使った木材五万本だぞ
神北の仕事は主にパソコンの上で成り立っている。もちろん、プレゼンテーションも掛ければ、仕事仲間との意見の交換もする訳だが、基本的に、パソコン上で図版を描いたり文章を書いたりして納品することが、神北に取って最も重要な仕事であり、すべてはそこに持ち込むための状況設定と言っても過言ではない。
だから、パソコンのハードウェアの進歩とか、ソフトウェアの更新とか、いろいろなことと無縁では居られない。
パソコンの拡充は、仕事の効率にも規模にも、様々に影響する。
さて、ZDNet Japanの2007年6月26日の記事『シーゲート、初の1テラバイトドライブを発売へ』(文 Erica Ogg(CNET News.com)/翻訳校正 ZDNet Japan編集部)は、そういう、神北が気にしている類いの技術革新のお話。
Seagate Technologyが、同社初となる1テラバイトハードディスクを投入する。同社は米国時間6月25日に、新しいハードディスクを発表することを計画している。新製品「Barracuda 7200.11」は、小売り市場向けで価格は399ドルとなる見通し、発売は2007年第3四半期を予定している。同製品にはまた、最大32Mバイトのキャッシュを搭載し、5年の保証が付くという。
うーむ。そんな時代かぁ。
1テラバイト。つまり1000(もしくは1024)ギガバイト。今使っているハードディスクが主に80〜300ギガクラスだから、3〜12倍の大容量ということになる。既に『夢の』と形容詞が付くほどびっくりする増量ではないところが、この「人類史上最も短期間で単位当たり価格が下がった製品」の怖いところ。
最初に買った富士通のFM-16β用HDD(20MB)が85年頃に約20万円(弱?)なり。その何年か後に友人のNikovさんから譲ってもらったMacPlus用HDD(20MB)が88年頃に中古で5万円。1MB=10,000円から4MB=10,000円に。
ちなみに、現在は250〜300GB=10,000円というのが割と底値だから、20年チョイで、同じ値段で買える磁気記憶容量は最大25万倍ほどに広がった計算だ。
このシーゲートのものが組み込まれた外付け機は、もちろん、高嶺の花だけにそこまでお安くは行かない筈。メーカーの原価が399ドル(約5万円?)とすると、それを入れるガワタもそこそこには良質の……つまり良い値のものになる。仮に製品価格が8万円ぐらいだとすると、125GB=10,000円。単純計算では現在底値250〜300GB=10,000円というこの計算式の倍ぐらい割高になるが、それも一瞬のこと。あっという間に価格が下がり、1TB=10,000円の時代は2年ぐらいの内に来てまうんじゃないかな。カギは、HDDレコーダーの高画質化だろう。今、DVDクラスの映像を撮っている感覚で、HD-DVDクラスの画像をとれないと、消費者が満足しない時代が、目前に迫っている。2TB超の大容量HDDやクラスターHDDの普及は、地デジ時代にはもはや規定事項だ。
しかし、こんな時代がやって来ているのに、このZDNet Japanの記事はスゴい。
- 承前 -
カリフォルニア大学バークレー校の研究者らによると、1テラバイトのドライブに保存できる情報量は、紙の原料に換算すると木材5万本に相当するという。日立も2カ月前に、同社初のテラバイトドライブを同じく399ドルで発売している。
うーむ。木材5万本って……。紙の原料に換算ったって、なんか、紙の質とか、木の大きさとか、印刷する情報の文字級数とか、条件によってずいぶん変わる気がするんだけどなぁ……。
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