盗まれたぞ
また一つ、謎な事件が起こった。神戸新聞WebNewsの2006年9月13日の記事、『埋設ケーブル8トン盗難 870万円相当 高砂で建設中の公園』だ。
十二日午前六時半ごろ、高砂市荒井町新浜二に兵庫県が建設中の「あらい浜風公園」で、施錠していた門が開かれ、敷地内の地下約一メートルに敷設されたコンクリート管から、電気ケーブル二本(約八百七十万円相当)が盗まれているのを工事関係者が発見、公園を管理する東播磨県民局が高砂署に被害届を出した。
——中略——
付近にあるパワーショベルを利用した形跡があり、マンホールのふたが数カ所開いていたことから、同署などは、複数の犯人がパワーショベルでケーブルを引き出し、転売目的で持ち去った可能性が高いとみて、窃盗容疑で捜査している。
風力発電施設を公園内に持つこの公園は、元々は荒井地区港湾緑地(パブリックアクセス)と呼ばれていた播磨灘に向かって開かれた公園施設で、しばらく前に公園としての名前が決まったばかり。左の写真のように、現在、11月のオープンに向け、県の主導のもと、着々と整備が進んでいるところ。
で、この公園内の地下1メートルのところに埋設されていたコンクリート管から、発電所用の径5センチの銅線約800メートルと、街灯等のための4.5センチの銅線400メートル、合わせて1200メートル、約8トンが盗み出された。
なんとも、荒っぽい犯罪。祖父の昔話に、太平洋戦争の終戦直後は「アカガネは金になる」ってぇんで、爆撃でボロボロになったままの廃工場や、操業を停止した軍需工場に忍び込んで、電線を端から剥がしては売り払う輩がかなり居たと言う話を聞いた。なんで工場かと言うと、工業用の配線は太い銅線が使われる事が多く、しかも民家なんかとは比べ物にならない量が纏まっているので、効率がいいんじゃないかと言う話だった。しかし、今でも現役なんだねぇ、アカガネ泥棒。
だが、1200メートル・8トン。パワーショベルは工事のものを借用したとは言え、盗んだブツは8トン。別に珍しくはないとは言え、そこいら辺を走っている軽トラや2トン車では全く手が出ない。コイツを運ぼうと思ったら、れっきとした大型トラックが必要だ。
被害は870万円と言うが、それは買った時の値段であり、売るとなると廃材扱いだからもっと安価だろう。たとえば、ネット上で見つけた東京の非鉄スクラップの輸出業者
泰和商事さんの2006年9月13日の買取価格で、銅パイプ・銅板が660円/キロ。ということは、8トンとして528万円か。割と利が良いのかも。
電線は皮膜の処理とかあるのかもしれないが、半分としても260万円。トラックを持っているヤツに10万円上乗せしたとしても、5人で作業して一晩に50万円ずつの儲け。5人で8トン盗むのが大変なら、10人にして1人25万円の山分け。
とはいえ、捕まって食らい込んだら、損失はそんなチンケな儲け吹っ飛ぶぐらいデカいんだろうけどさ。
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コメント
低圧のケーブルと考えると、結構銅が多くて、しかも導体用だから純度も高いので結構いい値段でうれるかもしれませんねぇ。
銅線は普通に業者間の取引もあるんで、追っかけきれないかも。
投稿: おかてん。 | 2006/09/13 21:21
おかてん。 さま
風力発電に負けたくない電力系企業の特殊工作班のシワザってことはないですよね?
投稿: 神北恵太 | 2006/09/13 22:10