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2013/07/24

日本SF大会、シール屋さんの前日と1日目だぞ

 2013年7月20日(土)〜21日(日)の二日間、広島県広島市で、第五十二回日本SF大会 こいこん が開催された。

 1962年の第一回大会から、51年目の52回大会。いま、来年のつくば市をはじめ、2年後、そして仮の立候補だが3年後が姿を現しつつあるから、順調に行って4年後に(まだ噂すらない)第56回大会が開かれれば、神北が実行委員長を勤めた第28回大会ダイナ★コンEXが、ついに「半分より前」になってしまう。
 ともあれ、まずは今年の大会の話。

 今年の大会、我々シール企画は、最低数の陣容で企画に挑むことになった。
 たとえば、企画開闢の2003年から2年目の2005年、横浜で開かれた日本SF大会ハマコンⅡに先立って6月に我々は、車を連ね、マシン(当時の多くはデスクトップ機であった)を持ち寄って、合宿を敢行した。 この時、現在のシール屋さんシステムの基礎が出来上がった訳だが、この合宿で6人。当日は、10人から15人のメンバーがシール屋さんで立ち働くこととなった。
 この後、徐々に無駄を省くことやスキルを上げること、システム構成器機の能力が向上したことで、効率をアップし、随分省力化されて行った。

 とはいえ、今年の大会は、本当に人が少な過ぎた。当日4人、前日の建込には僅か2人と言う、シール屋さん史上経験したことのない程の少人数だった。
 この二人で、レイアウトを考え、机を並べ椅子を置き、レンタルした機材を並べて結線、システムをインストールしなければならない。もちろん、毎年、渡される場所の造りは違うし、こちらの態勢も機材も変化するから、あらゆることが現場合せ。
 本業図版屋・DTP屋の神北は足りない作り物を作り、本業ネットワーク屋の塩坂くんがマシンとLANのセッティング。これはまあ、例年の役割分担なのだが、双方とも、一人なので、ホント手が回らない。無理言ってでも、古市くんに一日早く来てもらうんだった。動かす手が足りない。判断する頭が足りない。
 4台のレンタル機は、OS初期インストール状態で手渡されるので、まずは膨大な時間をかけて山のようなアップデートをしなければならない。最新版のアップデートが既に掛かった、すぐに使い始められるマシンを貸してくれれば良いようなものだが、いくつかのレンタルPCを使ったが、そんな機体には当たったことがない。で、そのアップデートの上で改めて、こちらが載せたいソフトをインストールすることになる。今回は、レンタルPCは「シール君」端末に使うのでアップデート終了後にメンバー手製のソフトをインストールするのだが、その前のアップデート中に1台障害発生。なんか、リスタートしたまま立ち上がらなくなったらしい。塩坂くんが知恵を絞ってリカバリーを掛けてみたが、ウンともスンとも言いやしない。まあレンタル機材というのは、こういうこともあるのだろう。レンタルPCの便宜を図ってくれた実行委員会に交渉してみたところ、こういう事態を想定した代替機は用意していないが、使う予定だった部署で自前のマシンを持って来ている人が居るので、そちらを使うことで1台廻せるとのこと。有難く使わせて頂くことに。
 しかし、本当の問題は、この後に発生した。
 前回までの自作用端末ソフト「シール君」は、ウチの女房のむらさきが仕事で覚えた事務系プログラミングの技能で、 Microsoft Office の Access のVBA(Visual Basic for Applications)で開発したものだったのだが、そのコンセプトを元に前代表の藤沢くんが JAVA で作り直したのが、今回の「Jシール君」。これは、データベースソフトである Access の画像操作機能よりは基本性能が高く、 PDF 化して Acrobat の印刷機能を使うため、ハガキサイズのプリクラ用紙の縦横4×4=16片に印刷するために画像データを16個持つのではなく、1個分のデータを持つだけで済むため、出来た印刷データが巨大になることを防いでくれるし、そのお陰で用意する画像をあらかじめ、デジカメの最高品質から小さく作り直しておく必要もなくなる。
 だが、8年前のような大量の機材を集めての事前演習などが出来なかったため、 NAS を使ったサーバー・クライアント系の上で、プリンターまで繋いだのは初めてだった。
 本来4台のところだが、1大上のような市議でセットアップが遅れたため、ネットワークに取り敢えず3台のJシール君端末とプリンターを繋ぎ、試しに1枚作って打ち出してみる……と、3枚出て来る。しかも、微妙にシールの枠に合ってない。用紙が違うから縦横が微妙にズレると言う感じではなく、シールのサイズや間隔が、一回り小さくなった——縮小印字されている——感じなのだ。
 Jシール君は NAS の印刷フォルダーに PDF を吐き出し、それを感知して PDF を自動印刷するツールが稼働すると言う2段階の仕組みで成り立っている。塩坂くんが解明したところ、シール君端末の一つから NAS の印刷フォルダーに PDF が吐き出されると、3台のPCからそれぞれ自動印刷するツールが稼働し、1枚ずつ、計3枚打ち出してしまう事が判った。そのため、簡易的に1台を除いて自動印刷ツールを停止させる事で、3枚印刷される事を防ぐことが出来るようになった。
 しかし、3枚が1枚に抑えられても、サイズの問題は解決していない。塩坂くんは藤沢君と連絡を取りつつ一つずつ可能性を潰して行く。フチ無し印刷の問題かと用紙指定を触ってみたが、これも違った。また藤沢くんのプログラムが、パラメーターを全て外のパラメーター・ファイルに置き、用紙ごとに印刷を自由に弄れるようになっているので、そのパラメーターファイルを印刷される場所を微妙に弄ってみたが、これも違ったようだ。
 このあたりで、会場が閉まる21時となり、宿題を残したまま前日建込は終了。
 前日と当日の広島の宿は、平和大通りに面したドーミーイン広島。大会会場であるアステールプラザからはちょうど1kmなので、男の足で元気に歩いて約12分。取り敢えず引き上げて、クタクタになったからだを大浴場で癒し、その日は寝た。
 翌朝は朝風呂に入り、朝食バイキングでリキを付けて8時半過ぎに会場へ。途中で塩坂くんが、 PDF を印刷する、 Acrobat の印刷ダイアログを見てなかったと言い出した。そういえば、用紙一杯に文字や画像が配置された PDF を少し縮小することで全部用紙に納めるようになっていたような……。
 藤沢君と相談した上で、それを試してみると、やっと出力が上手く行くようになった……ら、また3枚出る。しまった、昨日の止め方だと立ち上げ直すとまた3枚打っちゃうのか。

Img_0519

 システムの調整を塩坂君に任せ、机の設置・ホワイトボードの設置等を進めていると、空港から広島市内へ向かうリムジンバスでブレーキトラブルが起こり代替バス待ちという騒動に巻き込まれていた竹内くんと古市くんの増員2名、やっと到着。ホワイトボードの一枚に、古市くんにシール屋さんの看板を描いてもらうことにした。「シールズのマークと文字でいいですか?」「うん、それでいいけど、タッチは『ガンバの冒険』の止め絵風でお願いね」。まあ、一面波と雲が描き込まれている域まではいかなかったですが、がんばってくれた。
 11時、一般入場開始。蓋を開けてみると、かなりの人がシール屋さんに殺到。ホール係になってくれた竹内くんの解説・指導で、Jシール君もほぼ問題なく稼働。1枚100円というプリクラなどよりはかなり安い値段設定もよかったかもしれない。
 問題があるとすると、Jシール君、印刷ボタンはあるが、開発環境ではこれを押したとき、プリンターが動き出すという形で作動を確認できていたため、画面にレスポンスがなかったこと。このため、動いたのか動いてないのかわからずに、複数回押してしまう人が若干発生した。また、印刷後また診察ボタンを押すと、どんどん枚数を打てるのだが、上記のように PDF を吐いて、自動印刷するツールがプリントアウトする仕組みのため、シール起動まで時間がかかるため、ボタンを即連打しても枚数出すことはできない。これは藤沢君も改良容易と判断しているので、来年までにはなくなっている弱点になるはずだ。
 列になって並ぶ人たちの中には、全く自分でやるのは無理とプレミアム(指示書を書いて貰ってシール屋さん要員が作る1枚200円)を希望する人、そもそも要望が難しくてプレミアムでないとこなせない人もあり、こちらも結構仕事が入り続ける。企画1コマ目はそうやって明け暮れた。
 大会1日目、2コマ目は、神北は出演依頼を受けた企画でパネラーをやっていたので、シール屋を離れており、戻ってみるとすっかり嵐は去ったという感じだった。
 企画がよいらしく、殆どの人が1階の市民ギャラリーに降りてこなくなっている。今年は、実行委員会が企画シールを推進・斡旋してくれなかったこともあり、企画毎にシールが貰えるものではなかったし、暇をしている時間もなかったせいで、シール交換ができなかったのか、いつもなら1日目夕方には出現するはずの煩悩王もちいとも現れない。
 また、冊子型台紙が、「参加者」にしか配られなかったため、「ゲスト参加者」に配られてもその「同伴者」の子供には手渡されないなどの事態が生じて、例年シール交換のキーとなる多くの子供が、シール企画に参加出来なかった感じもある。更に言えば、折角シール企画が参加者以外の一般の人も入れるエリアにありながらも、ふらっと覗きに来た一般参加者には台紙が配られないため、シール企画なんてものがあることも知らない人が多くなったと思われる。
 次の機会には、そこいら辺の対策をいろいろ練るべきだと思う。
 かくして、大会1日目は、煩悩王が一人もでないまま、最後のコマに突入。それを確認後、我々も撤収することになり、シール企画1日目の終了となった。

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