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2007/03/07

おばあさんの思い出だぞ

 神北の祖父・祖母は既にみな他界している。が、今日ここで思い出を語りたいのは、実の祖母のことではない。

 武知杜代子さんのことを語りたい。

 武知杜代子(武智豊子とも) 1908/08/25〜1985/07/18(明治41年〜昭和60年)享年76歳。女エノケンと呼ばれた浅草芸人。芸達者を買われて昭和の映画界・テレビ界に進出し、多大な功績を残した。
 1977年、70歳近くになってから、アニメ声優として、『無敵超人ザンボット3』の主人公一家の祖母、神梅江を好演。

 神北が、武智さんを最初に認識したのは、多分、『快獣ブースカ』か『コメットさん』もしくは『忍者ハットリくん』(『……ジッポウ』の方かも)あたりだったと思う。
 先日CS系の放送で偶然見ることの出来たコメットさんでは、家事仕事が嫌になった(とんでもないお手伝いさんである)コメットさんが、マンガから引っぱり出したスーパーお手伝いさんのキンばあさん(ほらほらキミたち、2次元キャラの実体化っていう萌えネタの定番の一つは、武知杜代子さんから始まったのだよ!)という、何とも不思議な役だった。ブースカでは、近所の小母さんかもしくは子供達の誰かのお婆さんの役だったような気がする。

 印象がしっかりしているのは、『妖怪大作戦 河童の三平』の砂かけ婆。まあ、本放送では見れなくて、かなり遅れて(ということは少しは成長してから)見たせいということもあるのだろうが、恐くも優しくも厳しくもある何とも言えない婆さんだった。
 その後、いろんなテレビにチョイチョイとゲスト出演で出ていたようで、『アイフル大作戦』で藤村有弘さんと一緒に出ている話を数年前にCSで見た。藤村さんといえば『ひょっこりひょうたん島』の大統領ドン=ガバチョだが、武智さんはその前番組『チロリン村とくるみの木』にも出ていたようだ。とはいえ、神北が生まれる5年も前の1956年に放送スタートし、3歳になる前に終わったらしいので、この番組に関する記憶はおぼろげである。

 MovieWalkerで見ると映画には141本カウントされている。ホントに数えたらこんな数ではないと思われるが、まあ、昔の映画はクレジットが甘いから、こんなものか。

 で、神梅江ばあちゃんである。設定年齢は68歳。当時の武智さんの歳とほぼ同じ。これは武智さんに合わせていじられたのか、設定に合わせて武智さんが選ばれたのか、単なる偶然なのか、それはわからない。が、芸能界の中核だった浅草にずっと身を置き、華やかな世界で暮らして来た武智さんとは対局にいるように見える梅江ばあちゃんは、それでもなんだかコンピュータやレーダーを巧みに操り、孫達を助け、おまけに若い頃は現副総理と浮き名を飛ばしたこともあったりする、なんともスーパーおばあちゃん。

 キリっとした顔立ちで、どちらかと言うと弁の立つ気の強そうな役が多い実写と異なり、この梅江ばあちゃんはかなりマイルドな役で、一家の緩衝剤であり、みんなが気づく前に先回りして気配りを整えておく陰の実力者でもあった。本人にとってもこれは面白い体験であったようで、放映の後に編まれたロマンアルバムでは、番組への想いをインタビューで語っておられる。この『ロマンアルバム無敵超人ザンボット3』『20年目のザンボット3』『ZAMBOT3 ARCHIVES(DVDメモリアルボックス初回封入特典)(密かに神北は氷川ザンボット三部作と呼んでいる)は、ザンボット3に関する基礎資料であり、中でもロマンアルバムは武知さんのご存命のうちにまとめられた貴重な書籍。今でも1500〜2000円ぐらいでネットオークションに出るようなので、まだお持ちでないお好きな方は是非、押さえておいて頂きたい。

 で、なんでこんなに武知さんのことを話しているかと云うと、ネットを探して武知さんの写真というのがまず見つからないのである。これが悔しい。話していても、あんなによくテレビや映画で見た顔なのに、「どんな方でしたっけ?」と言われることが多い。これが悲しい。「この人だよ、よく知ってるだろ?!」と言いたいのだ。

 唯一見つかったのが、コレ。『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』(第13作)の冒頭の夢から覚めるシーン(ページ頭を含めて5枚目の写真)に、寝ぼけた寅さんに迷惑を被る電車の乗客役でチラと出ておられる。公式な写真でないのは残念だけど、これぐらいしか見つけられなかった。ただ、思いっ切りギャグシーンの演技に入っている顔なので、「ああこの人」と思えるかどうかは微妙かな……。一面、武知さんらしい表情なんだけどねぇ。

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コメント

 女エノケンの武智豊子さんといえば、私が真っ先に思い出すのはNHKの「お笑い三人組」。
(アンタ、いくつだよとか言わないように)
 クリーニング屋の八ちゃんの母「ふで」の役でした……というのはデータ検索してわかった話。番組のストーリーの方はぜんぜん思い出せません。
 昔はあちこちの番組や映画で見かけたような気がします。

投稿: 東部戦線 | 2007/03/11 02:23

東部戦線 さま

 さすがですねぇ。ボクは、生まれる前年に5年間の放送機関が終わったラジオ版は勿論のこと、4〜5歳ぐらいまでやっていた筈のテレビ版の方も、記憶にありません。
 あの時代のものは、生が基本なので、見そびれたらそれで終わりという名人芸が多々披露されたんでしょうなぁ。惜しいことです。

投稿: 神北恵太 | 2007/03/11 04:00

 武智豊子さんはあのエノケンに似ていなくもないクシャクシャの顔と顔にぴったりのガラガラ声ですよね。
 「お笑い三人組」は本当に個々のエピソードはまったく思い出せないのに番組の印象だけはかなりしっかり覚えています。武智さんはほかの人たちがステージから消えると不意に現れて、一言二言、ちょっと笑わせるようなことを言って消える人だったという覚えが。でも自信ありません。
 ネットで調べてみると武智さんはクリーニング屋の八ちゃんの母の役だったとあったのですが、記憶ではサラリーマンの正ちゃんが二階に下宿していたタバコ屋の婆さんだったような……記憶は当てにならないものです。

投稿: 東部戦線 | 2007/03/11 12:16

東部戦線 さま

 武智さんは、ずっとそんな役ばかりやってこられた印象がありますね。中心に居られるより、横で静かに傍観していて、要所で真理を衝くような一言をぽっと発する。
 これが、存在感という奴なんでしょうか。

投稿: 神北恵太 | 2007/03/11 18:36

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