« 天球亭を訪ねたぞ | トップページ | ロボットは男の嗜みだぞ »

2007/08/08

浪切ホールはちょっとスゴいぞ

あると
正面
 手前は水流の両側のスロープ。このギリシア神殿風の建物
の天井に見える部分が4階で、大会のメイン会場はこの広い
4階フロアーになると思われる。

 2007年8月4日、昨夜投宿した高槻の宿を早めに出て、大阪の反対側の岸和田へと移動。
 岸和田は大阪湾に臨む大阪府南部の街で、人口約20万人、面積72.23平方キロメートル。江戸時代は岸和田藩の岸和田城所在地として知られ、300年の歴史を持つ勇壮な「だんじり祭り」で全国に名を轟かせている。
 また、最近では関空から車や電車で15分という立地を活かし、交通網や商業施設なども充実し、ますます繁栄の兆しを見せる元気の良い街でもある。

 この岸和田市に2002年4月4日にオープンした私立浪切ホールで、2008年8月23日〜24日(土・日)に、第47回日本SF大会 DAIKON7 が開催される。
 そもそも今回の訪阪は、そのスタッフ陣による1年前のプレ企画DAICONmini7への参加なのだ。

 かくして、8月4日々曜日の朝9時半ごろ、神北はこの、来年の日本SF大会の会場となるホールの前に立っていた。無論、来年の会場への見学である。
 とはいえ、実行委員会の用意した見学会という訳ではないので、一般に入れる場所を回っただけだが……。

Ponki
外観 大北町の交差点の手前から見た浪切ホール
 往路は、南海岸和田駅からの最短路ではなく、岸和田南の交差点経由で県道39号線を通る道を通ってみた。蝉の声が凄かった。

 浪切ホールは岸和田市の施設で、山崎泰孝氏の設計である。正確には大、小ホール・基本構想+計画(岸和田市)及びホール内部の設計監理 = 山﨑泰孝+AZ Institute(担当伊熊昌二)/全体設計監理 = 日建設計 というチーム。

 開館は2002年4月4日。これは、付近一帯の旧港地区の再開発で、公共ホール・商業施設・スポーツ施設の建設を行なった事業の一環。太い道路(大阪湾岸を走る県道29号線と、岸和田市街をぬけて来る岸和田港塔原線こと39号線)のT字接合点ということで交通の便も良い。

 以下は、フォトレポート。

あると
浪切神社
 鳥居や灯籠を見るに、古い社と思われる。だが、再開発に併せて立て直され、全て真新しい建家に変わっている。

 浪切神社は、公共ホールである浪切ホールの前に建っている。普通、公共施設を置くからには、道路からのエントランス等を考え神社の方を端に除けるわけだが、そうならないのは、浪切神社が岸和田にとって重要な場所である証であろう。

 ちなみに岸和田では毎年、地車祭物故者慰霊祭が行われるそうだ。明治以降30人以上というから3〜4年に一人は死者が出るお祭りだ。それほど危険な祭だが、やめないというのは、岸和田の人が如何にこのお祭りが隙かということに掛かっているのだろう。安全祈願碑の大きさ・立派さがそれを物語る。

あると
だんじり祭安全祈願碑
 浪切神社にある。

 さて、いよいよ浪切ホール

あると
正面
 手前は水流の両側のスロープ

55555

あると
水流
 噴水こそないが、静かに落差を水が落ちて来る気持ちのよいアプローチ・スロープ

あると
広い前庭
 ドッヂボールぐらいなら出来そうな、ホール前。

55555

あると
前庭とフラットな有蓋広場
 ここは「祭りの広場」と名付けられた有蓋空間。

55555

あると
祭りの広場
 この広さに70年万博の「お祭り広場」を思い出した。ちょっとしたイベントなら雨天でも充分にこなせるだろう。

あると
エントランスホールの大吹き抜け
 画面左手手前が玄関、右手奥がメインホール。

 ちなみに、このホールの総合監督は、作家の藤本義一氏だそうだ。

あると
だんじりの絵
 ロビーに飾ってあるやり回しの絵。左奥にこの浪切ホールが描かれているように、ここは昔からカンカン場といって、やり回しのポイントだそうだ。

あると
メインエレベーター
 たった2基のエレベーターなのが、少々気になるが、高速型の大きめのものなので、いつまでたってもエレベーターが来ない、やっと来たら既に満員、という「やねこんの悲劇」は起きないと思う。

あると
空中庭園
 4階は周囲三方に廊下が走っているが、その中に廊下と特別会議室・いくつかの小部屋に囲まれる形で庭園が在る。

あると
4階廊下、大北町側(南西面)中央部から南方向を見る
 廊下の広さと見通しの良さが、公共物設計として抜群のセンスを感じさせる。これは使い易そうな会場だ。

あると
4階廊下、大北町側中央部から北西方向を見る
 部屋間仕切りにガラスが多用されていて、企画部屋になるであろう各個室は区切られつつも視覚的に解放されている。

あると
クロークスペース?
 4階に在った謎の空間。クロークにしては位置が中途半端だしバックヤードも小さいが、何に使うモノだろう?

あると
4階廊下、北町側(南東面)
 外のユニクロの看板が見えている建物が、岸和田カンカンベイサイドモールEAST。

55555

あると
4階廊下、港緑町側(北東面・岸和田カンカン側)
 外に見えているのは、岸和田カンカンベイサイドモールWEST。シネコンを併設する。

あると
岸和田カンカン ベイサイドモール
 左がシネコンの入ったWest、右がスーパーの入ったEast。どちらもその他に衣料品店やレストランが大量に入っている。

あると
盲人用のトイレ表示版
 盲人用に、手で触って確認できるトイレの配置図が作られている。さすが公共施設、身体障害者に対して親切設計だ。

あると
4階のドリンクベンダー&コインロッカーコーナー
 ちょっと、規模から見て小さいドリンクベンダーとコインロッカー。大会参加者が使ったら一瞬で終わりかも。
あると
2階から見下ろした祭の広場
 ロボットによる格闘大会ロボワンの出張版企画などが検討されているらしいが、他にも使い方思いついた人、なにかやってみませんか? この広さは楽しいよ!

あると
4階ロビー中央
 という名前の廊下。左手は交流ホール。

あると
岸和田城
 会場から700メートルぐらい。

55555

|

« 天球亭を訪ねたぞ | トップページ | ロボットは男の嗜みだぞ »

コメント

なによりも、通路がまっすぐで部屋が四角いことがよいですよ。

投稿: 池田武 | 2007/08/08 18:55

七月も後半になってからNippon 2007の申し込みをした成田ひつじです(泣笑)。
来年は大阪なのですか。行けるかどうかちょっと微妙ですね。
それより、国内のも含めてこの手のイベントごとを見に行くのが初めてなので、どういうものなのか何もわからず非常に不安だったりします。どういう雰囲気なんでしょう。良ければ教えてくれませんか?

投稿: 成田ひつじ | 2007/08/08 20:32

6月に仕事で岸和田に行ったさいに、浪切ホールをチラ見したんですが、本当にでかいですね。
岸和田自体、旧家の家並みが延々と続き、歴史ある町並みでした。

投稿: N | 2007/08/08 23:45

池田武 さま

 その点は、とある、無責任役人が偏屈設計者の独りよがり設計を止めなかったお陰で、全く使い物にならない公共施設となってしまったハコもの行政の大失態的施設を使ったSF大会の時に、うちの女房が言った「ハコは四角く作れ!」以来、ボクも最も重要視している所です。
 浪切ホールは、良い設計ですねぇ。運用し易そうな良い施設です。唯一、問題点を挙げるならば、2階〜4階間の階段が三階に立ち入らせないためか、使用禁止になっていた点が気になりました。一般に開放されていない三階(事務施設やホール系の機械室があると思われる)への立ち入り禁止はそれで良いとして、昇りはしんどいにせよ、当日はとにかく階段が使えると、なお良いですねぇ。
 エレベーター2基だけでは、ちっと流量を捌き切れないこともあろうかと愚考します。

※この文章には、岐阜市および財団法人岐阜市公共ホール管理財団・長良川国際会議場・安藤忠雄氏への他意はありません。一意にこのクソ無能役人どもと、二人並んで歩けないほど廊下の狭い役立たず公共施設、そしてアホたれ独善設計者め! と罵るだけの単純明快なものであります。

成田ひつじ さま

 ええと、基本的にSF大会は、学校の文化祭+同人誌即売会みたいなモノだと思って下さい。展示をゾロゾロ見て回ったり、同人誌を買ったり、時間割(タイムテーブル)の中から見たい企画を選んで、それを見に行ったり、自由に出来ます。(人数制限のある企画も中にはありますが……。)
 ・気楽に楽しみに来ること。
 ・金銭や時間は余裕を見ておくこと。
 ・突然シルヴァーバーグと廊下で出会ってもホーガンが歩いていても、ブリンに日本語で
  「コンニチワ」と話しかけられても、パニクらないこと。
……ぐらいを心がければ良いのではないでしょうか。

 まずは、一般参加者として楽しむことです。で、もし、楽しむだけでなくシカケる側に回ってみたくなったら、まずは当日のみのお手伝いのボランティアスタッフや、事前1〜2年前の方針決定からコミット出来る正式なスタッフまで、自分にあった手伝い方をしてみて下さい。
 一度も参加者として楽しんだことも無いうちからスタッフに志願し、だから、一般参加者の気持ちなんて一切判りもしないのに、毎年毎年スタッフを続けるちょっとイタイ人にだけはならないで下さいね。

N さま

 浪切ホールは、フロリダ州オーランドのワールドコンで使った、OCCC(Orange County Convention Center)やサンフランシスコの大会で使ったモスコーンセンター(S F Convention Facilities: Moscone Center)を思わせる、ちょっと日本離れした良い会場のようです。

 実は、岸和田の街を撮った色々な写真もあるんだけど、まー、今回はそれは見送りと云うことで……。

投稿: 神北恵太 | 2007/08/09 02:48

神北様、アドバイスありがとうございます。
>突然シルヴァーバーグと廊下で出会ってもホーガンが歩いていても、ブリンに日本語で「コンニチワ」と話しかけられても、
・・・ぅわあ・・・
気楽に楽しんでと言われても、というか私は日本の作家さんも海外の作家さんも顔殆ど知らないので、すれ違う人全て大作家先生に見えてしまいそうです^^;
ま、まあ一生に一度のワールドコンだからせいぜい楽しむぞ(強弁)

投稿: 成田ひつじ | 2007/08/09 20:55

成田ひつじ さま

 ボクが最初に参加したのは、20歳の時のダイコン3なんですが、本の著者名やSFマガジン弟子か知らなかった作家さんたちが、実際に歩いて居られるのを見て、ワクワクしたものです。
 たしか、始めて実際にマンガの神様を見たのも、その時だったんじゃないかな……。

投稿: 神北恵太 | 2007/08/10 07:41

この記事へのコメントは終了しました。

« 天球亭を訪ねたぞ | トップページ | ロボットは男の嗜みだぞ »