ここまで来たぞ
日本の技術は、遂にここまで来た。
友人のZakくんに教えてもらった映像だ。日本のとあるロボット・ワークスが、遂にこんなものを作った。
オムニ・ゼロというシリーズは、二足歩行ロボット格闘大会ROBO-ONEの昨秋の十四回大会で総合優勝した「OmniZero.7」などを輩出した、ヴィストン株式会社の取締役、前田武志さんの手になる機体群。「OmniZero.9」はその最新鋭機ってコトでよいのだろう。
ここのところROBO-ONEでは、三歳児サイズぐらいの大型機(パワーも出るし、接地面積・荷重も相当あるので踏ん張る力も強大だが、自重故にバランスを維持することは至難。)へと、ひとつの流れが向かっている。技術革新の結果、バランスを確保するソフトウェアと、それに反応するハードウェアが格段に進歩した成果だ。もちろん、現状ではROBO-ONEのリングは30〜40センチサイズのロボットに向いた大きさであり、こういう二体で手を伸ばしあっただけでリングの端から端まで届きそうな巨大ロボット向きの戦場とは言えない。狭い土俵で相手を落としあう「どんけつゲーム」みたいな様相を呈してしまう。
しかし、リングの外に出てくると、この大きさは別の意味を持つ。
既に、アシモの身長の2/3に達する巨体で、人を乗せてしまう。ビデオでは流石に歩くまでには到っていないが、微妙に身体を振っているので、自重プラス乗っている人の体重を考えるとたぶん80〜100キロ程の重さを、関節で支えていると思われる。しかも、その機能とは全く関係なく、胸の両側のリングを車輪として寝そべって走行するモードまで持っている。
大きくなるって、こういうことなんだなぁと、スケールメリットを感じさせる機体だ。
もう『機動戦士Ζガンダム』の主人公カミーユが仲間たちとハマっていた自作ロボットによる競技会「ジュニア・モビルスーツ大会」に出れそうなサイズ。待っていろよ、カミーユ・ビダン!
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コメント
この大きさを実現するには動力面の革新もあったんでしょうね。
ホビー・ロボットはラジコン用のサーボモーターを直接動力に使う方式だったので、パワーに制限がありました。器用な人はサーボモーターを改造したりしていましたが、サーボというのはもともと制御用なので、どうやってもそんな大きいパワー出ないんですよね。
最近はメーカーがロボット用に開発したハイパワーのサーボを使ったり、複数のサーボを同期して一つの関節に使うといった工夫がされています。しかし、人が乗れるほどとなると、そろそろ市販のサーボモーターを直接動力源に使うやり方では無理が出ると思います。ここで巧い工夫をしないと、コスト的・技術的に個人の手に負えないものになってしまうかもしれません。
このロボットが突破口を開くものだと楽しいですねぇ。
投稿: 東部戦線 | 2009/09/27 10:02
東部戦線 さま
ホビーロボットにサーボモーターが使われ始めたのは、産業用ロボットに使われるステッピングモーターが高価過ぎて、関節の数だけ揃えようとするとそれだけでひと財産かかってしまったからだと聞きます。
十年余の時を経て技術革新が進み、大型化して来たホビーロボットにもそろそろ、本格的なステッピングモーター時代が来るのかもしれません。
投稿: 神北恵太 | 2009/09/27 11:03