静岡ホビーショービジネスデーだぞ
2007年5月17〜20日(木〜日)、静岡市で開かれた静岡ホビーショー。今回は、金曜日のビジネスデー2日目と、土曜日の一般デー1日目を覗いて来た。
会場案内図 静岡ツインメッセのほぼ全館を使う大型イベント。 |
新幹線東京駅で、同行の古市くんと合流。ひだま(いくつかのこだま号停車駅にも停まる新幹線ひかり号)で静岡まで一時間と少々。有り難いことに、駅前から会場のツインメッセまで、無料のシャトルバスが出ている。このバス停は本来、競輪場まで人を運ぶものだが、競輪場の駐車場はホビーショー期間、無料駐車場として解放されており、駅←→ツインメッセ、ツインメッセ←→駐車場のシャトルバスが走っているという具合だ。
ちょっと待ってバスに乗る。ビジネスデーで本数は少ないようだが、ちゃんと座れた。有り難い。
さて、会場について、まず最初は、タカラトミーから。
トミーテックTOMIXの大型レイアウト Nゲージの大型レイアウト。高架には新幹線。そして2両で走る在来線のキハ187型には……。 |
車載カメラ車両と電源車両 カメラが仕込まれている。映像信号はレールを通じて送られ、テレビ画像として出力される。 |
このタカラトミーの車載カメラ、カメラ車と電池車に別れていて、2両でひと組。カメラからは極めてクリアな絵を取り出せる。聞いてみたところ、電波では、トンネル内などで映像が途切れかねないので、Nゲージの給電ラインでもあるレールを通じて送り、線路脇のボックスに模したピックアップで信号を拾うようになっている。
運転席はこうなっている 気分は電車でGOだが、実際に走っていると云うリアルな感覚が、また一段と感動的。 |
ジオラマ気分が気持ち良い このリアルな走行映像を見ていると、いかにレイアウトを真剣に組むかが勝負だと判る。 |
タカラトミーでは、秋から新シリーズがスタートする予定の『装甲機兵ボトムズ』等も扱ってはいるのだが、面積的にはTOMIXが断然大きかった。 このショー自身が、静岡の模型業界・模型ファン全体のお祭りと言う面もあるものの、本来、全国の模型店主が仕入れる品物を見定めるための見本市である以 上、模型系、しかも、タカラトミーにとってはプラモデルですらなく、専門性と拡張性が高いTOMIXやトミカといった鉄道模型・自動車模型が商談の中心に 来るのはやむを得まい。
タカラトミーの次はアオシマ。ここは、当然プラモデルメーカーでもあるが、輸入商社としての顔も持っている。
機甲創世記モスピーダ レギオス トイナミのレギオスを輸入販売らしい。 |
機甲創世記モスピーダ ライドアーマー これ、カッコエエっス! |
機甲創世記モスピーダ トレッド 参考出品だが、レギオスとの合体を前提に開発されているらしい。 |
アオシマのキャラクタートイ系はアニメだけでなく、実写特撮もがんばっている。こんなものが発売されるなんて、なんと言うか……。
パワーローダー 第2作目でクイーン・エイリアンと一騎打ちを演じた、リプリーのパワーローダー。 |
なんか、十数年前、映画直後に発売されていたら即買いしていたよなぁ。なかなか出来の良いパワーローダー。ロールバーなどを含め20箇所可動、回 転系関節は16関節がラチェット機構で、カチカチっとポーズが決められる。なんだか燃えるぜ!バスケス、俺も戦うぞ!! ヤツラを叩き潰してやる〜!
サンダーバード2号のプロップ版 プロダクトエンタープライズのプロップレプリカ。128,000円也 |
40年目のサンダーバードは、全世界で600個限定の撮影プロップのレプリカ。実は、展示場で見ると黄色みが強く、妙に目を引く黄緑色に見えるの だが、イギリスでの厳しい監修を受けた上の限定版だと言う。これが、日本人から見ると赤系に寄りがちな欧米系のフィルムを通してみると、あの落ち着いた色 調に見えて来るのだろうか?
v アオシマの新ブランド「FunnyKnights」のPVC完成品美少女フィギュア第1弾。山下しゅんや描き下ろしのオリジナルキャラ「ルディ」。 |
完成品の美少女フィギュアも新シリーズがスタートする。凄く良い出来。ただなぁ、こういうものって、予めちゃんとしたお話しがあって、その主人公 が形になって初めて面白いのであって、何の思い入れも無く突然オリジナルキャラをデザインされて、どこまでの人気を持てるのだろうかという疑問は残る。
バトルスターギャラクティカ レジンキット。まだ価格も未定の参考出品。できるだけお安い方が……。 |
この『ギャラクティカ』という商材だと、高く付く巨大レジンキットひとつよりも、小さな艦艇を大量に並べて船団を組める方が嬉しいと思うのだが、 如何だろうか? 「しかし、ギャラクティカ・ブーム来て欲しいですよねぇ……」「新シリーズ見たいですねぇ」と説明員の方と盛り上がる。
次は、東京マルイ。途中で鉄道模型のKATOとか童友社とか、幾つか見るが、専門外過ぎてちと凄さが判らない。鉄分薄くてスマソ。
東京マルイのバトルタンクシリーズ BB弾の主砲を搭載したラジコン戦車。 |
さて、東京マルイといえばエアガンだろうが、ラジコンも鉄道模型もやっているのだ。特にこのバトルタンクシリーズは、主砲からBB弾が撃てるという、自社の得意分野を有機的結合させた、なかなか面白い製品である。
左が長モノ、右がハンドガン 東京マルイのエアガン横丁。四半世紀以上遅れた知識の神北からは、全て未来兵器。 |
とはいえ、やはりエアガン。鼓弾の頃に少し撃ったことがある程度の神北は、四半世紀以上遅れているので、全く知らない機構が色々と組み込まれてい て呆れ返る。圧縮ガスによるブローバックはもちろん、射出時にBB弾に逆回転を掛けて空力的な浮力を生み、弾道の直進性を生むバックスピンなんて物が、 10年も前から実用化されていたとは、エアガン恐るべし。
試射 試射する古市くん。彼はこのまま激高し辺り構わず乱射、後に金曜日の惨劇と呼ばれる事件を引き起こし……てません。 |
マルイの後、タミヤに入る。毎年静岡ホビーショーで最大規模の展示を行うこの会社は、ミニ四駆や、ラジコン、楽しい工作シリーズ、1/35を筆頭とするミリタリーモデルはもちろんのこと、基礎素材や工具、塗料、はては輸入キットの販売まで、多岐に渡る模型界の雄。
同行の古市くんは、ミニ四駆直撃世代なので、ミニ四駆25周年記念展示にずっぽりと嵌まる。神北にはちょっとよく判らんブーム。しかし、2005年のミニ四駆PROの発売もあって、ますますこのブーム、続いて行きそう。
タミヤのレース系玩具 ミニ四駆・ミニ四駆プロ・ダンガンレーサーなどのレース系と、ロボクラフトシリーズの展示。 |
ミニ四駆の歴史展示 四半世紀に渡るミニ四駆の歴史を展示。 |
昆虫バトル 少年とお父さんが、有線コントロールのクワガタとカブトで昆虫バトル。 |
タミヤでは、いろいろと貰うべきパンフが多いので、かけずり回る。塗料・工具・部材といった、プラモ作成・改造に必須の製品が、展示のあちこちに別れているので、大変。
さて、タミヤの次はバンダイ。バンダイも爆シードなど、レース系玩具から様々なキャラクター系模型まで、大規模展示だ。
バージョンKA この実車は、バンダイのチームのレース車(実車)らしい。塗装デザインはカトキハジメ氏。 |
今年は、新作のテレビシリーズがないので、今イチブーム感に欠けるガンダムだが、SDガンダムは三国伝。そう、三国志なのだ。
曹操ガンダム 平原の大国、機駕の国を作る。天才でプライドが高いが、卑怯を嫌う高潔な戦士。 |
劉備ガンダム 峻険な山地に山岳国、翔の国を作る。義に篤い、頼れる兄貴分。普段は楽天的だが、曲がったことが嫌いで天下無敵の豪遊を誇る。 |
関羽ガンダム あごひげを蓄えた、天下無双の豪傑。劉備、張飛と桃園の誓いで義兄弟となる。 |
張飛ガンダム 直情径行で涙もろいおっちょこちょい。だが戦となればめっぽう強い。義兄弟の末弟にあたる。 |
孫権ガンダム 川と緑の国、轟の建国者である孫堅の子。王子ながら誰とでも分け隔てなく付き合う好漢。 |
ガンダムだけではなく、ボトムズも来ている。秋からの「ペールゼン・ファイルズ」のシリーズ開幕に向け、テレビ版のスポンサーだったタカラ(現タカラトミー)だけでなく、バンダイからもプラモデルが登場する。
ボルトオンスナップ 外装版にボルト孔が開いていて、小さなボルトで、フレームに外装版を取り付けるという新方式の1/20スコープドッグ。 |
ボルト これを一本一本打ち込んで、自分の機体を整備する。金属ボルトを使うスペシャルバージョンもあるぞ。 |
ボルトのランナー これを、ラチェットレンチ型の工具を使い、機体に打ち込んで行く。印象としては、ガンプラのスナップが1つずつ別部品になった感じか? さすがにネジではない。 |
左脇は装甲板付き、右脇は未装着の骨組みのみ カットモデルとか、なかなか面白くなりそうだ。 |
この他、バンダイのブースでは、マスターグレード100体目がターンエーガンダムに決まったという速報展示が行われたりしていたが、まだ試作もなく、過去のキットの作例展示やシド=ミードによるアニメの設定資料の掲示に留まるので、ここで報告する程のことはない。ただ、シド=ミードのデザインは、異様な程よく動く可動性能の高いガンダムということがウリだったので、マスターグレードの品質との組み合わせで何が起こるか、今後夏までじっくりと見守って行きたい。
グリーンマックスの名鉄特急 見慣れた電車というのは、門外漢でもちょっと気になる。 |
バンダイのブースを出て、ふと目についたのが、グリーンマックスの名鉄パノラマカー。で、そのレイアウトの中に目に留まったものが
喫茶マウンテン なぜ、名鉄パノラマカーの走るレイアウトにマウンテンが? グリーンマックス社員の名古屋のイメージか? |
ええと、鉄道模型つながりということで、東京マルイのZゲージのことも語っておこう。線路幅6.5ミリ、1/220サイズのZゲージは、メルクリ ンが30年程前に提唱した企画だが、日本で広まり始めたのは2006年の食玩から、タカラトミーも同年参戦している。東京マルイは2007年2月参戦と出 来立てほやほやの後発組だが、本気度は高く、車内灯を装備した夜行列車を見せるため、薄暗いトンネル状の展示コーナーを作り、列車を光らせていた。画一的 な光でなく、窓によって明るかったりちょっと薄暗かったりと、光り方にムラがあって、よい雰囲気。
Zゲージのレイアウト 小さいことを逆手に取って、既製品のレイアウトを組み合わせるという策に出たZゲージは、日本の狭い住環境で鉄道模型を「走らせたい」向きには最適かも。 |
コトブキヤのブースに気になる飾り台があった。メカニカルチェーンベースだ。床板と壁のセットで、1050円。床は縦横に継ぎ足せ、壁も二段算段 と上に繋いで行ける。買って来て、ロボットや宇宙船のプラモでもヒョイと置けば、一瞬にして格納庫ジオラマ。ロボットのコクピットまでアームを伸ばせる搭 乗用クレーン車や、壁に武器をかけられるアームなど、バリエーションユースを考えてある。
メカニカルチェーンベース 1/100〜1/144程度の縮尺を想定して、階段や扉が用意されているが、利用法は縮尺に限定されないだろう。 |
3×3=9枚組み合わせた広いブース ゾイドがのし歩く広いベース。カッコいい! でも、これベースだけで9千円以上掛かっているんだよなぁ。 |
神北が基本的にプラモな人なので、プラモ系を中心に報告しているが、ホビーショーの半分はラジコン系なのだ。神北の小中学校の頃、エンジン模型と
云えばUコンで、それもなかなか金の掛かる趣味で、おいそれと始められるものではなかった。ましてやラジコンともなれば、もう一段格上である。
しかし、今やこういうものも安くなり、電波より楽な赤外線コントロールなども登場し、安いものでは4ケタ台の下の方から、リモコン玩具がある。
しかし、高みは高みで、未だにかなり高いところに留まり、ハイエンドな大人の趣味として、今も普及している。
京商の建機ラジコン 何度となく発売延期となっているが、その理由が、機構改良とともにモデルとなった実機のマイナーチェンジによる金型変更だというから、泣ける。 |
面白かったのは、京商のラジコン建機。建機って、ただの車や飛行機より面白く感じるのは、何故? やはり、体内オトコノコ度の問題かなぁ。
で、今、ラジコンの中で、最も体内オトコノコ度を上昇させるのが、二足歩行ロボット。
あ、さわくんだ! JRプロポの二足歩行ロボットのプレゼンテーターは、もちろんさわくん |
ロボット調整中 JRプロポのロボットは、PS2のコードレスコントローラーを利用して操作出来る。台の上に見えているのはそのコントローラー |
こちらを見ている ロボットの目がこちらを見ている。目玉の磨りガラス様の素材の奥に光源があるので光る中心が見る人の方に動いて見える。 |
こちらを見ている このロボット用のLEDパーツを少し後につけ、見る角度で目の動きが出るように、簡単だが奥の深い工夫。 |
大車輪するロボット 懸垂状態から、身体を前後に揺すって、あっという間に回り始める。パワーの勝利だ。 |
大車輪、いつもより多めに回転しております。 ロボットの身体が完全に鉄棒の上に回っているのが確認戴けようか。かなり高い運動性を持っている。 |
さて、この日の取材を終え、神北と古市くんは、まずはホテルへと入る。この日の宿は、ネットで最安値だったビクトリヤホテル。
「ビクトリアじゃなくてビクトリヤ。昔、隠居した徳川家康が釣りに行って魚籠を海に落とした時に、泳いで行って取って来た功績で、士分格に取り立てられた魚籠取屋平左衛門が始めた宿屋が元となった老舗で……」
「ホントですかそれ?」
「スマン、今考えた…」
宿泊したホテル 駅から800メートル程南に歩いて行ったところにある。周りはすっかり住宅街? |
ビクトリヤホテル 良い頃加減にウエザリングの利いた壁面。9階建て中8階に泊まった。 |
さて、明日はいよいよ一般公開日。そちらの報告は項を分けます。
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