クラスターだぞ
すぐにでも欲しい新記録メディアが登場した。2006年10月3日(火)〜7日(土)まで、現在開催されている最中のCEATEC JAPAN 2006で、日立マクセルが展示したSVODのこと。
安定した既存技術であるDVDをカートリッジに収めたものだが、複数枚を1カートリッジに入れるため、既存のディスク1枚より極端に大きな容量を確保できる。
また、カートリッジで守られている事で、既存のDVDなどより薄いぺらぺらの媒体を使う事ができるため、既存のDVDを1/13となる92μmの厚さでスライスしたものが使われる。とはいえ、DVDの記録面はぺらぺらの薄膜であり、殆どはそこに傷がつかないように付けられた保護膜だったり、手で持てるように円盤に強度を与えるための構造材としての樹脂層だから、カートリッジに保護されるとなれば媒体自身は薄くする事は可能なのだ。
で、展示された試作機は、両面記録式9.4GBのDVDディスク100枚を収めたカートリッジで940GB。これは現在最も値段がこなれている3.5インチHDDドライブ250GB〜300GBの3〜4倍。HDD複数個を使っているユーザでも、巧くすれば1カートリッジに全てのHDDのデータをバックアップする事ができる。
ASCII24の2006年10月4日の記事『【CEATEC JAPAN 2006レポート Vol.13】薄切りのDVDを重ねて、1TBに迫るデータを記録——日立マクセルブース』には、写真付きでレポートされている。バックアップメディアの記録容量で悩んでいる方は是非、ご覧頂きたい。
メディアに関しては、単に薄いだけで、既存のDVDと同じ構造になっているため、市販DVDドライブの技術を流用して記録再生が可能。「展示では、キリがいい数字なので100枚にした」(同社広報)そうだが、実際にはそれ以上の枚数を重ねることも可能。また、DVDの赤色レーザーではなく、Blu- ray DiscやHD DVDで用いられているブルーレーザーを利用すれば、同じサイズで3〜5TBクラスの容量も実現できるという。
うむむ。このクラスターカセット、すぐ欲しい。明日にでも欲しい。コイツは便利なバックアップメディアだ。
しかし、現実はまだそこまで来ては居ない。現在は自社で作った試作機が展示されているものの、製品としてドライブを開発してくれるメーカーに関しては、現在、探しているところだという。
むー、早く作ってくれよー!! 欲しいよ〜!!
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コメント
>Blu- ray DiscやHD DVDで用いられているブルーレーザーを利用すれば、同じサイズで3〜5TBクラスの容量も実現できるという。
両方記録出来るメディアを作って欲しいところですね。(レコーダーは別々ってのは無しでお願い^^;)
投稿: 成田ひつじ | 2006/10/06 21:02
成田ひつじ さま
たとえばブルーレイ系統では現状、ブルーレイ対応DVDドライブという1本化された物と、ブルーレイ用ドライブと現行DVD用ドライブを別に搭載した2トレイのものもあるので、絶対とは言えませんが、多分、両用ドライブというのが本流になると思います。HD DVDも同じでしょう。そういう既存ドライブをうまく流用するのがこの規格の面白い所ですから、多分、イケるんじゃないでしょうかね。
投稿: 神北恵太 | 2006/10/07 01:17