奥手だぞ
神北は基本的に地図を得意とする図版屋で、現に今も地図を描いている訳だが、もちろん、それだけをやっている訳ではない。
3Dモデルを作ったりもする。門前の小僧だが、編集のお手伝いのようなこともさせてもらっている(というか、今年一番の大仕事は、書籍編集の仕事になりそうだ)し、記事ライターの仕事もしている。時には企画書を書いていくらなんていう商売もしているし、もう一つ、企業などのサイトをチョコチョコっと作る仕事なんかも請け負っている。
今日も、たまに仕事を貰う地方プロバイダさんから、一件仕事を戴いた。
で、その仕事が、ちょっと謎である。
関東各県に広がる企業群の協議会の仕事で、全体のページと各県別のページをまとめるという仕事。まあ、作るもの事態はそう難しくない。ただ、プロバイダの営業さんが戦法と打ち合わせて来たメモにこんなことが書いてある。
やらない4. 「県別○○協議会」および「日本○○協議会」の電子メールの連絡先については、メールアドレスが決まるまで記載しない。
「やらない」ってのは、ドメイン名を始めとするメールアドレスの手配が付くまでか、そのサイトで使えるメールフォームCGIの詳細が判るまでか、なんかそんなところで、暫く待ちに入るってことだろうと思って確認した……。
「え? 違いますよ、文字通りです。やらないんです」
「メールフォームを作らないってコト?」
「それどころか、メールアドレスも載せないんですよ」
「へ? てぇコトは、電話とFaxと、現住所のみ?」
「そうです。メールの対応は難しいそうで……」
「ほー。メールが苦手だけどサイトは作ると……」
「そういうことです。」
まあ、その昔、「企業のWebサイトは、電子野立て看板」と、よく言ったものだが、本当に野立て看板以上には使わないと言う潔さ。感動的だ。
今や、ネットでWebページを見つけて来るユーザはメールぐらい出せるだろうから、メールを受け付けないというのは、自分からビジネスチャンスを一つ放棄しているだけのように感じるのだが、どんなものなのだろうか……。
県単位・関東圏単位の協議会なんて組織になると、各所属企業をリタイアした60歳代の御老人達と、パートのおばちゃんだけなんてこともあるだろうから、メールを受けて応えられる立場に居るのが、誰一人としてネットに慣れ親しんでいないと言うケースなのかも知れないが、なんとも奥手な組織である。
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