サクラ満開だぞ

　昨日、2007年3月29日木曜日は、ちょっと打合せがあって東京まで出た。快晴。駅までの道も気持ち良い。東京ヒートアイランドの中核地区から見ると、山手線の外に出て1段、赤羽を越えて都県境を跨いで1段、都心より2段階は温度が下がるさいたま市でも、結構桜が咲いて来ている。八分から満開と云ったところか。ついつい早めに出たので、桜を眺めながら歩く。

最寄り駅に向かう道沿いのソメイヨシノ。

　平日の昼前だが、子供を連れて「さくら奇麗だねー」なんてやっているお母さんも結構居られる。そうか、春休みだったな……。

こちらは多分ソメイヨシノじゃないんだろうな。葉の後に咲く赤味が強い花。

　で、打合せの後、日が暮れた後に秋葉原で女房と合流し、晩メシ食った後、北の方向いてふらふらと歩く。いつもは、御徒町か上野の駅までなのだが、この日は不忍池の方に。そろそろ上野桜祭のシーズン。あったかい宵に桜を眺めながらそぞろ歩くのが楽しそうな季節だ。

夜桜が街灯に華やか。奥手に見えるのは弁天堂周りの賑わい。

　予想ドンぴしゃ、行ってみるとちょうど上野桜祭の当日で、不忍池南縁は骨董市の屋台が建ち並んでいる。夜、照明の下で見て回ると、怪し気さ5割増の、仏像やら、古陶器やら、木彫りの熊やら鷹やら、帝国陸軍の軍装やら、昭和40〜50年代のメンコやら……うーむ。自制心、自制心……。

桜の枝間から見上げた月。

　ふらふらと池の東岸を、下町民俗資料館から桜木亭方向、つまり弁天堂の方に向かって歩く。このあたりは、池端の花見スポットの一つで、大量の屋台が出ている。

池越し・桜越しに不忍池西縁夜景。

　一昨年だったかな、休日の昼にこの桜祭中の池端を歩いた時には、バーテンダー組合がカクテルを作ってくれる特設屋台とか在ったんだが、平日の夜ということもあってか、それは今回は見当たらなかった。

桜木亭の周りは、自販機で明るい。

　上野の丘の上にある寛永寺清水観音堂の裏（脇？）から池端に降りた桜木亭のトコロで左に折れて池の中道を歩いて弁天島へ。弁天堂の西側を見ると、面白い形のビルとして良く知られるソフィテル東京の客室に全く灯が灯っていない。どうも、営業を止めたらしい。ま、使い勝手が良いとは到底思えない形だったからなぁ……。

弁天堂の脇から西側を望む。右の方にそそり立つのがソフィテル東京。

照明に黄金色に照らし出される不忍池弁財天の堂宇。幻想的。

　弁天堂正面あたりは、ゴザを敷いて座り込むわけにはいかないせいか、散策する人が多い。夜店の屋台がずらりと軒を並べているので、ついつい浮かれてしまう。ここより西側には屋台が無いのか、ここで大量に買って池の中道を西縁に向かって歩いて行くオジサンとかも居る。

弁天堂正面の賑わい。左手には屋台がずらりと並んでいる。

弁天島東側の橋の上から北側を望む。建物は多分公園内の伊豆栄。

　桜木亭のところから、上野の丘の上へ登ってみた。JR上野駅公園口を目指したのだ。距離的には池に沿って南へ向かって戻って行って上野駅しのばず口まで行っても同じぐらいの距離だが、ここは丘の上に登ってみた方が面白そうだった。
　やはり、池の端とは、宴会をしている人たちの雰囲気も違う。池の方は、個人・家族・友達同士と云う感じが強かったが、丘の上はなんだか企業の宴会という雰囲気が強い。道一本、坂（階段）一つなんだが、こうも雰囲気が変わると面白いなぁ。

五條天神社への入り口付近。花見客に境内に入り込まれないようにかフェンスが。

上野のお山の桜も、当然、満開。

　ちなみに、笑ったのが、腹を据えて宴会していると云う雰囲気の池の方と違って、遅れて合流して来る人が多いこと。夜、9時ちょっと前である。いかにも「残業で出遅れた」という風情のおじさん・兄ちゃんたちが、「仕事で遅くなっちまった。あ〜あ、今更、なんにも食うモンのこってネェンだろうなぁ……」ってなくたびれ切った顔で、ずらずら駅から歩いて来る。

行き先の宴席を確認しようと携帯電話を片手に佇む男たち。
後方は、怪人二十面相＆少年探偵団御馴染みの国立博物館。

　で、オマケ。桜満開の東京ヒートアイランドの中心部からずすっと20キロほど外に出たさいたま市に戻って来ると、まだまだ咲かない桜もある。その中で北浦和公園の桜。本当はこの桜の隣にある枝垂れ桜が奇麗なんだが、そっちの方はまだまだと云う風情。時間の所為というよりはまだこっちは桜の開花が少し遅いからか、立ち止まって話をしているグループが一つあるだけ。静かなものだった。

北浦和公園の彫刻広場の桜の木。