眼球内インプラントだぞ
engadget日本語版の2009年4月6日の記事『眼球へ埋め込む望遠レンズ、実用化へ』にドキドキしないSFファンは居まい。
写真だけでドキドキしてしまうインプラントもの、今回は見ての通り4mmという小ささの望遠レンズです。目的は狙撃でも野鳥計測でもなく、 AMD(加齢黄斑変性症)という目の病気の治療。AMDは眼球の後ろ側にある網膜の病気です。網膜は目に入ってきた光を受け取って脳へ伝えるものですが、この病気にかかると網膜の一部が機能しなくなるため、結果として視界の一部が正常に見えなくなります。
しかしこのレンズを取り付けると、光を受け取る網膜を拡大、病気になっていない網膜も利用して視界を正常にします。多くの光を集めるためではなく、集めた光を多くの網膜に伝えるために取り付けられるのがポイント。拡大倍率は2.2倍と3倍の二種類です。
要は、加齢黄斑変性症に対応する方法として、レンズを使って光を網膜周辺部の傷んでない部分に導いて、カバーしようと言うことらしい。
AMDは網膜のほぼ中心部、直径が5mm程度の視細胞が多く集まって黄褐色をした部分「黄斑」の経年劣化というべき病気で、黄斑部およびその周辺のの組織が萎縮する「萎縮性加齢黄斑変性症」と、もろい血管が発生することで黄斑に障害をもたらす「滲出性加齢黄斑変性症」の二つがあり、どちらかというと進行の早い降車の方が日本人に多いそうだ。
記事の続きに……
VisionCare社が長く研究開発を続けていたものですが、先月末にFDA(食品医薬品局)のOphthalmic Devices Advisory PanelがAMD用の医療用デバイスとして初めてFDA承認を推薦しており、要するにAMD用インプラントとして確実に実用化へ近付いています。
……という記述があった。
つまり、もう、云っている間に(レーシックほど簡単には済まないだろうが)ポピュラーな眼科手術の一つとして、眼球内レンズの装着が定着して来るかもしれないと言うことだ。
いわゆる、眼球内に仕込んだテレビカメラの出力を視神経に繋ぐと言うような、1960〜70年代に夢想したサイボーグのようにはいかないが、とりあえず、人工の複合レンズを眼球内にというところまで来たと言うのは、なかなかに面白い。
自分の目が老いに負けてしまう前に、こういう技法が一つでも多く発展し、なんとか死ぬまでモノが見えるようにしていたいと、あと2ヶ月少して48歳になる、「初老の男」は思うのである。
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