究極の選択だぞ
Excite世界びっくりニュースの2006年10月07日の記事に、『マリファナはアルツハイマー予防に効果的!? 米研究所が発表 』というものがあった。
え? ええ〜〜?!
[ワシントン 5日 ロイター] 高齢者にとってはグッド・ニュース!?……アルツハイマーを予防するためには、マリファナが効果的かもしれないと米国の研究者らが発表したからだ。
発表された研究結果では、「マリファナに含まれる有効成分には、脳を機能させるために必要となる重要な神経伝達物質の分泌量を保つ効果がある。このためアルツハイマーの病状進行を抑えるのに効果があると考えられる」とされている。
米カリフォルニア州のスクリップス研究所が発表したところによると、THC(デルタ9・テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれるマリファナの有効成分には、神経伝達物質であるアセチルコリンの減少を抑える働きがあることが判明し、その効果は市販されている薬よりも高いことが分かったという。
このTHCは、記憶力低下の原因となるタンパク質塊の生成を抑える働きもあるという。
なんか、神経伝達物質の減少を抑え、記憶低下の原因物質生成を抑える。魔法の薬のように役に立つじゃないですか。
大麻の主な薬効成分は、大麻の花や葉に含まれるTHCだ。マリファナは、乾燥させて切り刻んで作る。花穂から取れる樹液を圧縮して固形樹脂化したものはハシシ・ガンジャなどと呼ばれる。
インド麻の花冠や葉は、実に20%近いTHCを含んでいる。もともと日本の麻にこの成分は1%以下しか含まれていないが、それでも昔から、麻酔いと呼ばれる陶酔症状があったらしい。ちなみに現在日本では、衣類用の麻繊維のために、トチギシロという麻酔いの無い品種が作り出され、栽培されている。
THCは、脳や体中にあるカンナビノイド特異的受容体に結合することで薬理学的作用を及ぼす。一番悪名高いのはやはり陶酔効果だが、急性中毒による致死性までは無いらしい。(もちろんそれは薬と身体の関係だけのこと、ラリって足を踏み外したり、走ってくる車の前に倒れ込んだりしたら、もちろんアウトなわけだ。)
摂取時は、リラックス・多幸感、視覚・聴覚変化などがもたらされる代わりに、 肉体に現れる変化として頻脈、不整脈、血圧の変化、眼球内の余分な圧力の緩和、気管支拡張、嘔吐反応の抑制、目の充血、食欲の増加、幻覚などの精神病症状などが起こるという。
しかし、その後は、あまり良いことが無い。摂取を繰り返すうちに体重減少・睡眠障害・異常な夢などがおこる。精神面では、イライラ・易刺激性・易怒性が見られ、攻撃性の亢進も見られる。
そして、次第に精神依存・身体依存が起こる。
つまり、僅かな良い思いと引き換えにどんどん身体と精神を蝕む、そして依存性のために被害が長期に及ぶ、タチの悪い薬だ。
しかし、多発性硬化症などの神経性難病や緑内障、末期エイズ患者の食欲増進、ガンの化学療法に伴う吐き気の緩和に使用できるらしい。また、うつ病・不眠症・てんかん・喘息等の疾患にも効果があるという説がある。もちろんこれは医師の処方の下での対症療法としての投薬だ。
今回新たに効能が発見されたアルツハイマーの病状進行を抑える効果も、そういう扱いで治療効果がありそうだと言う話にすぎない。
しかし、なんか、見出しだけ読むと「ラリるか、ボケるか、究極の選択」って言われているみたいで、ナンダカナァ……。
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コメント
日本人は、この手の麻薬は、バッド・トリップすることが多いですから、これが治療法で取り入れられたら、老人科は紫煙の中で「だから俺はだめなんだよ…」なんてぼやいている老人の方が大量に見受けられる、なんて光景が展開するかも。
投稿: もりた | 2006/10/08 00:10
もりた さま
バッドトリップの挙げ句、昔の嫌な思い出がついさっきの事のように幾つもよみがえってくるぐらいなら、いっそ記憶が無い方が……。なんて考えちゃうかもねぇ。
まあ、どっちにせよ「マリファナを吸うと良い」んじゃなくて、「成分に抑制効果がある」だけですから、スパスパやることはなくって、注射や経口薬、経皮パッチになるでしょう。
投稿: 神北恵太 | 2006/10/08 02:40