燃やせ、燃やせ、真っ赤に燃やせ……だぞ
2007年6月6日の日テレNEWS24の記事『“ホームレス”にサラダ油をまく 4人逮捕<6/6 1:57>』が酷い。
埼玉・朝霞市の河川敷で5日、ホームレスの男性が過ごす段ボール箱にサラダ油をかけ、火を付けようとした大学生らが逮捕された。
器物損壊の疑いで逮捕されたのは、東洋大学4年・安藤佳南子容疑者(21)、専門学生・伊藤貴紘容疑者(20)、東洋大学2年の男子学生(19)と成城大学2年の男子学生(19)ら計4人。安藤容疑者らは5日午前4時半過ぎ、東洋大学朝霞キャンパス近くの河川敷で、ホームレスの男性(43)が寝ていた段ボール箱にサラダ油をまいた疑いが持たれている。
4人はライターを手に「燃やせ」「殺せ」などと騒いでいたが、男性にケガはなかった。4人は、夜通し、現場付近でバーベキューをし、「悪ふざけが高じた。今となっては申し訳ない」などと話している。
一つ気になるのは、このニュース、日テレのページにはあり、今朝のテレ朝の番組でも流れたのだが、Googleニュース日本版では検索出来なかったこと。
誤報なのか、何らかの力が働いて新聞各紙を押さえたのか、そこんトコは知らんが、変なカンジ。
しかし、酷い話である。夜通し川原でバーベキューをして、残ったサラダ油をアーバンジプシーのおじさんの段ボールハウスにかけて、文字通り「始末しちゃおう」とした大学生たち。
「今となっては申し訳ない」じゃねーよなぁ。放火だよ放火。未遂とはいえ、中に人が居る段ボールを、中の人ごと燃やそうとしてるんだよ。
幸い、ホームレスのおじさんは持っていたケータイで警察に電話しながら逃げたそうで、まあ実際にはライターを手に持ってはいたが、本当に火をつけられることは無く、無事に済んだ。しかし、サラダ油をかけられた段ボールは捨てるしか無いだろうし、こりゃ、まいったものである。
ホームレスと云うのも困ったものではある。うちのアパートのゴミ捨て場は掃除のために水道が引いてあるのだが、排水溝の施行が変で床面より排水溝が僅かに盛り上がり、水はけが悪い。だから、一旦水が着くと3〜4日は床がびしゃびしゃになっていて、欠陥構造なんだが、この水場を使うホームレスが居た。
一度、ゴミを出しに行って、扉を開けたら、そこで汚れで真っ黒になったオッサンが下半身むき出しにしてケツを洗っていたことがあったのだ。
「オッサン。何しとんねん?」と無意識に口をついて言葉が出たら、怯え切った顔で、「あ、お、ちょっと、ちょっとヌっとる……」 と、なんか意味不明なことを言いながらズボンを引き上げつつ逃げて行った。今年の2月6日、まだ寒い頃のことだ。
ちなみにその後、自分では現場に遭遇していないが、そのホームレスらしいオッサンは時々近所のベンチで寝ていたりするようだから、また使われたらゴミ捨て場びしょびしょになって迷惑だなぁという思いはある。
吾妻ひでおファンとしては、ホームレスに厳しくあたりたくはないと思うが、どちらかといえば、周りで暮らしていて欲しくはない。
とはいえ、「燃やせ」「殺せ」って、ナンデスカ〜? 魔女狩りかい?
しかし、いかに生命線とはいえ、今、ホームレスのおじさんって、ケータイ持ってんだなぁ……。感心……。
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コメント
何ともひどい話です。
人道的に問題があるのはもちろんですが、大学生にもなって、サラダ油の着火点を知らない
というのは問題でしょう。きっと、本人たちはガソリンのように燃えると思っていたのはない
でしょうか。もっとも、仮にそうだとすれば明らかに殺意があったと認められるわけですが。
ホームレスというと、ずいぶん「地に足が着いちゃった人」というイメージがありましたが、
最近は、ごく普通の人が、ささいなきっかけで転落してしまうようです。最近、ネットカフェ
難民などという言葉が話題になりましたが、あと数年を経ずして、これらの人たちが「若年層
ホームレス」のではないか、と危惧してしまいます。
この東洋大の学生も、おそらく自分たちと同年代の人たちが、そういう生活を強いられてい
るという発想がないのでしょうね。
最近、アホタレな事件が相次ぎますが、すべて「こういうことをしたら、どうなるか」とい
う想像力に欠けた人たちが起こしているような気がします。
本当に、怖い世の中になったモノです。
投稿: 安達裕章 | 2007/06/07 11:03
安達裕章 さま
サラダ油をなんで調理用に使うのかが判らない20歳過ぎの女性ってのも怖いですが、段ボールなら、変にサラダ油をかけない方が燃え易いと言う事を、四人もいて誰も思い至らないのもなぁ。凄いハタチです。
でも、ホントに怖いのは、GoogleNEWSで記事が流れてない方なのかも知れません。何を隠したいのかなぁ……。
投稿: 神北恵太 | 2007/06/07 11:23
私もそのGoogle外しが気になります。
投稿: 明るい空 | 2007/06/07 11:50
確かに他のニュースソースに見かけませんね。
高校生を相手にしていて、面白いと思うのは、工具としてドライバー、ニッパー、ラジオペンチ、柄付きヤスリを使わせているのです。
元がプラモデルようなものだから説明書には必要な工具としてカッターが指定されているのですが、学校でやるのでニッパーとヤスリにしちゃったわけです。
さらに、工場向けの安全教育もやってから取りかからせるのですが、しばらくすると結構危なっかしいことをするのが出てきます。
先日は、ヤスリを下から上に向けて使うのは良いとして、その真上に顔を出している。
当然のように、ラジオペンチを両手で開いたり閉じたりしているのもいる。
こういうのに、細かく注意してみると実は分かっているのです。
人間というのは、単に知識だけでは行動に結びつかない、ということですな。
練習・実習が必要とされる理由もここにあるのでしょう。
で、お二人の「思いつかないのに呆れる」はそれまでやってないからですよ。
高校生というのはある意味でとてもかわいそうで、お使いをしたことないのが多いですよ。
というか、最近はお使いにいく店がない。
つまりは、小学校低学年ぐらいから行動面ではあまり変わらないわけだ。
それで知識だけを山ほど詰め込まれている。
そういうのが、そのままこの事件を起こしたような気がするな。
投稿: 酔うぞ | 2007/06/07 11:56
「大学生なのにこんなバカ」と思うとアレですが「こんなバカなのに大学生をやっている」と思うと立派だなぁ、と……思いませんね、はい。
彼らの出身がどこなのかよくわかりませんが、うちの田舎が田舎すぎるせいなのか、どうもこういう発想が理解できません。うちの親なんかだいぶ前東京来たときホームレスに珍しがってお金あげてました。「これでモチでも食いなさい」ばりに。いや、無防備すぎるのもそれはそれで問題だとは思うのですが。
まぁ、実際のところは大学生でもごく一部だとは思うんですよ。
頭悪くて浪人したあげくに大学進学するのあきらめた身からすると大学生ってちょっと憧れてる部分があるんですよね。いまだに。いまからでも大学でちゃんと勉強したいな、とたまに思ってます。たとえ年下でも大学行ってちゃんと勉強してる人って心の中では尊敬してますから。幻想に近いものがあるんですけれども。大学生ってだけでかっこいい。
なので、あんまりイメージ壊さんで欲しいなぁと思います。すみません、なんか論点ずれてますが。
投稿: ふるいち | 2007/06/07 12:10
段ボールハウスは多分法律上の「建造物」には当たらないので「放火」にはならないと思うけど、それ以上に「殺人未遂」なんではないかなぁ。^^;
投稿: 亜蓮 | 2007/06/07 12:35
明るい空 さま
未成年事件で怪我人も無いという事で、何かお目こぼしフラグが立ったのかも知れませんね。ナゾです。
酔うぞ さま
いや、知識だけで育って来てないで、実際自分たちでバーベキューやってみようっていうような、アクティブな連中がこれだから、驚いているって面はあるんですよ。
ごく一部なんでしょうがねぇ。
ふるいち さま
まー、戦後間もない昭和23年、悪心を起こした東大生が、希代の経済詐欺を起こしたって事件(光クラブ事件)もありますからねぇ。大学生だって、バカも悪人も居る訳です。
亜蓮 さま
ホームレスのおじさんが主たる管理者と認定できる状態であれば置いてある(落ちている)段ボールに火をつけても、たぶん放火と言える筈です。が、サラダ油にぬれた段ボールに火が燃え移ってないので、言えても未遂ですかねぇ。
サラダ油の処理に困って一生を棒に振るとはなぁ……。
投稿: 神北恵太 | 2007/06/07 15:08