「気になるあのご」だぞ
「気になるあのこ」ではない「気になるあのご」つまり「あの語」である。
最近の日本語は荒れておると言うのは、まあ、誰でも判っていることと思う。
今日はその中でも、特に気になるふたつほどを……。
●「から」や「なります」
ひとつ目は、「千円から御預かり致します」「こちら和風ハンバーグになります」などの変態店員語・変態ウェイトレス語。
「千円から預かったんじゃねぇ、俺から、千円を預かったんだ!」
「ほー、これからなるんか? なる前の今はナニモノなんだ? この食い物?」
……とか思ったことのある人、多いんじゃないかなぁ?
●「勝ち組」・「負け組」
この言葉はとにかく変。本来これは、情報から隔離された昭和中期のブラジル奥地の農場で、「我が祖国日本がアメリカなんぞに負けた訳がねぇ、それが証拠に、今もこんなに日本製品が溢れている」という勝ち組と、「それは復旧したんだってば。昔新聞で読んだろ? 日本負けたって」という負け組に別れて、日本人移民達が論争していたというハナシから出来た言葉。
どうみても、説得しきれない負け組もナニだが、勝ち組ってのは、あまりちゃんとした情報を仕入れようとはせずに、思い込みだけで突っ走る人だと思う。
それが、今や「金持ち・貧乏人」という代わりに「勝ち組・負け組」って言葉は使われていている。
まァ、今「勝ち組」と言われている連中は昔の言葉で云うところの「成金」だから、そのカンチガイぶりを揶揄した言葉だとすると、「勝ち組」と一見褒めているように云うのも割とエスプリが利いている気もしなくはないのだが……。
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コメント
こんち、マックでし。
ワタイの気になる言葉は、「全然」でし。
昨今の若者は、「全然かっこいい」とか、「全然旨い」とか、肯定の表現で使用してますなぁ。
本来この語は、「全然~無い」と言う否定の表現で用いるもの。
それを肯定で使われちゃった日にゃぁ、脇の下がくすぐったくなっちゃう。
投稿: Machina | 2007/01/08 08:28
Machina さま
あれは1990年頃でしたか、当時のニフティサーブのSFファンタジーフォーラムを手伝ってくれていたかぷ君から、東京の古い下町言葉にも肯定的な「全然」があって「ぜんぜん美味ぇや」なんて言ったらしいということを聞いた事があります。が、今使われているこの肯定的な「全然」は、その名残と言うよりは、新たに、ボキャブラリの不足から間違って使うようになったという感じですよねぇ。
投稿: 神北恵太 | 2007/01/08 08:49