« 2011年2月 | トップページ | 2011年8月 »

2011/07/27

『時空改変空母 越後』だぞ

「……内閣総理大臣、田中角栄閣下。我らが帝国海軍第一機動艦隊は、ただ今を持ちまして閣下の指揮をお受けいたします。どうぞ、何なりとご命令下さい」帝国海軍第一機動艦隊 小沢治三郎中将

『時空改変空母 越後 大和の帰還』佐原晃(学研 歴史群像新書 933円+税)

 1974年6月10日、オイルショックや公害問題に揺れていた日本に地震が起こった。しかし、それは我々の知る地震とは大きく異なり、日本全国が一斉に揺れ、その後、湧き出した叢雲が外の世界との連絡を妨げてしまった。
 そして、6月22日、海上自衛隊の護衛艦〈はるな〉は、「あ号作戦」(マリアナ沖海戦 1944年)からの帰途にある連合艦隊と接触した。
 30年の時間を越えて、太平洋戦争まっただ中の西太平洋の日米両軍と、1974年日本が出会った。時の宰相田中角栄は本国と連絡が付かなくなっている国内の米軍基地を急襲・懐柔し、強制接収した兵器を次々と日本の勢力に組み込んだ。かくして、米軍空母ミッドウェイは、越後と名付けられた。

続きを読む "『時空改変空母 越後』だぞ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『帝国亜細亜大戦』だぞ

「タイは失われた領土を回復したい。我々はその領土を通る援蒋ルートを切断したい。つまり利害は一致しているわけだ」参謀本部第八課謀略班班長 門松正一中佐

『帝国亜細亜大戦 紛争勃発!』高貫布士・高嶋規之(経済界リュウノベルズ 933円+税)

 1940年夏。バリでヒトラーが暗殺された世界が舞台。日独の軍事同盟は成立せず、日本は英国との同盟を維持したものの、ドイツを介しヴィシー政権と交渉して仏領インドシナに軍隊を派遣し、中国国民党軍の命脈「援蒋ルート」を絶つ作戦は頓挫してしまう。このまま泥沼のような中国戦線に戦力を取られて行くわけにはいかない軍部は、亜細亜でまったく新しい作戦を展開する。しかしそれは、日本軍を直接動かすものでもなければ、日本の戦争でもなかった。

続きを読む "『帝国亜細亜大戦』だぞ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/07/25

息子達の物語だぞ

 数日前、ある友達が Facebook で、久々に『グーニーズ』を観たと云う日記を書いていた。その中で、「息子達の世代の話を作るっていう話があったがどうなったんだろう……」と言う話があった。
 あれ、子供達が成長して親になってからの話、あったんじゃなかったっけ?……と思って気がついた。それは違うお話だった。マンガ『SOS大東京探検隊』(大友克洋 1980年)とアニメ『新SOS大東京探検隊』(監督:高木真司 キャラクター:大友克洋 2007年)だ。
 そもそものマンガは昭和50年代に、マンホールから地下に入って、都市化の波のせめぎ合いで東京地下に造りはしたものの、そのまま利用法も無く放置されている地下道や地下空洞に住み着いている不思議な人たちと交流する話である。このマンガをベースに、それから二十数年後の2006年の夏、オヤジ(マンガ版の主人公。今は、美少女フィギュアとかを人に変わって綺麗に作る仕事で食っているダメオヤジ)が小学生時代に書いた「大東京探検記」という、マンガ版の冒険の後に記録したノートを見つけた息子達が、再びマンホールから地下に入って行くというお話。

続きを読む "息子達の物語だぞ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年2月 | トップページ | 2011年8月 »