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2006/10/26

退去拒否だぞ

 不思議な話というのはあるもので、世界中の不思議な情報がどんどんと入ってくるようになったこのインターネット時代。運河に飛び込んだり工事の砂山に突っ込んだりトイレをなぎ倒したりするドイツ人の、カーナビに対する信頼感はどこから来るのかとか? ……とか、ドイツ人に関しての不思議な話というのは結構あるのだが、これはまた極めつけ変な話。

 Exciteニュースの2006年10月22日の記事『出所命令を断り、刑務所から出て行かない服役囚 』は、そんなお話し。

[ベルリン 21日 ロイター] ドイツの刑務所に服役中の受刑者(59)が、かつて釈放が認められたにもかかわらずそれを拒否、現在も牢獄生活を送っていることが分かった。刑務所関係者が土曜日に明らかにした。

ブランデンブルク州法務当局の広報担当・トーマス・メルツァー氏によると、この男性受刑者は終身刑で服役していたが、1992年に釈放が認められた。しかしそれを断り、34年間に渡って現在も服役生活を送っているという。「終身刑の服役囚が釈放を断った場合、我々はどうすることもできないのです」とメルツァー氏は話している。

 この、ジェロルド.Hとだけ氏名が公表されている受刑者は、1974年だから、彼が多分27歳の時に東ドイツで殺人犯として裁判を受け、終身刑を言い渡されたらしい。
 その18年後の1992年に釈放が認められた後、既に14年。あわせて32年(記事では34年となっているが、それでは1974年からこっちの年数が合わない。ひょっとすると、逮捕から結審までに、未決囚として2年間収監されていて、その分が加算されているのかもしれない)に渡って、しかもその4割以上の期間は自主的に、刑務所暮らしを続けていることになる。

 1992年の段階で、多分45歳。今の神北と同い年だ。いい中年男である。この時点で、終身刑のつもりで既に18年間ムショ暮らしをしていたわけで、急に釈放と言われても、刑務所を出てどうするかなんて言うライフプランもないだろうし、戸惑った事は判る。ましてや僅か3年前の1989年にはベルリンの壁崩壊事件が起こり、翌年にはドイツ再統一が為されている。彼の祖国は既に入所前のそれでは無くなっていた。
 この東西ドイツ併合は、旧西ドイツの法律に「かつてのドイツの一部が復帰したい時は言ってね、入れたげるから」ってなことが書いてあったので、この法律を利用する事でスルスルと決まったという話だ。残念ながら法律文そのものに当たって確認した訳ではないので本当のところはよく判らないが、もし本当にそうだったとすると、トテツもなく用意の良い法律である。

 ちなみに、同じドイツでは、刑期満了前に出所を命じられ服役囚が、その命令に従う義務がないんだそうだ。こちらは用意が悪いような……。ま、どんなに用意が良い法律でも、早めに釈放されて出てかない服役囚なんて考えようが無いけどさ。

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