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2010/03/01

静止した闇の中だぞ

 未だかつて経験した事のない程酷く、主力機24インチiMacがクラッシュした。

 最初は、よくあるフリーズだった。先週の水曜日、ウィルスバリアの更新を掛けたところ、途中でフリーズ。動かないので、一旦リスタートを掛けた。
 そうしたら、メールがおかしくなったメールというのは、MacOSXの標準ソフトMail.appのことだ。これのメールボックスが吹っ飛んだらしく、メールの振り分けをすると言い出した。同じように、Mobile.meのID・パスがないから、メールが取り込めないと怒られる。
 たぶん、ウィルスバリアの仕業だろうという事は想像がついた。ウィルスバリアと単品の商品名で読んでいるが、うちの入れているのは、インターネットセキュリティバリアというアソートになった奴で、この中にはパーソナルアンチスパムというソフトが含まれている。Mail.appを横からガードして、スパムメールを高効率に弾き飛ばしてくれ、ユーザが見る手間もかけずにオートマチックに地獄に叩き込んでくれる奴だ。この更新の時点で、なにかMail.appに対して変な事をやっちゃったんだろうとアタリをつける。
 わりと時間を食うメールの振り分けをやらしていると、何度となくフリーズ。しかし、やり直すたびに確かに前に進んでいる感じがするので、4回程、Mail.appをリスタート。
 さすがに、長時間使っていてOS自体が重くなって来た感があるので、ここいらへんで、OSを再起動……したところ、立ち上がらなくなった。

 まあ、とはいえ、現在ちょうど仕事の谷間で、最近仕事データは更新していないし、この一連の騒動に巻き込まれる直前の水曜日の11時頃にTimeMachine(Apple純正バックアップツール)が最後の吸い上げを成功させているので、Diskの中身が消えてなくなるという事はあるまい。
 翌木曜日朝、さっそくAppleのサポートへ電話。
 状況からして、ソフト的な破壊ではないかとサゼスションを受ける。で、解決策をいろいろと教示されたが、どれも上手くは行かなかった。

 仕方が無いので、更に詳しく調べるため、ジーニアスバーに持ちこむ事になった。これはアップルストア(直営店)の修理カウンターで、その道のエキスパートが直接持ちこんだ機会を見てくれるので、心強い。
 ちなみに、ニューヨークのストア(直方体に近いガラスの特徴的な建物)がオープンしたとき、このトラブル解決コーナーを名前から「バー(酒場)」と勘違いし、「聖地メッカのカアバ神殿そっくりに作った建物で酒を供するとは何事か」と怒った人が居たらしいが、それはまた別の話。
 有難い事に、サポートがこのジーニアスバーの予約を取ってくれたので、iMacを箱につめ、愛用のカメラ機材用折畳み二輪台車に乗せて運んでいった。
 しかし、状況を再度説明した後、ジーニアスバーで言われたのは、OSの再インストールだった。まあ、それなら簡単にできるし、特殊な機材やソフトで原因を見るのでなければ持ってゆくまでもなかったのだが、Twitterでikasmyさんに言われた“持っていかなかったら「持って来てたらもっとまともな手段を提示されたに違いない」と思ったでしょうから、やっぱり良かったんですよ。”という一言が全てを語っている。
 ジーニアスバーで聞いた話では、「再インストールで治まるならば、基本的にソフトウェアトラブルと考えられる」ということで、一安心。

 で、必死に台車をコロがして自宅に持ち帰り、膨大なソフトの再インストール。まずはOSに最新パッチを当てる。この時程Mac使いで良かったと思う事はない。Macのパッチは、基本的にどのリビジョンからでも一気に最新に上げてくれる構造のもので、ほぼ一発で済む。OSのパッチを載せた後で、他のソフトのパッチという二階建て程度の事はあるが、端からリビジョンの階段をひと通津津上げて来なくてはならないような鬱陶しいパッチ地獄は起こらない。で、らとが最新になったところで地図屋業務・デザイナー業務に必須のモリサワ書体をまず最初に入れることにした。神北はパスポートワンというパソコン1台につき年間5万円でモリサワフォントが使い放題というシステムを使っている。
 ところが、これが頓挫。フォントを選択し、インストールを終了し、インストーラーを終わろうとすると突然落ちる。この落ち方は相当に酷く、リスタートしようとしてもOSも立ち上がらなくなってしまった。
 取り敢えずOS分の領域は壊れていないが、その後ろに続くどこかでモリサワのフォントを入れているうちに、不具合の出たところに当ったのかなぁと考察。ここは諦めて、ディスクのチェックを入念に行うことにする。
 まずは、OSのインストーラーDVDから立ち上げて、ディスクユーティリティーを起動。検査の結果、案の定、ディスクの構造に不具合が発生していた。全ての空き領域にゼロを書き込むという念の入った消去法でディスクをクリア、奇麗にした上で改めてOSを載せようとした。
 しかし、何故かこれもあえなくダウン。全ディスクゼロクリアまでは行くのだが、その後、通常30分程で終わるインストールが1時間以上かかってしまう。というより、目に見えてとまっているらしい。
 これはやはり手に負えない。そう結論付けたのは、木曜夜だった。

 とはいえ、既にサポートも閉まっている時間。つぎなる行っては金曜朝まで持ち越された。
 翌金曜朝、サポートに状況を説明したところ、「OSの再インストールで症状が治まるならば、ソフトウェアトラブルであったと判断することになっております」と言われる。いや、OSの次にソフトを載せようとして早速コケるんだから、そう言う状態ではないだろうと説明。ついにはOS会社が絶対言ってはイケナイひと言、前提無しの「他社のソフトウェアの動作に関しては責任を負いかねます」が早々と登場。
 「ほう、アップルさんはモリサワのフォントに不具合があると仰るんですか?」とかなんとか取り敢えず突っ込む。フザケんじゃねーや。新製品リリース直後とか言うなら兎も角、MacOSXにモリサワのフォントとアドビのソフト群が安定して載せられないなら、俺たち出版関係者は作業の上流から下流まで全員揃って一斉にWindowsに移った方が何かと手っ取り早いわい。

 まあそれはともかく、結局、「インストールで直るどころか、そのインストールすら出来なくなっている現状では、ハードウェアトラブルを疑うより他はない」というこちらの主張を納得してもらって、修理ということになった。

 しかし、この集荷が割合と時間がかかる。翌土曜日の18時〜21時に移送用機材を用意して業者が集荷に来てくれることになった。これが最速というのは、ちっと参るが、まあ、一旦アップル側もしくは運送会社の資材部から機種に合わせた梱包機材を営業所に送り、集荷担当がそれを持ってやって来て、梱包して回収という手順なのだろうから、こんなものだろう。
 予測される修理期間は1週間程。早く元気になって戻って来てほしいなぁ。

 かくして今、神北は、2世代前の17インチiMacを使ってこれを書いている。OSは2世代前のタイガー(MacOSX10.4)、メモリーは5分の1以下の768MG。CPUは1.8GHzモトローラPowerPC G5。出来ることは少なく、速度も遅い。画面なんかホントに小さい。
 とはいえ、22年ほど前、最初に手に入れたMacPlusは、512x342のモノクロディスプレイでメモリは1MB、速度は8MHzだった。それから見ると、画面は画素6倍強・色数約800万倍、メモリ768倍、速度は225倍という夢のようなマシンなんだけどね。

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コメント

もう見ました、とても好きです

投稿: 武装錬金同人誌 | 2011/03/30 15:24

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