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2011/02/19

書評 『這いよれ!ニャル子さん6』だぞ

「……分かんないんだよ、自分でも。お前が好きかどうかなんて。まだ会って二週間くらいしか経ってないし。でも嫌いじゃ、ない、と思う。何だかんだで、僕を守ってくれてるし」八坂真尋

『這いよれ!ニャル子さん6』逢空万太(ソフトバンククリエイティブ GA文庫2010年12月31日発行 600円+税)

 ニャル子さんもついに6巻目。驚くべきことに今回、騒ぎの張本人に、今まで出て来なかった邪神やら何やらの新種族キャラが登場しない。そのかわり、クー子の従姉のクー音が八坂家にやって来る。クー音はさすがクー子の従姉だけあって、強烈なストーカー体質、加えて『紅蓮朱雀』『鳳凰天昇』『紺碧の猛禽』『惑星保護機構の赤い悪魔』『ヒートの女』『朱より紅し(シンクレッダー)』などと様々な二つ名で呼ばれ、『クー音がいないいところに煙は立たない』と言われた宇宙で最もクトグァな人。『僕らの火の七日間戦争』というタイトルで武勇伝が映画化されたこともあると言う。このクー音が来襲。ここに至りクー子は、「——わたしは、少年と婚約したから」と宣言。ここに、八坂家(未登場の父を除く)総員および居着いた邪神たち総出の偽装工作が始まる。

 ニャル子さんもついに6巻目。相も変わらず平和な日々を過ごす、八坂家に居着いた邪神(宇宙人)達。今回はついに4次元空間に一つずつ個室を貰い、ますます長期戦の構え。とはいえ、最初にニャル子がやって来てからまだ僅か半月かそこらというから、あれだけ色々な事件が起こりつつも、各巻3日ずつしか日を掛けてない換算かよ!それだけの間に八坂ニャル子、クー子、ハス太が次々と転校して来たんだから、そりゃクラスメート達から不審がられる筈だ。
 という訳で、わりとツナギ的中弛みの回ではあるのだが、別に前の5作が弛んでないという訳でもないしこのユルユル感こそがニャル子さんの面目躍如なので、それで構わない。逆に、抗し難い敵がある訳ではなくクー音のためにユルユルな日常がかき乱される程度で済んでいる中で、真尋から冒頭のセリフが出るなど、ミョーなフラグが立ったり折れたりするユルユルな中にも出会って2週間の進展が見られてなかなか楽しい。
 2009年04月に1巻目が出てから、1年8ヶ月で6巻目。平均して4ヶ月に1冊ペースを維持。快調に続いているシリーズだ。次巻も楽しみである。

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