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2011/07/25

息子達の物語だぞ

 数日前、ある友達が Facebook で、久々に『グーニーズ』を観たと云う日記を書いていた。その中で、「息子達の世代の話を作るっていう話があったがどうなったんだろう……」と言う話があった。
 あれ、子供達が成長して親になってからの話、あったんじゃなかったっけ?……と思って気がついた。それは違うお話だった。マンガ『SOS大東京探検隊』(大友克洋 1980年)とアニメ『新SOS大東京探検隊』(監督:高木真司 キャラクター:大友克洋 2007年)だ。
 そもそものマンガは昭和50年代に、マンホールから地下に入って、都市化の波のせめぎ合いで東京地下に造りはしたものの、そのまま利用法も無く放置されている地下道や地下空洞に住み着いている不思議な人たちと交流する話である。このマンガをベースに、それから二十数年後の2006年の夏、オヤジ(マンガ版の主人公。今は、美少女フィギュアとかを人に変わって綺麗に作る仕事で食っているダメオヤジ)が小学生時代に書いた「大東京探検記」という、マンガ版の冒険の後に記録したノートを見つけた息子達が、再びマンホールから地下に入って行くというお話。

 形としては、語り直しであり、かつ続編でもあると云う、なんとも奇妙な相似形をなしているのだが、現代の子供達は近所の悪ガキ仲間ではなく、「昔近所に住んでいたが郊外に引っ越して、以降よくチャットする幼馴染み」と「その向こうで出来た友人」というのが揮っている。それに主人公の弟を加え、まったくチームワークも揃ったバックボーンもない「探検隊」の子供達が、ドタバタを繰り返しながら、次第に絶妙のコンビネーションを手に入れて行くのも楽しい。
 製作期的に『スチームボーイ』と、カップヌードルのCMになった『FREEDOM』との間に挟まった、上映時間1時間の実験的掌編だが、日本のアニメーションが人形アニメではなくセルアニメの2Dから直接3D技術を確立する過程にある作品として、表情や芝居の付け方に、さまざまな工夫が凝らされ、一つの様式を確立している。ここいらへんの製作陣の苦労は、アニメ!アニメ!「『新SOS大東京探検隊』 高木真司監督インタビュー 『新SOS大東京探検隊』のみどころと3Dアニメーションの現在」という特集インタビューが詳しい。
 前後の『スチームボーイ』『FREEDOM』はよくCSなどで放映されるのに、この作品は以外と一般には知られていない。しかし観て損はない作品なので、是非、一度レンタル屋さん等で手に取られることをお奨めしたい。

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