馬鹿は死んでも死んでも、生まれ変わるぞ

　馬鹿は死ななきゃなおらないという。しかし、実は馬鹿が死んでも替わりに新たな馬鹿が生まれでてくる。それだけのことだ。

　朝日新聞のasahi.comの記事『「３歳の子助けて」チェーンメール、日赤にも電話殺到』によると、またもや悪質なチェーンメールが騒動を引き起こしているらしい。

　ＲｈマイナスＢ型の血液不足で３歳の子どもが手術を受けられない、という「チェーンメール」が流れたことで、入院先として名前の挙がった病院だけでな く、献血事業を行っている日本赤十字社にも問い合わせ電話が殺到、２２日になってホームページに「輸血用血液は不足していない」と掲示するなど対応に追わ れた。各医療機関は冷静な対応を呼びかけている。
　入院先とされた昭和大学病院（東京都品川区）は、問い合わせ電話による業務への支障を抑えるため、メールの内容を否定する文をホームページに載せた。
　日本赤十字社にも２０日から、北は北海道から西は四国まで全国各地の関係機関に問い合わせが相次いだ。本社では複数の部署で電話が鳴り、「血液がそんなに不足しているのか」という不安の声など、１００件以上の電話に対応した。
　担当者は「今回の件がきっかけで、仮に多くの血液が一挙に寄せられても、有効に活用できない」と話す。採血後の有効期間は赤血球製剤で２１日間、血小板で４日間だからだ。通常は、血液を必要とする医療機関の状況を分析してから調達するという。

　うーむ。

　チェーンメールというのは、神北が通信を始めた1988年には既に問題になっていた、通信の世界に於いては非常に古い問題。基本的に騒いでいるのは『善意の凝り固まった馬鹿』で、判断力が無い人。
　まず、最初に判断すべきは、「そのメールは信頼すべき内容か」という点であるにも関わらず、「緊急」ということで判断を後回しにしてしまう人が、こういう『善意の凝り固まった馬鹿』になり易い。最も簡単な判断のポイントとして、5W1Hのないメールは信用すべきではない。多くの場合、「どこで誰がなぜ困っているから何をして欲しい」ということは書いてあるのだが、「いつまでに」なのか、そして「どうやるのか」（連絡のつけ方、協力の申し出方）が曖昧なものが多い。これが曖昧なものは全てチェーンメールと判断して構わない。
　特に特徴的なのは、チェーンメールは「日付が書いて無い」ということ。もちろんメールなのでヘッダーに発信日付は書かれているが、それはこの発信者のオリジナル時点ではなく、転送した『善意の凝り固まった馬鹿』が送信ボタンを押した時間に過ぎない。「もう時間がありません」とか「急ぎます」とか書かれているものが3年も5年も前に発せられたまま『善意の凝り固まった馬鹿』の間をいつまでもいつまでも回り回っているメッセージである可能性すらある。こういうものは、絶対に相手にしてはいけない。

　『チェーンメールは悪』 というサイトがあり、事例を収集し、注意を呼びかけている。今回初めてチェーンメールという言葉を知ったという方は、ぜひ、全体を通して読んでみていただきたい。