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2007/02/07

トラップ発動だぞ

 周南市というから、山口県の話だ。覚醒剤所持で警察に追われて、地下に潜った男が居る。昨夜のことだ。

 かねてから調べてあったのか、偶然運命の女神が招いたのかは知らないが、彼は、官憲の目を逃れるため、地下に潜った。男の仕事は建設業なので、事前に何らかの情報を持っていた可能性もある。

 しかし、彼は地下に潜ることの恐ろしさを正確には理解していなかった。

 東京新聞の2007年2月6日の記事『マンホール出られず御用 15時間後、覚せい剤男』は、文字通り地下に潜った男のお話し。

 山口県周南市で6日、覚せい剤使用容疑の男が警察官の職務質問から逃げ、マンホールに隠れたが出られなくなり、約15時間後に救助され、逮捕された。

 周南署によると、男は覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕された建設業小川浩司容疑者(39)=周南市大内町。

 調べでは、小川容疑者は6日午前2時ごろ、同市内の団地をパトロール中の警察官に職務質問され逃走。マンホールの中に隠れたが内側からふたを開けることができず、助けを求めたという。

 午後5時ごろ、通行人が小川容疑者の叫び声に気付き消防に通報、救助された。

 

 うーむ。ハリウッドの映画とか見ていると、簡単に吹っ飛ばしたり、ヒョイと開けたりしているが、マンホールの蓋って、実はとっても重たいんだよね。地上から開けて入るときは万全の態勢&踏み込みで、両手でエイヤと持ち上げるので、上手くすれば簡単に開くだろう。だが、逆に中から出るときは、余程こつでも掴んでいないと。ラッタルに掴まりながら片手でヒョイなんてあげられるものではないと思う。

 ましてや、建設業とはいえヤク中の中年男。どこまで体力があったか判ったものではない。

 我々の子供の頃は、なにかというとマンホールに逃げ隠れする圧巻がよく子供番組などに登場した。江戸川乱歩の少年探偵団ものでも、ヒョイヒョイとマンホールに潜り込んだ二十面相が、予め逃走用に用意していた変装道具で別人に成り済まし、ヒョイっと地上に戻ってまんまと警官隊を出し抜くなんてぇ話があった。
 だが、小説やアニメは観念の世界。実際にそんな所で服を着替えたら、下水の匂いが付いちゃって、あからさまに「あいつ、クサイぞ」ってことになる。現に、この容疑者も、「血だか泥だか判らないが、真っ黒けで出て来た」らしい。

 入るときは良い考えだと思ったんだろうが、出れないと知った時は、必死だったろうなぁ……。「うおー、このまま誰にも気づかれずに、下水の地下坑で飢え死にするのかぁ……」って絶望感に苛まれながら……。

 15時間の地下潜行と、大騒動の救助劇&逮捕。これで、覚醒剤にも懲りてくれれば良いのだが……。

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コメント

ふくやまけいこの「地下鉄のフォール」(だったかな)を思い出しました。
素人が地下生活するためにはまず「明かり」ですね。

投稿: N | 2007/02/08 21:44

N さま

 たぶん、その辺りあまり考えずに、エイヤっと実行した彼は、さすがに灯りなんて思いつきもしなかったんでしょうねぇ。
 都市伝説に言う「電気も上下水道もトイレ施設もすべて整備された商店街を完成させながら、地下鉄駅の構造が変更になったため使われなかった地下街」とかを探し出して、密かに忍び込んで誰にも邪魔されずに暮らしてみたいという欲求は、あるんですよねぇ……。ま、実際にやったら、寂しくておかしくなっちゃうか、もしくは既に大勢の人が居てそこはそこで人付き合いが必要だったりするか、どちらかなんでしょうがね。
(^_^;)

投稿: 神北恵太 | 2007/02/09 01:06

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