銀河の歴史がまた一幕だぞ
本日、2012年4月14日(土)から22日(日)まで、舞台『銀河英雄伝説 第二章 自由惑星同盟篇』の東京公演が開催される。(大阪公演は4月28(土)・29(日)の二日。)
その前日の2012年4月13日(金)、公演初日の前日、東京国際フォーラム ホールCにおいて、公開舞台稽古(ゲネプロ)が行われた。
今回は、ゲネプロの前に、ロビーでのフォトセッションと囲み取材の時間が設けられていて、そちらにも参加させて頂くことが出来た。 フォトセッションおよび囲み取材に応じて頂いたのは、河村隆一さん(ヤン・ウェンリー)・馬渕英俚可さん(ジェシカ・エドワーズ)・野久保直樹さん(ジャン・ロベール・ラップ)・大澄賢也さん(ムライ)・雨宮良さん(アレックス・キャゼルヌ)・中川晃教さん(オリビエ・ポプラン)・松井誠さん(ワルター・フォン・シェーンコップ)・西岡徳馬さん(シドニー・シトレ)の8人。
あまり芝居やドラマ、歌謡界に明るくない神北でも名前を知っている人が多いのに、ちょっと驚いた。というか、尾張大納言徳川宗睦(『殿さま風来坊隠れ旅』)の西岡徳馬さんだよ! ちょいと奥さん!!
囲み取材の様子は、多分、土日の情報番組(もしくは月曜朝のモーニングショー)に出ることと思うが、やはり、LUNA SEAのボーカルRYUICHIこと河村隆一さんが主人公ヤン・ウェンリーということで、とんでもない数のマスコミが集まった。河村さんは、以前からの銀英伝のファンだそうで、そうとう前に河村さん自らが是非とも演りたいと名乗り出たのだと言う。もうヤンをどうしても演じたかった人だけあって、先日、原作者の田中芳樹さんと対談したときも、その知識と深い読み込みに田中さんが舌をまくほどのファンぶりだったと言う。
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ここから、舞台の細部に付いて触れます
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物語は、アスターテ会戦で、艦隊司令を始めとする上位の将官が全て負傷し、全軍指揮を引き継いだヤン・ウェンリーが「今は負けているが、要は最後の瞬間に勝っていれば良いのだ」と、全艦艇にいささか気合いの入るようで入りにくい演説をぶつところから始まる。
並行して起こるヤンの親友ジャン・ロベール・ラップの所属する第6艦隊の敗北や、ヤンとラップが共に愛した女性ジェシカ・エドワーズとの甘い思い出を挟みながら、ヤンは次々と敵の裏をかき、最終的に、撤退させることに成功する。
そして英雄と呼ばれヤンは、他の艦隊の半分の規模の小さな艦隊で、銀河帝国の難攻不落の宇宙要塞イゼルローン攻略を命じられる……。
お馴染みの銀河英雄伝説なのだが、富山敬さんが乗り移ったかのような河村隆一さんのヤン・ウェンリーの演技や、井田國彦さんのヨブ・トリューニヒト、樋口夢祈さんのアンドリュー・フォークなど仇役の方々の怪演、普段バラエティー等では非常にニコニコしている印象の強い大澄賢也さんの厳しい表情が意外と謹厳実直なムライに相応しい等、もうキャストだけでも見所いっぱいだ。
ちなみに、「第一章 銀河帝国編」のラインハルト・フォン・ローエングラムを演じた松阪桃李さん(シンケンレッド)や前回「外伝 オーベルシュタイン篇」のオーベルシュタインの妾腹の兄シュテファン・ノイマンを演じた岸祐二さん(レッドレーサー)に続き、今回の「戦隊枠(?)」は、戦闘機スパルタニアンの管制官ナオミを演じた長澤奈央さん(ハリケンブルー)だ。
舞台は、上下に動くいくつかの簡単な書き割りや左右に動くスロープを、そこに投射するプロジェクター画像等と併用することで、一瞬にしてヤンの自宅から軍の基地、国防委員会の議場、戦艦内など、あらゆる場に変転させる。また、舞台のの前面に紗幕を下ろして、舞台奥の照明を落とせば映画のスクリーン風に、奥の照明と併用することで手前の巨大スクリーンに戦況を写しながら戦闘を続ける宇宙戦艦の艦橋や、幻想的なシーンにと、非常に美味くプロジェクションを応用している。
こうやって、一瞬で様々な舞台転換を行うことと、舞台上とスロープの上の段と、更に一段高い左右の小さなブースの縦3段に舞台を分けて使えるようにしたことで、映画的な瞬時のシーン切替や、敵味方のブリッジを並行して表現する等、スピーディーな演出をしていることも大きな見所。
ちなみに14日朝現在、公式ページに因ると、今日・明日を含め、まだ若干の余席が残っている様子。
ぼくらがもう30年に渡って愛読して来た『銀英伝』に、日本の演劇を支えている重鎮から若手までの様々な役者が、真剣に取り組むというだけでも嬉しいのに、それがまた美しい、スピーディーで切れ味のある舞台。
これまでと同じく、あとでDVD等が発売されることとは思うが、可能な方は、是非、直接劇場で生のステージをご覧頂きたい。空気感が違います。
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