「バブルは、崩壊して初めてバブルとわかる」アラン=グリンスパン
2007年2月24日土曜日、女房と2人で、『バブルへGO!!~タイムマシンはドラム式~』を見に行って来た。バブル期を知らない2007年の20代前半の娘が、タイムマシンでバブル景気末期の1990年3月へと跳び、急激なバブル崩壊の起因となった不動産融資の総量規制を止めるというお話し。我々の世代にとっては永遠に『気まぐれコンセプト』のであるホイチョイ・プロダクションズによる5本目の映画。
『私をスキーに連れてって』 (1987年)
『彼女が水着にきがえたら』 (1989年)
『波の数だけ抱きしめて』 (1991年)
『メッセンジャー』 (1999年)
『バブルへGO!!~タイムマシンはドラム式~』 (2007)
……と。ホイチョイ映画を振り返ると、最初の3作は、バブル景気に向かって世間が突っ込んで行く世相を映した恋愛ドラマ——というよりは、世相に乗り切れてないオクテな純愛ドラマかな?——である。1987から2年に1本ずつ3本作られた。8年の沈黙を破って作られた『メッセンジャー』は、バブルも遠く去った1999年。がむしゃらに走る自転車便のストイックな青年を、草彅剛が熱演した。
そして、さらに8年開けて、2007年の今年、再び帰って来たホイチョイ映画は、バブル景気が断ち切られる直前の絶頂期1990年3月という狂躁の時代わずか数日を鏡に、標語やドラマのテーマとしては絶えること無く訴えられつつも実際には現代日本で最も軽く考えられて来た価値観の一つである、「家族とその絆」を描いた、ハートウォーミングなコメディーである。
今、バブルの頃ほどの経済力はないが、当時にはなかったような巨大ショッピングモールやインターネット、便利な家電品に囲まれて暮らしている我々が、あの時代の山を越えるために、そしてその後の泥濘を泳ぎ切るために、置いて来てしまったものは何だったのかと、17年の時を遡って考えさせられる映画でもある。あの時代、時代の波に乗って踊った人、それを横で眺めていた人、踊っているなんて知りもせずに別の何かに打ち込んでいた人。是非、いろんな人に観てもらいたい。
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