見て来たような宇宙世紀だぞ
こうだんし、好男子ではなく講談師。「講談師、見て来たような嘘を言い」の講談師。
この講談師の中に、「どうせ、30歳の人間は、戦国時代も江戸時代も明治維新も日清日露戦争も、支那事変も太平洋戦争も、朝鮮戦争もベトナム戦争も体験していない。湾岸戦争は見たけれど、まあ、見たまんま。自分が一番良く知っている戦争は、ひょっとしたら、一年戦争なのではあるまいか?」と考える人が現れた。
既に岡田斗司夫さんの昨秋2006年11月6日のブログ記事『「ガンダム講談」と考察』などで、だいたいどういうものか知ってはいたが、実見は始めて。
2008年、日本SF大会は十数年ぶりに大阪に帰る。ダイコン7である。そのスタッフの腕試しとして、日本橋でんでんタウンの地下鉄堺筋線恵比寿町駅近傍のジャングルの1F イベントフロアをお借りして、2007年8月3日〜5日、プレ企画『DAICONmini7』が実施された。
コンベンションのブレ企画といっても一つ一つの出し物は独立して居り、会計も別。毎回入場時に参加費を払っての入場となる。
神北夫婦は今回、金曜日に職場の半休を貰い、新幹線で移動。
実は神北は大阪と云う街を全然知らない。というか、未だに良く覚えていない。小学校低学年の頃のEXPO'70に始まって、修学旅行とかでも行ったし、ダイコン3・4・6も参加した。人外協の縁で何度か遊びにも行ったが、ほとんど、聞いた所で乗り換えて待ち合わせ場所や目的地に行っただけ。自分で何かを用意するために走り回ったりはしていないので、地理感がまるで無い。
取り敢えず新大阪から梅田に移動。阪急デパートの上の方の食堂街で適当に飯を喰い、5時過ぎを目処に地下鉄恵比寿町駅へと移動。
大阪市営地下鉄の
中核は、西から四つ橋線・御堂筋線・堺筋線・谷町線を縦線に、北から中央線・長堀鶴見緑地線・千日前線を横線にした、タテヨコ編みになっている。で、梅田
駅は御堂筋線、恵比寿町駅は一本東側の堺筋線だから、電車で行くには本町駅から堺筋本町駅まで中央線・心斎橋駅から長堀橋駅まで長堀鶴見緑地線・なんば駅
から日本橋駅まで千日前線の、3つのルートどれを使って横移動しても良い。どの線でも1駅。しかも、そのすぐ南の辺りで御堂筋線は大きく東へカーブして、
まだ真っ直ぐ南方向へ降りて行く堺筋線と動物園前駅で交差している。ここまで行って1駅堺筋線を北上すると恵比寿町駅。これだと乗り換えが一回少なくて済
む。う〜む。どれにすれば良いんだぁ〜。
結局、なんば・日本橋経由で恵比寿町へ。
駅からジャングルまでは階段さえ登ればすぐ。恵比寿町は東京で云うと秋葉原電気街口にあたる地区で、ジャングルは地下鉄改札からの位置で云うと秋 葉原ではラジ館ぐらいの場所だと考えれば良いだろうか。何にせよ、素晴らしいポジション。入り口前には、既にダイコン7の法被を着たメンバーが何人も集ま り、客の誘導をしている。
しばし待つと、すっと灯りが落ち、ステージに灯りが。出て来た女の子が、「公演中の携帯電話の使用は、南極条約で禁止されています」という事前注意で開幕。ここいらへんは岡田さんの昨秋のレポと同じ。で、ガルマ国葬時のギレンの演説で始まる所も同じ。
で、ドダイ型演台が登場し、旭堂南半球の昔語りから始まる。小学校二年生のころ、同級生に無理やり手を引かれて連れて行かれ、市民会館かなんかで劇場版『機動戦士ガンダムI〜III』いっき観をさせられて、「目覚めてしまった」話に始まり、「ガンオタのくせに『igLoo』知らん奴ァ嫌い!」とか、深い深い話を語る。
南半球さん以外の出演者は関西小劇場界のガンダム好きを集めた『劇団ガンダム』の面々で、ギロチン堂カテジナちゃんとか、みんなそれぞれちょっと痛めの名前がついている。主に女の子たちは小劇場系のニオイのするエッジの利いたっちゅうか、ちょっとドロ臭いエロネタもニコニコしながらこなしちゃうような、オタク系のステージとは異質なスタンス。中にはとっても音感が良い歌の上手い娘とか、ダンスというか、体捌きがとってもいい娘とかいて、もうちょっとキャラが見えてくれるとそれはそれで面白いのだろうが、2時間程度のステージに切れ切れに出るだけではなかなか名前と顔を覚えられない。ちなみに男性も二人程居たが、これが劇団ガンダムの全てというわけではなく、もっと何人もいるらしい。
彼女たちは、頑張って踊り・歌い・ネタを振ろうとするのだが、半分ぐらいのメンバーは発声がまだシロウトなのと、音声機材が良くないので、伴奏にかき消されて歌はほとんど歌詞の意味が聞き取れなかった。彼女たちの所為でもあり機材の所為でもある。なかなか辛い。が、まあ、学園祭の出し物としたら面白い部類。プロとしてリピーターが取れるかというと、イマイチ首を傾げる所もある。ガンオタとして楽しいけど、芸能として他者に推薦出来るレベルに成立しているかと云われるとまだまだ伸びるべき余地が多そうだと思う。しかし、しばらくは既に芸事として完成形に至り始めている旭堂南半球さんの講談があるわけだから、ガンダム講談会の枠の中で引っ張ってもらいつつ、早急にスタンスを整えてもらえると、もっと面白くなるんだろうなぁ。
で、いろいろと大喜利があったり、コントがあったり、歌があったり、作家との対談があったりと2時間の間に忙しいが賑やかなステージ。
最後は、宇宙要塞ア・バオア・クーの最終決戦におけるアナベル=ガトーの活躍のお話し。獅子奮迅の活躍を見せるアナベル=ガトーが、母艦ドロワの沈んだことを知り、討ち死に覚悟でグワデンを出ようとして、智将エギーユ・デラーズに押し止められ、何処となく落ち延びて三年間の雌伏に入るという涙なくては聞けない感動の語り。んー、ガンオタに生まれて良かったなぁ……。
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