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2010/07/18

GPSロガーを試したぞ

 最近、自転車に乗っている。20年程前に、面白がって買ったパナソニックのMTB(マウンテンバイク)を実家の車庫から引っ張り出して送って貰ったのだ。
 おかげで、冬の間歩いていた、さいたま市-東京間が、半分以下の時間で済むようになって来た。歩くと、ほぼ時速5キロで、池袋まで17.5キロが 3時間半。秋葉原まで23キロが4時間半〜5時間(さすがに4時間以上歩くと、少々疲れが出て速度が落ちてくる。)なのだが、自転車だと秋葉原が2時間半。それがなんとか最近では2時間弱程度に縮小されて来た。1時間半にならないのは、どこかで水分を補給したり、ランプの電池の交換をしたりという雑事がかなりあること、平均時速12キロ。49歳で20年ぶりに自転車に乗り始めるとさすがに5キロとか10キロとかの長距離を自動車に伍して車道を走り続けるのはしんどい。だから主に歩道を走っている遅い自転車乗りなのだ。まあ、高校時代は往事のサイクリング車で、最高時速30キロ超とか出していたし、主に10キロ程度までとはいえ、時速24キロ巡航とかで激走していたのだから、おいおいもう少しは脚力も回復して来るのだろうが、今はこんなところだろう。そもそも裏道を多用した四日市の田舎道爆走とくらべて、首都圏の混む道を往くのは格段に走り難いからなぁ。おかげで、雨でない限り東京方面への出撃は基本自転車になった。まあ、ここ暫くは梅雨の影響で走れない日も多かったが、2日に1回はそこそこの距離を自転車で走っている。

M-241外見
M-241
 小型かつ安価なGPSロガーとして人気の高い機種。Bluetooth接続が高い評価を集めている。

 とはいえ、こういう暮らしになると、自転車の速度とかが少しは気になる。が、速度計(最近ではサイクルコンピュータなんてカッコいい言葉で呼ばれ、いろんな機能を持っているが、別にタイムトライアルをしているわけでもないので、そこまでは要らない。)を導入する程でもないので、一計を案じてGPSロガーを導入した。HOLUXのM-241という機種だ。

 この機械の良いところは、売れている機種なので対応するソフトが割と多いこと。またMacへも非公式ながらもかなりの対応が成されており、実質、困らない程度には使えることと、値段が1万〜1万2千円程度と、機能の割には安価であること、等が上げられる。なんせ、これはいいと多くの自転車乗りがご推薦のGARMINのGPSロガーなんざぁ、5万10万アタリマエの世界なのである。神北はあまりBluetoothにはメリットを見出していないので、更に安価なBluetooth機能抜きの廉価版のM241cという選択肢も考えたのだが、行ってみた店に置いてないんじゃ話にならない。まぁ、この懐かしのコダック・フィルムみたいな形状とカラーリングも嫌いじゃないしね。

測定誤差
量子論的存在の我が家
 点線は、我が家の前にある境界線。我が家の観測地が時々隣の区まで入り込んでいるのが判る。

 しかし、このGPSロガー。確かに廉価な製品である上に、リュックのポケットに挿したり、ぶらぶらとぶら下げたりという、わりといい加減な使い方をするからと言うのもあるのだろうが、現在位置がかなり自由奔放にブレる。
 例えば、買って来た日から3日間、連続して雨が降ったので、自転車での外出は諦め、窓際に置いたままUSB給電で断続的に動かしてみたところ、なかなかファンキーな結果が出た。2306ポイント収集しており、基本的にちゃんとした位置を5メートルか10メートルの誤差の範囲内で検出しているようなのだが、4〜5%ほどの何かの都合で時に思いっきり的外れなポイントを計測して来ることがあるようなのだ。
 ちゃんと一定位置に置いていたわけではなく、ななめにしたり転がしたり、場所や向きがコロコロ変わったせいなのかも知れないが、時たま50メートル超のトンでもない誤データが混じる。右図は、それをYahoo!のサービスの一つ、ルートラボを使ってプロッティングしてみたもの。
 一発極端な例が混じった所為か、南北の最大幅は実に300メートルに及ぶ。我が家は、3階だが目の前に視界を塞ぐように小学校の校舎があり、見晴らしの良い窓とは言い難い場所だし、この期間中には、ゲリラ豪雨とかの、衛星の電波が極端に乏しくなる気象変化とかもあったわけで、単三電池一本で動く省電力な機械のせいだけとも言い難い部分は多々あるのだが、これには驚いた。なんともはや、我が家が量子論的に飛び回るものであることか。

誤差の例
主なズレのパターン
 道の両側にビルが建ち並び「空が狭い」場合と、高架等の構造物が頭上を覆う

 とはいえ、M-241を実地に使ってみた結果は、そう無茶苦茶なわけではない。また、大きく分けて、おかしな値を取るパターンは3つしかない。

 1つ目は、単三乾電池1本という小さな電力で細々と動く小さな機械故の性能限界。自動車用のGPSと比べても格段にアンテナは小さく、使える電力も小さい。ビルの陰などになり空が狭い地形で、ちゃんとしたデータを得るために必要な数の衛星(基本的には、理論上3つあれば充分のはずだが、クォーツ時計の正確性に由来する誤差がかなり大きく、4つ目の衛星も捕まえられると、なお良い)を捕まえられなかった時。……らしい。
 ちなみに、3つの衛星からのデータだとクォーツ時計の精度では最大300メートル程の誤差になるらしい。あれ? 300メートルって、ちょうど上の「量子論的存在の我が家」の図で発生した我が家の存在範囲じゃないっけか!?

 2つ目は、構造物に頭上を覆われる高架下やガード下、立体駐車場、そして完全に途絶えるトンネルやビル構内等で、一旦電波が途切れた後、直前のデータと再度衛星を捕まえて取ったデータとの合成と機械的類推により、適当なコースをプロットすることがあるらしいのだ。テレポーターであるまいし、なんとしても移動経路の線が繋がって行かねばならない以上、それ自身悪い機能ではないのだろう。贅沢を言えば、もしカーナビのように地図データを自身に持っていたら、いい調子に道に沿わせることも出来るのだろうが、M-241はそれ自身ただ単に座標を拾うだけなの、でそこまでの高機能望めないのだ。

 ちなみに3つ目はもうこれは謎としか言いようがない。何故か突発的に位置情報が連続しておかしくなるものだ。実際に発生したのは、国道17号線を走っていて、突然に1.2キロ離れた点に飛び、再びもとの位置に飛んで戻った現象。しかも、この同一点に戻る行程で高度が15メートルも変化している。これはどうも、その場所に立ち寄ったコンビニがあって、店内で広いガラス窓から無理やり衛星を捉えた結果ではないかと想像するが、実際には謎だ。

ジグザグ
ジグザグ走行
 この区間、ずっと片側の歩道を走っていたが、道の反対側までジグザグに走行していることになっている。

 この1つ目の例が、右図の志村坂上駅あたりのケース。わりとジグザグに走っていることになっているのは、周囲の建物の高低で捕まえられた衛星の数が変るからではないかと思われる。左上から右下に向かって国道17号線の左側歩道を秋葉原方面に走っているのだが、ビルの中からセンターラインぐらいまで平気で歩道をはみ出している。これは、この辺りは歩行者・自転車が多いため、左右に最大1〜2メートルぐらい細かく走路を変更しているため、ほんの少しの動きを機械が読み取って、大きく解釈したために、ジグザグになっているのかも知れない。

 ちなみに、志村一里塚の交差点は、7メートル角ほどの方塁を回り込むようにカタカナの「コ」の字型に歩道が一旦道路から離れているので、この交差点のところで線が道路の外にはみ出しているのは拾い損ないではなく、再現性の高さの証だ。自転車の速度と5秒に1回の測定頻度から、くるくると角を回り込むコースが細部で再現できず、ななめになってしまったのは惜しいが、1秒に1回の測定に上げて改善が見られると言うほどのものでもないと思う。

迷い道
迷い道
 頭上に首都高速の高架が並走する区間。道の両側にもビルが並び、極端に空が狭い区間。衛星からの電波が少ないなりに解釈してプロットしているらしい。

 二つ目の例であろうと思われる例が左図だ。ここは、南下して来た国道17号線が南東方向へ少し振るタイミングで、都道317号線(環状6号線、山手通り)が分離する分岐点。基本構造は大まかに三つ辻で、長辺120メートル短辺70メートル程の鋭角二等辺三角形の交差点。しかしこの三角の一辺に、西から都道420号線が合流してくる。もっと言えば、更に50メートルほど南に東側から西側にある抜ける側道があり、そのまた300メートル南側にも別れた国道17号線(中山道)と都道317号線(山手通り)を繋ぐだけの全長たった300メートルだけの大通りがあり、板橋区役所を含む一角の周囲全体が一辺300〜400メートルの巨大な三角形を構成している。自動車でも大変だろうが、自転車・徒歩で分岐して行く反対側の歩道を進んでいると、とにかくのぞみの道へ遷るのにひと苦労させられる大交差点。
 池袋駅から2.5キロ。脇道に一歩入れば住宅街だが、まだまだ道の両側には大きなビルが並び、道幅は広いが頭上には合流する池袋線と都心環状線の2本の首都高速が分岐合流しながらうねる。Googleマップ等航空写真を使っている地図で確認して貰うと良いが、空から見ても、ほとんど歩道なんて確認できない。そもそも晴れた日に普通に歩いていても少し薄暗いと感じる場所だ。
 こういう場所なので、普通に走っているだけなのに、かなり誤差の振幅が大きくなっている。

 とはいえ、ここは、見るからに「来るだろうなァ」と予測できる、「♪ビルの谷間の青い空」という場所だから、道の反対側に振り切ったと言うか、一旦分岐したばかりの山手通りの方まで飛んでいても、さしたる驚きはない。

回り道
回り道
 この区間はずっと晴海通りの歩道を走っている。何故か、東銀座駅の手前でループしたり、東京本願寺(右下の角)の手前で道一本回り込んでいるような動きをしている。

 驚くのは、東銀座の図だ。何があったのか、東銀座の駅の手前で長辺30メートルほどループを描いており、その後も晴海通りを真直ぐ進んでいる筈なのに不思議なルートを通って京橋築地小学校の方まで脱線し、築地本願寺を正門前から拝んで築地四丁目の交差点で晴海通りに復帰している。
 元々周囲のビルが高く、衛星が掴み辛いのが、急に開ける築地四丁目の交差点で復帰してくるという解説が一番ありそうだが、築地本願寺は我が浄土真宗の本山東京別院であり、時々拝みに行くお寺だ。この日も、チョイと寄って拝んで行こうかと考えていた。こ、これはオレのタマシイのルートか!?

秋葉原高度420メートル
秋葉原高度420メートル
 秋葉原から我が家への帰路、M-241実測データをルートラボに読み込ませたもの。なぜか、出発地点の秋葉原駅が高度300メートル、最高地点で神田明神から本郷辺りが420メートルの高地に……。

 しかし、この移動の記録、100メートルや200メートルの範囲で細かく見るとトンチンカンなルート取りも多いが、5キロ10キロと大きな範囲で大まかに見る分には、充分に実用に足る品質で、自分の走ったルートを確認するにはほとんど困らない。また、今、神北は myTracks という9.5ユーロ(ほぼ1150円)のソフトでM-241からのデータの抽出・管理、独立したファイルとしての吐き出し等を行っている。だが、それだけでなく、このソフトはルート上の写真の管理も行えるのだ。カメラの時計をM-241の時間表時に合わせておくことで、写真管理ソフトとして使っているiPhoto上に取り込んだ写真に、簡単な手順(と、少々の時間)でGPSデータから場所情報を与えることが出来る。これによって、iPhotoの「撮影地」機能で、地図上に撮影ポイントを表示できる。
 もちろん、少しずつズレることは覚悟の上だし、細かく地名が当てはまらなかった境界等の分はソフトの都合上、○町ならその上の括りである△区、さらに上の◇市……と、大きな括りの中心地に持って行かれるため、急に飛んだ位置に表示されることもある。が、これは便利だ。

ルートラボ
通常のルートラボ地図
 秋葉原から我が家への帰路、ルートラボでコースを選択して書いたもの。黄色い「×」印はルートを指定する経由点。

しかし、信用できないのが、高度。右図と上図は、実際に秋葉原から帰宅したログと、同等の道を手動で取り直したもの。よく観てもらいたい。右図で秋葉原から出発するとまず神田明神通りから中山道へ、本郷台地に登るため25メートルほど登る。そのまま少々の上下動はあるものの基本高度25メートルほどの道を走り、豊島台地の果ての志村坂を下って、治水が始まる前は川が暴れるたびに氾濫していたのであろう荒川流域の沃野を横切り、浦和要部の丘状地形へと登って行くコースだ。

 しかし、ログを見ると、いきなり秋葉原の高度300メートルから始まり、あっという間に500メートルに上がり、逆落としに100メートル以下にまで落ちるが、その後も最大70〜80メートル規模の上下動を細かく繰り返している。なんか、アムロがやったガンダムの空中戦みたいだぞ。
 これ、元々衛星を捉まえ損ねておかしいのもあるのだろうが、なんだか、メートルとフィートを変換し損なっているとか、アホみたいなミスはないのかなぁ?

 と、いうわけで、別に正確無比というわけではないが、自分の移動をトレースしてくれる機械を導入した。割と面白い。

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