『トランスフォーマー』を見たぞ
さて、2007年8月18日の土曜日、さいたま新都心のシネコンで、『ベクシル』に続いて、『トランスフォーマー』を見た。もちろん吹き替え版である。オートボット(サイバトロン)司令官オプティマス・プライム(コンボイ司令)はちゃんと青と赤の大型トレーラーで、玄田哲章さんが声を当てているのだ。(原語版でもオリジナル声優のピーター=カレン氏だそうだ。)ディセプティコン(デストロン)の首魁メガトロンが加藤精三さんでなかったことト、ナレーターに政宗一成さんが居なかったことはとっても残念。「さあ、どうする」「さあ、戦いだぁっ!」は欲しかったなぁ。あと、サイバトロンマークとデストロンマークの入れ替わりもね。
お話しは、公式サイトか、Wikipediaでも読んでもらうのがいいかなぁ。早い話が、こんな感じ。
「一万年の太古!」
オールスパークと呼ばれる超エネルギーを秘めた物体を追ってはるか過去に地球にやって来たメガトロンは、北極海で氷付けになっていた。やっと追いついたディセプティコン(デストロン)の部下たちは、姿を隠しつつ、密かに地球に潜入。そして地球のメカになりすまして、メガトロンを救出し、オールスパークを手にする。そのために彼等は、些か乱暴ながら直接情報を集め始めた。
「中東の砂漠ではっ!」
犠牲になったのは、カタールの米軍基地。ディセプティコン(デストロン)のブラックアウトは、過去墜落した強襲攻撃ヘリの姿と機体識別番号で、この基地に着陸。突如トランスフォームして周囲を破壊しつつ、混乱に乗じてコンピューターシステムのハックを試みた。米軍ネットワークに入り込み情報を強奪しようと企んだのだが、米軍側は要員の素早い判断でケーブルを切断し、悪の望みは絶たれた。
腹いせと証拠隠滅のため、全基地要員を皆殺しにし、ブラックアウトは姿を消す。しかし、ウィリアム・レノックス大尉以下の数人は逃げ延びる。そして、未曾有の脅威が米軍を襲ったことを国防総省に伝えるため、通信手段のある場所まで必死の砂漠横断を行なう。「その頃アメリカではっ!」
北極を征した偉大なる探検家アーチボルト・ウィットウィッキー船長の曾孫サム・ウィットウィッキーが、父親に車を買ってもらうことになった。そこに、ドライバーも居ないのに密かに進入して来る車、かな〜り年式の旧いカマロだが、黄色に黒のストライプラインの車。「これはいくらだ、4000ドルなら買う」という父親に、中古車店のオヤジは「こんな車あったかな」と思いつつも5000ドルを吹っかけた。しかし、オヤジは「それじゃいらない」とあっさり否定。すると、周囲の他の車が次々にフロントガラスを吹き飛ばすという椿事が発生。とにかく売れるものを売って金を稼がなければならなくなった中古者屋のオヤジは、泣く泣く(とはいえ、仕入に金は掛かってない)その黄色いカマロを4000ドルでウィトウィッキー親子に売るのだった。
もちろん、このサムの車が、オートボット(サイバトロン)の戦士なのだ。彼等は、サムの曾祖父が知らずに掴んだある秘密をディセプティコン(デストロン)から守るために、バンブルビーをサムの元に送り込んだのだ。(右写真はキャラホビ2007に来日したバンブルビーくん)
で、バンブルビーが何をするかというと、密かなサポートで、サムが憧れの女性ミカエラ・ベインズと恋仲になって上手くいくようにいろいろとシカケるのだ。あんたは、『ラブ・バッグ』か『ハービー/機械じかけのキューピッド』か!? いや、本来、戦え!超ロボット生命体トランスフォーマーのハンブルビー(ハンブル)は黄色いフォルクスワーゲン・ビートル。中古屋のシーンで黄色いカマロの隣に並んでいたヤツがそれ。だから、恋愛ヘルプは遺伝子レベルの本能かも?!
カタールの基地壊滅をよそに、サムの周りでお話しはマターリと進んで行く。
だが、これは青春馬鹿ムービーでもなければ恋愛ドラマでもない。運命はサムをそうそういつまでものんびりとさせてはくれなかった。米軍基地壊滅を受けて大統領を乗せ空中にあったエアフォースワンからハッキングが起こり、今度は情報を盗み出されてしまった。ラジカセに姿を変えて機内に潜入したディセプティコン(デストロン)のフレンジー(残念ながら昔懐かしいサウンドウェーブではなかった。)の仕業だ。今度は回線を切断するのが遅れ、軍の情報の一部が彼等に盗まれてしまう。
実は後に判ることなのだが、この中には、サムの曾祖父アーチボルトに関する資料があった。そして、サムはディセプティコン(デストロン)に襲われることになる。「サムとミカエラが危ないっ!」
ここから先は、アクションアクションまたアクション。黄色いカマロ(バンブルビー)の助けを借りてなんとか逃げ延びたサムとミカエラは、聞きの前に到達せんと、遥かな宇宙から地球を目指して急行したオートボット(サイバトロン)戦士たちと出会う。「さあ、戦いだぁ!」
映画の映像で、もの凄く気になったことが一点。オートボット(サイバトロン)もディセプティコン(デストロン)も、今回は皆ほぼヒト形ロボットだが、複雑な変形機構を内包した身体の表面が、頑丈な装甲板に覆われているのではないということ。
バラバラの部品がむき出しのまま無数に集まって表皮っぽくなっているだけで、それこそミサイルどころか、互いに殴り合う程度で、幾つもの部品が飛び散って壊れていきそうな感じなのだ。
確かに、顔が一枚物のお面になっているより無数の部品の組み合わせになっている方が、細かい表情が表示出来て映像的に良いのかもしれない。殴り合う度、ミサイルやビームが命中する度、吹っ飛ばされて道路やビルにぶち当てられた時、細かい部品が飛び散る方が、ダメージ表現として判り易いのかもしれない。が、宇宙を自由に飛び回り、太陽系外から侵入してそのまま大気圏に突入し、地表まで一気に降りて来る存在として、その脆弱そうな機構はどうよ?
これは、日本人とアメリカ人のロボット観の違いかもしれない。1960年の実写テレビドラマ『鉄人28号』の主題歌で既に「鉄の鎧に身を包み」と唱っていた日本人の戦闘ロボット観は、以降、「くろがねの城」という言葉を得て、完璧に定着する。
だから、日本人がこの映像を作っていたら、決してこういう絵面にはならなかったろう。
別の言い方をすると日本人は「超ロボット生命体」を描こうとするのに対し、アメリカ人は「超ロボット生命体」を描こうとしているという所か。
かくしてナンダカナー感が漂うものの、玄田哲章ボイスで司令官が喋れば、それで良しという気がして来るから不思議である。で、お定まりのバトルなのだが、そこはアメリカ映画なので、何故だか軍隊というものがとても役に立ち有能な組織に描かれている。それは主人公群の一人ウィリアム・レノックス大尉に留まらず、とにかく最後のキューブ争奪戦では、陸軍も空軍も、強大なパワーを持つディセプティコンと一対一で対等に戦えるものではないが、それでも、策を巡らし協調してチームワークを発揮し、オートボットたちと同じように有能なのだ。
もちろん迎撃に出たF-22戦闘機の編隊中に、ビーグルモードのスタースクリームが紛れ込んで、突然トランスフォームして撃ち掛けるなんていうシーンもある。
ちなみに、長島雄一さんや高木渉さんといった、ビーストウォーズでおなじみの人気声優陣もちゃんと顔を出していて、良い演技で楽しませてくれるぞ! 絶対とはいはないが、日本語吹き替え版が良いぞ、これ。
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