考える基礎能力が足りないぞ
あまりのズサンさに唖然となった話。
読売ONLINEの2007年7月6日の記事『いじめ自殺校外でも見舞金、遺族要望に支給制限を撤廃』は、呆れ返るばかり。
学校での災害や事故などで児童・生徒が死亡した場合に支払われる「災害共済給付制度」の死亡見舞金について、文部科学省は5日、6日付で省令を改正し、いじめが原因と認定されたすべての自殺を支給対象にすると発表した。これまでは、自殺した場所が自宅など学校外だったケースは対象から外されていたため、遺族が見直しを求めていた。過去2年間の「いじめ自殺」にさかのぼって適用される。
呆れることに、学校でのいじめが原因でも、学校の敷地内で自殺したのでない限り、今までは知らん顔していたということなんだろう。
遺族の「国がいじめ問題に本気で取り組もうとしていることの表れだと思う」というコメントが意味していることは、言うまでも無く、「今までは、ちっとも本気ではなかった」と、いうことだ。
まあ、ちゃんとそう解釈できるだけの血の通った役人が一人でも居れば、こんなこと、最初からまるで問題にならないと思うんだが・・・。
でも結局、一人として居なかったんだよねぇ、きっと。
モノを考える基礎の基礎だと思うんだが・・・。
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コメント
日本ではイレギュラーがあることがいけない、という思想なので「ちゃんとやれば、問題は起きない」なんですね。
そこに「ちゃんとやっているのに問題が起きた」となると、問題を手当てはしないわけだ。
問題が起きないようにすることが最優先。
しかも「どうやれば起きない」とか「確率を下げる」は許されないのであって「起こしません」という決意表明が最優先にされるのね。
これって、割と古くからある問題でよく知られているのは自動車のシートベルトですな。
シートベルトの普及に反対したのは「怪我する可能性がある宣伝することになるから」だったし、消費者も嫌った。
そんなわけで「事故になったら」とか言い出すことかはばかれる文化というのはあるわけですよ。
投稿: 酔うぞ | 2007/07/06 17:54
酔うぞ さま
我々プログラマなら、「要件分析がなってない」「フェールセーフを考えてない」「この給料泥棒死んでしまえ」となる典型例ですなぁ。
投稿: 神北恵太 | 2007/07/06 22:56
日本はマトリックスですから(^_^)
マトリックスと言っても縦横構造という意味で、例えば縦が会社の組織みたいな「表の構造」ですね。
横が「県人会」なんかですな。
大手の会社などでは、これが有効に機能していた時代には、実際にはネットワークとして人材が活用されていたわけです。
それが、どこか縦方向だけになってしまったら、途端に全体が機能不全になってしまった。
「ここから先はよろしくやってね」が通用しない、出来ない社会になってしまったということです。
投稿: 酔うぞ | 2007/07/07 00:01
酔うぞ さま
守秘義務だの企業の統制だのと云う言葉が、正しく理解出来ていない人にまでツールとして渡される昨今。縦から降りて来る仕事を、独自の判断で横に繋がりを持つネットワークでこなすというのは、制度的にも難しくなりましたよねぇ。
投稿: 神北恵太 | 2007/07/07 15:04