、個人で所有するもので、往々にして趣味でチューンする人が居るので、まだ割と中身を知っている人の率が多い。しかし、身近にあって利用しながらも、なかなか知ることの出来ないものがある。細部までの機構でなくとも、フタを開けて中をのぞくことすら稀なものだ。
その最たるものは、自動販売機ではなかろうか。
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