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2010/03/09

トンネルを歩いたぞ

あると
記念写真用ブース
 すぐ先を、月末に繋がる首都高速3号渋谷線がびゅんびゅん走り抜けるのをバックに記念写真が撮れる。しかしこのブースで撮るために凄い行列ができていた。

 2010年03月07日、日曜日。山手通り(環状6号線)の地下に建設された首都高速中央環状新宿線の山手トンネルの南端である首都高速3号渋谷線への接合点、大橋ジャンクションの一般公開が行われた。
 大橋ジャンクションは、もともと東急玉川線の車両基地、大橋車庫があった敷地で、車庫廃止後は東急バスの営業所として使われていたところ。渋谷の西に上下2連2周のとぐろを巻く長径175m短径130mの楕円形の施設で、この2周の内に、地下36mのトンネルと、3号渋谷線の高架と同じ高さの地上35mまで、高低差71メートルを繋ぐ。概算で8パーセント(100メートル進む時に8メートル上昇または下降する)という、なかなかの急勾配だ。
 中央環状新宿線は2007年12月にまず池袋から新宿までの北半分が開通し、新宿から渋谷までの残り区間はこの2010年03月28日にオープンする。
 だから、この公開が、人が歩いてこのジャンクションに入れる最後の機会となる。

あると
ドライバー用火災通報・消火システム
 道路脇の壁面に、消化器・泡消火栓・押しボタン式通報装置の三つが一つのユニットにまとめられ、約50mおきに設置されている。

 今、さいたま市に住み、実家が三重県である神北にとって、帰省で一番困ることは、混雑で東京都内を抜けるのがやたらと大変ということだ。その解消のためには、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)・東京外環自動車道(外環道)・首都高速中央環状線が全て開通するのが最も望ましいが、圏央道は厚木・八王子間が開通するのはまだ2〜3年先の話、外環に至っては、いつまでたっても強固な反対派が狭量な自然保護論などを唱え続け、計画の見直しに次ぐ見直しで、どういうコースをどう通すかさえ何回目かの白紙に戻されているため、生きているうちに完成が見られるのかさえ怪しいものである。
 となれば、この春完成する中央環状は、2車線と2車線の合流を二度繰り返した道が2車線のままと言う、子供が見ても理由が明らかな渋滞構造のまま何十年も放ったらかしにされている都心環状に代わる、使える首都高移動経路として、大いに期待するところだ。

あると
非常通話手段
 非常電話が使えない人用の携帯番号。きっと開通後は使えるのだろうが、頑健な作りの鉄筋コンクリート製の建物内はこの日、神北のiPhoneでは開口部付近からでないと圏外になっていた。

 そんな訳で、この道を密かに心待ちにしていた訳だが、このたびめでたく施設が完成し、3月28日からやっと通行できることになる。この日の「山手トンネルウォーク」は、そのお披露目なのだ。
 せっかくなので、帰省経路の定番の一つとなるであろう、この高速道路の完成を、自分の目で確かめようと、雨の中出掛けることにした。

 とはいえ、これは「来ました」「ハイどうぞ」というほど気軽には入れない。一応この見学会、事前の申し込みが必要だったのだ。
 ところがこれが、サイトに行って代表者名と人数を登録するだけのものなのだが、申し込みボタンを押すと、当日の地図や諸注意が表示されるだけの簡素なもので、登録を受け付けた確認のメールが来るでなし、なかなか素っ気ない。訪問人数の概算を掴む程度のものだからまあ良いのかと、後日、地図を見直せるようにURLを保存し、「必要な人はこのページをプリントアウトしておいてね」というようなことが書いてあったが、後で良いだろうと一度閉じた……ら、どんなシクミにしてあったのか知らないが、二度と地図のページにアクセスできなくなってやがんの。
 同じような人が多かったのだろう、苦情を受けて少し修正したようだが、苦情を申し立てた人以外にその情報を届けるでもない。自分の思い描いたユーザしか相手にしない・出来ない・する気もない、それ以外の行動をとる人が居るなんてUFOより信じられないという感じ。地図が手に入らないことに気づいたのが前日の土曜日で、あわててサイトを見たら「地図がない人は電話ちょ。ただし土日はお休み」って書いてあって、少々物騒な気分になったものだ。

あると
泡消火栓の放水ノズル
 アルミ製の筒先は異様なほど軽く、噴射するものも泡なので、水流ほどの反動はないようだ。

 で、まあなんとか別に申し込んでいた友人に助けられて、当日会場まで行ってみたら、特に名簿と確認するでもなく、ゾロゾロと見学者を迎え入れるだけ。申し込んだ人間以外に地図一つ見せないようにしてまで厳重に守ったものは何だったの?
 気分?
 まあ、変にバリアー作って入場に時間がかかるより、どんどん人を入れる方が良いのは間違いないんだから、かまわないんだけどね。
 かくして僕らはループの内側に作られた管理施設の建物の中を進み、少々スロープを上りグランドレベルのちょっと上の管理車・非常用車両の進入口から、ループ途中の路面へと導かれた。
 そこには、LEDライトによるアーチや発行オブジェなどがいろいろと置かれ、お祭り気分を作ろうとしていた。月曜日の新聞にもいろいろと載ったので、ご覧になった方も多かったと思う。
 もちろん実際の運用が始まればここにこんなものが置かれることはないのだろう。だが、やがて見学しているうちに、出来うる限り全ての内照標識が、執拗なほどLED化されていることに気がつく。そしてLEDの明るさに、改めて驚かされる。うーむ、凄い。さすがに道路を照らす照明だけはLEDではなかったみたいだけど。

あると
ノズルと使用説明書
 銃把のような斜めのグリッブはかなり持ちやすい。トリガーはなく、ホースの根元のレバーで泡を噴出する。

 もう30年以上前の昔話になるが、高校の時、各クラスから1人か2人ずつ集められたメンバーによる校内消防団というのをやらせられた。まあ実際に学校で火事が起こることはなかったので、実地にやったのは放水訓練とホースの展開・片付けぐらいだったのだが。たしか2年生の時だったかなァ。そういえば1年生の時は同じようにクラスから2人ずつ選ばれて応援団を3年間やらされたから、なんか結構な確率でそういう役に当たっているよなぁ俺……。まぁいい、それはさておき、消火栓やホースの扱い方はその時に消防署から来ていただいた消防士を教官として一応教わり、消火栓に付属の小型のものとはいえ筒先金具の重さ等はしっかりと覚えているつもりだった神北だが、この泡消火栓のアルミ合金性と思しきノズルを持たせてもらってびっくりした。ノズルに斜めにグリッブが生えて持ちやすくなっているなどの工夫にも驚いたが、これがまた、NERFか何かのように軽いのだ。もちろん水が来ればそれでは済まなくて、もっと重くなるのだろうが、これなら女性でも手に持つことが出来そうだ。トンネル火災を如何に起こさせないか、大きくさせないか。執念のような開発の苦労が忍ばれる。しかも、この消火栓。約50メートル置きに設置されているのだ。

あると
用賀方面行き開口部
 見学エリアの端は、首都高3号線方面へ向かう出口。これは用賀方向へと続く道。すぐ先の首都高にワンボックスカーが走っているのが見える。

 管理施設の車輛進入口から我々が入った走路は、地下からやってきた車が首都高3号線へ向かってゆく昇り方向のループで、我々も、まずはこのルートを上へ上へと上って行った。700メートルほど上った突端には、一番上で紹介した写真の記念写真用ブースが作られていたが、やたらと時間喰いそうな長い待ち行列ができていたので、さっさとパス。
 下りは一階層下の降り車線に……というわけにはいかない。巨大なビルのように見えているが本来ここは単なる車道で、上下の逆向きの車線間を繋ぐ階段などはない。いや、詳しく言えば非常口とかはあるのだが、こんな銀座の歩行者天国なみの大人数をどんどん移動させられるようなものではない。だから、今度は、本来の走路方向とは逆行する形で来た道を下り始める。入り口を過ぎて、さらに先、どんどんと下ってゆく。

あると
火災検知器
 赤外線センサーで、火災を検知する。約25メートルおきに設置されている。

 この走路を歩いていると、ひっきりなしに出会う装置がある。なにやら楕円で、眉と眼と思しき造作がある謎の装置。なんだか、加藤直之さん描くところの野田昌宏さんの似顔絵みたいな雰囲気の何か。しかも、路面上1メートル程度のわりと低い位置に設置されている。
 最初はカメラかと思ったんだが、瞳の奥に何か装置は見えるものの肝心の瞳が磨りガラス風に少し曇っていて、ものを見るためのものではないと思われた。横から消化剤を噴霧するタイプの消化施設かとも思ったが、わざわざノズルを半透明の窓の中に入れておく必要もないだろう。そうすると赤外線感知で火事を検知するのかな? でもそこまでするのかしら……。で、近くに居た説明員をトッ掴まして訊いてみたら、やはり赤外線検知器なんだそうだ。
 ちなみに、この装置、直径2センチを軽く超える太いガス管のようなごついケーブルが2本入っている。これだけでなく、カーブのガードレール付近に付けられたLED発光サインなども、すべからくガス管のようなケーブルが2本ずつ生えていた。「これは正副2本入れて絶対切れないようにという、冗長系なんですか?」と訊ねてみたが、「専門でないのでよく判らないが、電源系と計測系ではないか?」とのこと。ここはちょっと謎のまま。計測器はその説明で納得できるんだけど、LEDで光るだけの機械の場合は違うんじゃねーかなーと思うんだけど……。

あると
ビットの刃端が欠けている
 刃が随分丸まっているビット。一番端が欠けているのが判る。

 さて、ループに入った緊急車両進入口を過ぎて少し下り、出口となっているグラウンド・レベルの開口部をさらに超えて、徐々に地下施設へと降りてゆく。すると、大きなプロジェクターを使ってコンクリ打ちっ放しの壁面をスクリーンに見立てて、シールドマシンの説明ビデオが流されている。
 我々の世代でシールドマシンが嫌いなSFファンは居ない。なぜならそれは、実用化されたジェットモグラの眷属だから。というわけで、見ると、直径13メートルのシールドマシンを竪坑から地下に下ろし、……というような内容の短いビデオだ。この大橋ジャンクションは、上下二本一組のトンネルが長径170m・短径130mの楕円を描きながら渦を巻くように上昇する。2本のうち上側の穴を掘り、掘抜いた後、ジャンボジェット11機分に相当する2千トンの巨体をクレーンで1階層下に降ろし、1680個の砲丸ほどの鋼球をベアリングにして180度方向転換し、こんどは下の穴を掘るという難工事。このために、「上手くコース取りが出来なかった時の次善策」を用意したが、上手く行ったので結局使わなかった話などを直接説明員の方から聞けた。このプロジェクター上映の横には、実際に使われたシールドマシンのビットを積んだトラックがどんと置かれていた。

あると
シールドマシンのビット刃
 シールドマシンは現場地盤によって回転速・刃など様々な要素が代わるため、転用が出来ない。このビットもこれで仕事を終えた。

 掘削する地質やトンネルの広さによって一台一台全く違うセッティングをなされるシールドマシンは、その現場のためのワンオフであり、流用が利かない。多くの場合は、以降の使い道が無いため横向きにコースをそれて掘らせて、そのまま地中に埋めてしまうという。まぁ、なんとも凄い工法だ。展示されていたのは、そうして役目を終えたシールドマシンの刃先の部分。シールドマシンの先端部の実際にトンネルを掘る部分をカッターフェイスと呼ぶ。なぜかというと、ここにビット(カッタービット)がずらりと並んでいるからだ。ビットは超硬合金や焼結タングステンカーバイド等で作られた鉄のモグラの爪だ。この岩石を削り取る刃は、強靭な素材で作られてはいるが、当然、長い使用期間のうちに鈍るし、欠け落ちる。もちろんまだ工事が長く続くのであれば取り替えもするだろうが、最後まで仕事を終えたシールドマシンには、もはや用途はない。お休み下さい、どうもご苦労さんと言いたい。

あると

 ビットの展示してある少し先で、建築物の四角い走路から、シールドマシンで作ったセグメント工法の丸いチューブ状トンネルに切り替わる所があった。いよいよシールド工法で掘抜いた部分である。ここまでは屋内走路でしかなかったが、ここでやっとトンネルウォークの本題に入れるということだ。左の写真は、その四角い走路とチューブ状のトンネルとの接合部。手前が建物で壁が垂直だが、奥のトンネルは丸くなっているのが判るだろう。現代のシールドマシンの真骨頂は、穴を掘った後、コンクリートや鋼材による円筒壁面を、自動的に作ってしまえる所にある。もちろん最初から全部材料を腹に蓄えている訳ではない。中間の竪坑なり掘り始めた地上なりから、土管を何分割かにしたようなセグメント部材を運び、逐次シールドマシンに渡してやると、後は機械が自動的にセグメントを組み、防水されたトンネルを造ってゆくのだ。終端部なので分厚くなっているのかもしれないが、このトンネル構造の厚みはどうだ。ゆうに1mを超えていると思われる。横を歩いている人物と比較してみてほしい。
 

あると
合流ポイント
 約3〜4年先には、お台場方向に延びる中央環状品川線がここに出てくる予定。

 上の写真と反対側の、トンネルに切り替わるあたりには、なにやら臨時に作ったと思われる大きな壁が出来ていた。臨時とはいえ、かなりしっかりした作りで、ガードレールなどによる防護も完璧にされており、10年とは言わないが3年や5年はそのままにしておきそうな壁だ。説明員の方に、これが何かお訊きしたところ、ここから先さらにお台場方向に延びる中央環状品川線方面からのトンネルとの合流地点だと言う。なるほど、後4年先の2013年度中に完成予定の品川線が出来るまで、開口部を覆っておく壁であったか。
 しかし、富ヶ谷の南で東大駒場キャンパスにぶつかって山手通りが東へ振り、500メートルほど先の松濤二丁目で旧道(旧山手通り)と別れて西へ振り返すあたりの連続カーブの後、中央環状新宿線からぐいんと急に右へカーブした先、それまで2車線で来た道を1車線にして別の道と合流。ぐるぐる回りながら登らせるループ部の最後に来るまでに、今度は都心部へ向かうのか用賀へ向かうのか車線を選ばせておくというのは、いくら40キロ制限を課していても複雑すぎないかなぁ? っていうか、40キロ制限になった段階で既に後ろのトンネル内に大渋滞できちゃうような気がするんだが、流量予想とかの計算はどうなっているのだろうか? 

あると
トンネル内
 人が歩くには、直径13メートルのシールドマシンが造ったトンネルはすばらしく良い。

 自分が田舎者の上に、普段は車に乗って暮らしていないせいで、首都高の案内看板が、道をよく知らずに走ってきた人間にとって如何に嫌気の注す判りづらい代物かということはよく判っている。知らない地名同士の分岐の連続に、「そんなことはいいから○○道へ抜けるにはどう行けば良いかをちゃんと示せよ」とパニクること数十回。結局、東京の土地勘が無いと使い物にならないという事が判ったに止まる。
 今回見学させてもらったのでここの構造がどうなっているのか簡単なイメージが出来て来たから自分は良いが、初めて走ってきた人にとっては、ここはいろんなことが起こりすぎる1キロ半なのではあるまいか? 結局、さいたま市からは環八を用賀に向かう方が、逃げ道があるだけ良いよなんて笑えないオチにならないことを祈りたい。
 さて、まあ愚痴は良いとして、トンネルである。

あると
放水
 大量噴霧により火勢を圧倒する。火元を消すのではなく霧の気化熱であたりの温度を下げ、延焼を防ぐ事に注力した装置。放出量は凄まじい。

 このトンネルの少し奥で、ロープが張られていて今回の見学エリアは終わっている。で、その綱の所で突然大音声。猛烈な勢いで水噴霧施設のデモンストレーションが行われていた。幅12メートルほどの道路全体がもう真っ白で、その向こうが何も見えないほどの霧が、1分ほど噴射された。唐突に始まったのと同様に唐突にぴたっと終わり、導水管に残った水が滴り落ちる音とともに再びトンネルの向こう側が見えてきた。なかなか壮絶に放水量。この霧が炎を抑制して、延焼を防ぐのだという。
 しかし、神北はこの導水管に残った水の排出音を聞いていて、別のものを思い出していた。去年の夏の思い出である。あの、お台場に立っていた18メートルのアレの胸やバーニアから吹き出した霧にライトアップして首の動きを付けてみせたショーの霧発生装置と、この消火装置、ひょっとして同じもの?

あると
風向風速計
 コメント

 さて、戻り道では、他にもいろいろと気になるものを見かけた。左の写真は、上の方にある白塗りの「空中ネズミ捕り」もしくは「電球のまだ入ってない非常灯」といった風情のよくわからない装置。これがセンサーで、下の銀色の箱はその制御装置らしい。銀色の箱には風向風速変換装置と書かれていた。
 この装置に関しては、走行するドライバーも使う可能性のある防火・消火関係の装置と違い、戴いたパンフレットにも説明がなく、詳しい事は判らなかった。
 たぶん、これでトンネル内の風向と風速を検知して、吸排気のコントロールを行うものと思われる。尤もそれが、常用のトンネル内環境維持に関係したものなのか、火災時などの突発自体に対応するためのものなのかは判らないが……。
 まあ、この装置に限らず、トンネル内には様々な装置が大量設置されている。SF映画の宇宙船の方が、もう少しシンプルなのではないかと思うほどの密度である。照明と排気のための巨大送風機程度しか付いていなかった時代のトンネルとは、もはや全くの別物と言ってよいのだろう。

あると
レーザー測量機
 コメント

 もう一つ、面白い装置を見かけた。というか、これは最近よく測量士が使っているレーザー測量機以外の何者にも見えない機械。もう少し具体的に言うと、TOPCONの製品「イメージングステーション IS」シリーズのどれかとしか思えない色とシルエットの物だ。それが液晶付きコントローラもそのままに、人の手が届くとは思えない高い位置に設置されている。
 何をする物かと確認してみると、下に答えがあった。測量機から延びたケーブルが繋がった箱に「計測器(トンネル変状計測)」と書いてあったから、トンネルの歪みを検知する計測装置なのだろう。ただし残念ながら、それが通行する車による施設の振動を細かく測定するための物か、経年変状を長期間にわたって計測し続けるための物か、はたまた地震の時に急激な変状の有無を確認して通行の可否を決定するための物か、詳細は判らない。ともかく、こういうハイテクな保全施設まで含んでこの道路が設計されているという事だけは判った。

 東京最新のトンネルは、たんなる明かりの付いた隧道ではなく、感覚神経が張り巡らされた生命体のようなトンネルなのだと理解する。

あると
計測箱

 通常運行中はかなり多くの交通量が見込まれるため、こうした機器類は、高さ60センチか70センチほどのしっかりとしたコンクリート製の側壁の上に載せられている。結線は上に書いたように、ガス管を太くしたような保護管の中に入れられているようだが、左の写真を見ていただけば判るように、この計測箱と測量機のように割と簡単な結線で結ばれている物もある。もちろんそれは安全通行に対する重要度とかいろいろなファクターによってランクがあるのかもしれないが、突然簡単になっているとびっくりするなぁ。

 1985年国電同時多発ゲリラ事件が発生した。これは、国鉄分割民営化に反対する中核派の過激分子が、当時線路脇のコンクリートケースに走らせていた通信・信号用ケーブルを首都圏・大阪など33カ所で切断。当時、600万人の足に影響が出たとされている。
 ここは24時間365日、びゅんびゅん車が走っている所だから、1985年 のような、ふらっと入ってきた工作員に因る信号線切断は、たぶん簡単ではないだろうが……。

あると
路面表示もカラフル
 

 ちなみに、この道路のハイテク性は、誘導装置・計測機器に止まらない。高架部の壁や床裏は消音性の高い素材。路面素材にも高機能素材を用いて水はけやグリップの良さとともに、設置面でタイヤの溝に閉じ込められた空気が解放される時に発するエアポンピング音を軽減することのできる、隙間の多い舗装がなされている。 路面表示も赤や青も用いたカラフルな物。さらに路肩車線などには、タブレットガム大平たい起伏が並び、はみ出しそうな車にタイヤ振動で警告。

 他にも解放高架部の塗装で窒素酸化物を光触媒分解したり、トンネル内塗装で光化学スモッグの原因物質である揮発性有機化合物を低減したりしている。
 それぞれにどれほどの効果がある物なのかどうかすら、説明文から読み取れない。もう何が何やらよく判らない。ただ、どうやらものすごくハイテクなトンネルらしいということたけが、かろうじて判った。もちろん、今はハイテクでも、その内当たり前の仕様になって、どこの車道でも普通に見るような当たり前の物になってゆくのだろうが……。

外に出てから見上げたループ部
 我々はループの入った口とは逆の東側に出てきた事になる。ここにて見学は終わり。

かくして、見学は終わった。出口は再びグランドレベルまで戻って、外側へと開け放たれた扉から施設外へ。常に坂、しかもループなのでバンクが付いているという、なんとも上下動の多いというか上下動しかない見学だった。

 同行者の皆様、同じ日に同じ所に行った皆様。おつかれさまでした。

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コメント

おっ、行ったんだ。

ここは、東名川崎インターの住人としては、池袋方面行きには非常に有用なのだけど、最近はすっかり霞が関・麹町方面と山手線の内側に行く機会が圧倒的なので、すぐには使わないかも。

もう一つは、年に一度以上は関越の東松山より先に行くのだが、これも八王子までは圏央道が使えるようになったから、すっかりそっちになってしまったなあ。

東北道・常磐道方面に行かなくなった、ということだね。

投稿: 酔うぞ | 2010/03/10 09:01

酔うぞ さま
 確かに、「やっと完成してみたものの、時既に遅し」という感は拭えませんね。ここの所、日本各地で高速以外でも便利な道がかなり増えましたし。
 しかし、今のように渋滞を避けるため、関越・信越経由中央道で三重県に帰るよりは、これが使える方がありがたいです。
 尤も、本文に書いたように、ホントに使えるのかどうかは、現時点ではまだ判りませんが……。

投稿: 神北恵太 | 2010/03/10 09:47

もう見ました ありがとう

投稿: 武装錬金同人誌 | 2011/03/30 15:23

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