2008/06/02

白馬に行って来たぞ

 2008年5月31日〜6月1日に開催された、ローカル・リフレッシュ・コンベンションに参加して来た。今回のゲストは、先日「妖精国の騎士」で漫画家協会賞優秀賞を受賞された中山星香さん

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女房と記念写真 二日目午前中 八方尾根の高い所にて

 とはいえ、今回は、いつものように白馬直行というわけにはいかなかった。5月31日朝、5時半頃に車を借り出して、関越・信越・長野道と走り、まずは女房の実家のある松本に。松本では、力仕事やらなにやら実家のお手伝い。あと、車を走らせての買い物やら何やら。

 3時過ぎに松本の実家をおいとまし、農免道路(広域農道、県道48号・321号などを繋いで)を北へ走り、最終的に糸魚川街道(千国街道、国道147号線)に入って、信濃大町、木崎湖、青木湖を経て白馬へ。いつものように岩岳スキー場へ向い、いつもの岩岳セブンロッジへ。なんと我々が最後の参加者。今年はみんな集まり早いなオイ。

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2008/05/22

静岡ホビーショーだぞ その後

 2008年5月17日、朝から昼過ぎまで歩き回った静岡市市街を離れた塩坂くんと神北は、駿河湾岸の新しく気持ちのよい道を東進していた。と……、

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久能山東照大権現参道

 静岡県には東照宮がある。当然のことなのだが、これが本家本元。場所は静岡市外の東、静岡の平野の中に地質学的長期にわたる風雨浸食からボッコリ と残った浸食台地久能山。2008年5月17日午後、静岡市から湾岸道を東進していた我々は、「ちょっと家康さんに挨拶してくかァ」と軽い気分で参詣を決 めた。

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2008/04/01

メビウス回路だぞ

※これは2008年のエープリルフール記事です。この科学発見は現実ではありません。

 これが実用化に繋がれば凄い事だけど、どうなのかなぁ。

 山田ミネコさんの「ハルマゲドン・シリーズ」といえば、デボン紀から西暦1万年の遠未来までに広がる、タイムマシンを発明した人類と、人類に寄生して石にしてしまうデーヴァ・ダッタとのタタカイと愛を描いた一大叙事詩として知られているが、この中に、現代イギリスを舞台とする探偵もの『アリス・シリーズ』の一編として描かれた「妖魔の森」という異色作がある。アリスのボーイフレンドが大人になってから発明する効率的なエネルギー発生装置が、何百年も経た後にタイムマシンの基礎理論となるという事で、最初のタイムマシンの発明者が、彼に会いにやって来るという叙情的な話。
 我々は今、この「妖魔の森」の1シーンに立ち会っているのかも知れない。

 来月の科学誌に発表される論文の話である。

 東北理科大学の飯塚喜美雄教授(物理学部)の実験室で、超高速で回転するカプセル内の時間経過が、外の時間経過と異なる事が確認されたらしい。そんな高速回転させたら、遠心分離機みたいになって役に立たないのではないかと思ってしまうが、実験機材では二重反転させることで、微振動はあるもののカプセル内はほぼ静止状態に保たれているという。この状態で、内側=右回転&外側=左回転で、1秒720回転を超えると、1.0000秒が0.9999秒に、逆に内側=左回転&外側=右回転で、1秒720回転を超えると、1.0000秒が1.0001秒に、約0.1ミリ秒の伸縮が観測されたという。つまり、これは、タイムマシンの基礎理論となり得る重要な発見なのだ。

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2008/02/23

振り向けばヤツが居るぞ

 思えば、付き合い始めは1980年だから、もう28年近い付き合いということになる。わりとよく利用していた時期もあるし、何年も足を踏み入れなかったこともある。特に1990年に上京してからは殆ど付き合いがなかった。

 ……ら、まさか、2路線4駅ある我が家の最寄り駅のうち、一番普段からよく使っている北浦和駅の周囲のビルのワンフロアーに、ほんの一週間ほど前……。

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2008/02/20

『チーム・バチスタの栄光』を読んだぞ

〈……この案件は果たして当委員会で対応することが要求されるべき案件であるかどうか、そこのところについて、どのようにお考えになるのか、様々な意見を 総合的に勘案して、可及的速やかに対応をはかるべきかどうかを、直ちに早急に検討に入るべきかどうか、こうした点を含めてできるだけ多数の方達の厳選中立 的な意見をふまえた前提で……〉
 田口の想像する、リスクマネジメント委員会の曵地委員長の言葉。

『チーム・バチスタの栄光(上・下)』海堂 尊(宝島社文庫 476円×2+税)

 ある月曜日の朝、突然に病院長室に呼び出された田口公平は、高階病院長から、ある特命任務を依頼される。この東城大学医学部付属病院は、フロリダのサザ ンクロス心臓疾患専門病院から心臓外科の若き権威、桐生恭一を招聘した。それは拡張型心筋症で心室肥大をおこした心臓を、一旦体外に摘出して拡張した心臓 の左心室を3分の1程度切り取りコンパクトに形を整え直す、バチスタ手術という世界でも数の限られた先進医療を行うためだった。桐生はバチスタ手術の専任 チーム、「チーム・バチスタ」と呼ばれる心臓外科手術のドリームチームを率い、1年前の第1例以来26例目まで、世界中のバチスタ手術全体でも驚異としか言えない成功率100パーセントの成 績を上げていた。しかし、近例4例中3例で手術中の患者死亡、いわゆる術死が発生した。たしかにあまりにも急激な成功率の低下だが、それでもまだ通算スコ アでは30例中3例の失敗、世界のバチスタ手術の水準(6割程度)を大きく上回っており、医療過誤を問題にせねばならぬ比率とは思われない。それほどバチ スタとは難しい手術だった。病院長の依頼とは、この手術に医療過誤、つまり手術中のミスや、機材・手法・チーム構成などのシステム的な欠陥などが紛れ込んでいないか、原因を明らかにしてほしいということだった。
 本来ならばこの任務は、リスクマネジメント委員会が担当すべき作業だ。しかし、委員会の曵地委員長の事勿れ主義を勘案すると、到底スピード解決は望めない。そこで高階病院長は、リスクマネジメント委員会に諮る前の事前調査という名目で、田口に素早い対応を求めたのだった。

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2008/02/13

エンタメ大賞3連発だぞ

 ライトノベルはジャケ買いを持ってよしとするジャンルである。ということで、ファースト・インプレッション勝負で、表紙や惹句が気に入ったものを 適当に読んでみたりしているのだが、今月は、ファミ通文庫にエンタメ大賞作品がずらりと並んだが、その中から3冊ほど読んでみた。

  • 『サージャント・グリズリー』第9回特別賞受賞作
  • 『千の剣【つるぎ】の舞う空に』第9回優秀賞受賞作
  • 『雅先生の地球侵略日誌』第8回東放学園特別賞受賞作


『サージャント・グリズリー』彩峰 優、イラスト:bomi(ファミ通文庫 609円)

 親から離れ、一人暮らしをする玖流玖 準(くるく じゅん)は、誰もが皆いつの間にか「クルックー」という渾名で呼んでしまう、鳩のような苛められっ子。しかし、突然彼に味方が現れた。それは、姓をグリズ リー、名を軍曹という遠い国からの転校生。名前の通り、ハイイログマ(のヌイグルミ)の頭をした謎の美少女……。いや、何故か準にはハイイログマの頭と、 割とがっしりした兵士の体つきに見えるのだが、彼以外のクラスメイトの目には、プラチナブロンドの超クール美少女に見えているらしい。転校初日、準をパシ リにしてたかっていた不良どもを完膚無きまでにぶちのめした軍曹は、怯える準と(一方的に)友誼を結び、いつの間にか準の生活に深く関わって来た。家庭の 市場で父と母の道場を継ぐ宿命を背負わされた赤井空・青井美月の双子の武道美少女姉妹や、軍曹の妹グリズリー少佐、母親のグリズリー大佐など、さまざまな 人々と準が巻き込まれた騒動とは?

『千の剣【つるぎ】の舞う空に』岡本タクヤ、イラスト:柏餅よもぎ(ファミ通文庫 588円)

 幼少期から世界一に憧れ、学校で友達も作らずに日々空手修行に明け暮れていた速見真一だが、中学に入った年 に交通事故に遭い、その夢は潰えてしまった。三年経った今も真一は無気力に高校に通い、友達ひとつ作らない。群れない彼のスタイルを自身では崩せなくなっ ていたのだ。しかし、ポスターの「世界一」という惹句に引かれて始めた「サウザンド・ソード」と呼ばれるネットゲームで赤衣の侍タカヒロとして闘い続ける 彼は、人生で初めて一人の親友を得た。アスミという名の白装束の女剣士。春先に知り合い、夏休みが終わるまで半年近く、二人は毎日共に「サウザンド・ソー ド」の世界を歩き、互いに相手の性別年齢所在地といったリアルワールドでの姿を全く知らぬまま、友情を育て、力を付けていった。しかし、二学期の始まった ある日、真一は知る、アスミが彼のクラスのマドンナ真山明日美だということを。そして、二学期が始まった頃、二人はクラスの文化祭委員として行動を共にす ることになった。

『雅先生の地球侵略日誌』直月秋政、イラスト:昼間行燈(ファミ通文庫 定価588円)

 東京都立善正高校の源雅(みなもとみやび)先生は侵略者である。銀河に繁栄を極めるクァークゴ帝国の地球遠 征軍総司令官首席補佐官券幕僚総監という身分を隠して敵情視察のため潜入した彼女の悩みは、自分の担任クラスの問題児五人が彼女たち侵略軍の宿敵、人類戦 隊アースファイブであること。なんでもこの銀河辺境の惑星「地球」には、数十年に渡り惑星征服を目指す多くの悪の組織が襲いかかり、ことごとくナントカ戦 隊とかいう奴らが迎え撃ち、侵略者を退けて来たという歴史があるらしい。彼らアースファイブ(リーダーは当然「アースレッド」だ)は、その系譜に連なる最 も新しい正義の戦士らしい。この頭の痛いシチュエーションと、毎回ユニークな作戦でアースファイブを追いつめながらも闘えば必ず負ける自軍怪人のふがいな さに心を痛める雅先生の心の平穏は、養護教師の一橋渚や、2歳年上28歳のロリ顔美少女教師の甘井蜜と過ごす、女同士の付き合いの中にしかなかった。しか し渚先生は実は、アースファイブを擁する地球防衛組織EDCの副司令官だったのだ。

 

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2007/10/21

鏡の中の日本だぞ

「貴様は生きろ。俺にはもう息子がいる。多分日本のどこかで、貴様と同じように戦うつもりでいるはずだ。うまく行けば、生き残って将来の日本を支えてくれるはず……順番から言えば、俺の方が先に靖国入りしていいだろう?
 貴様も同じことだ。おやじより先に死ぬな。それが息子としての務めだ。若いもんが死に急ぐのは、お国のためにならん負け犬の考え方だ。苦労して国を支え、そして子を持ち年寄りになる。死ぬのはそれからでいい」
 吹上浜中央区分担当、第十六方面軍南部支隊第五七師団第三連隊第六歩兵小隊長 前原宗近少尉

『帝国本土決戦 [1]特攻作戦、発令!』羅門祐人(コスミック出版 コスモノベルス 895円+税)

 久々に巨弾シリーズと呼ぶべき架空戦記の新シリーズで、地図を担当させて頂いた。幾度となく仕事でも組ませて頂き、友人としても親しくして頂いている羅門祐人さんの新作である。
 架空戦記の面白さの一つは、「その世界がどこで我々の世界と違う路を歩き始めたのか」という、最初の一点がどこかということに有る。……と神北は思って いる。「ここの一点で違う分岐に入った世界は、どんな歴史を刻み、どんな様相を呈するのであろうか?」……これは架空戦記ジャンルの母体である歴史改変モ ノや疑似イベントモノといたSFジャンルの楽しみ方であり、思考ゲームの出発点になる。
 また、架空戦記に限らずだが、小説にせよドラマにせよアニメ、漫画、映画にせよ、作品が読者に受け入れられるかどうかは、「お話しの概要を一言で言い切れるか」に掛かっていると思っている。
 その面でこのお話しを見てみると、非常に簡潔な一言で言い表せるスタートを切っている。
 「軍部の主戦派が8月15日の玉音放送を阻止し、太平洋戦争が終わらなかった世界」である。

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2007/09/10

ワールドコンを思い返すぞ

 もう、大会の閉会式から一週間目が来てしまった。第65回ワールドコン(世界SF大会)/第46回日本SF大会 Nippon2007の感想を、そろそろ纏めて書いておこう。
 今回の大会は、その萌芽の頃、井上博明実行委員長と会い、スタッフに誘われたことがある。だが、「知恵はいいから手を貸して欲しい」と云われ、この年になって手だけを動かす気にはなれず、外から見ていることにした。

 とはいえ、全く何もしないと云うわけでもなく、2003年から始まったシール企画を、この2007年のスタッフ・トレーニングとして行なわれた2005年のハマコン2に持ち込んだり、大会の雰囲気造りに協力する気満々だった。ハマコン2に関しては事前準備の『なんだか細かくて大変だぞ』から感想をまとめた『ギブミーギブミーだぞ』あたりまで、この神北情報局の2年前の記事を読んでもらうのが宜しかろう。

 この書き込み群の一つ『『ガンダムが好きだから』だぞ』に私はこう書いた。

 ただ、2007年のワールドコンを目指す予行演習である2005年に、こういう実行委員会がイベント開催を甘く見た事のツケのようなミスが噴出して良かったと考える、前向きな思考法もある。もちろん、今から実地で試す機会はない訳で、それだけ、よほど精緻なシミュレーションが必要にはなるのだが、実行委員会、特に企画局、更に直接企画を担当するスタッフは、このことを真摯に受け止め、二年後のために今後、対応していただきたいものである。

 このハマコン2で我々シール企画は、大会側企画担当者の池田くんから許可を得て、事前設営を行なっていた所、大会幹部I氏から「この場所は明日朝から借りる部分やから、作り込みは止めてくれ」と注意された。池田くんはちゃんと事前に会場側と連絡を密に取り、うちの企画は事前構築に時間がかかることを説明して許可を得てくれていたのだが、池田くんからの報告を受けて失念していたその幹部I氏は、こちらの説明をまるで取り合わず、「許可してへん」「認められへん」の一辺倒。
 「機材規模が大きいから前日から用意しないと当日開幕一番は間に合わない」と説明したが、「別に構わんよ」の一言。
 「大会側担当者から正式に許可を頂いているのだから、まず大会内で確認・調整してから言って来て貰いたい」というこちらの言い分に対しては「その担当者は誰や?」とこちらに聴く始末。大会幹部、しかも企画部門の総責任者が、部下の割り振りも把握していない模様。
 このとき、別の実行委員会幹部I女史から「事前に企画者に入ってもらっているMLでそれを告知している、あなたはそれを覗いていないのか?」と叱責されたことも未だに謎だ。後に池田くんに聞いた所、「そんなMLはありませんよ」とのこと。我々SEALSは、在りもしないMLの所為で攻められたのか?

 この時は、通りかかった池田くんが、その場で会場の担当者に連絡を取り、許可が出ていることを再度確認し、この大会幹部二人に説明してようやく事無きを得たが、場所を用意してやっている企画をやらせてやっているという意識の滲み出る、企画持込者をずいぶんと下に見る態度に、その場に居たもの全員があきれ果てた。

 ちなみに、許可が下りていることが判ると、この大会幹部二人は「あ、そう」とあっさりと帰っていった。結局、唯一部内の連絡ミスを詫びてくれたのは、被害者と云っても良い立場の池田くんだった。しかし、もちろん「謎の在りもしないML」の件は謎に包まれたままである。
 その後も大会の都合で閉会式にほとんど時間が貰えなくてシール大賞の部門を削り込む等の色々な目に遭いつつ2005年大会が終わった後、シール企画の藤澤代表は2007年の参加断念を決意し、私も賛成した。今考え直すと、それでもワールドコンなのだから、やれば良かったかもしれないという気もするが、装置産業であるシール屋さんを運営するために、5日間一定量のスタッフに身体を空けてもらったり、機材を管理したりしながら、同じ人たちが運営するコンベンションにもう一度企画参加しなくて良かったような気もする。

 さて、それから2年。プレ大会から本大会に向け、実行委員会はどう動いたのだろうか?

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2007/09/05

ワールドコンだぞ

 先週木曜日から今週月曜日まで開催されていたワールドコンNippon2007のレポートを上げておこう。
 まずは、フォトレポートだ。

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2007/08/06

見て来たような宇宙世紀だぞ

 こうだんし、好男子ではなく講談師。「講談師、見て来たような嘘を言い」の講談師。

 この講談師の中に、「どうせ、30歳の人間は、戦国時代も江戸時代も明治維新も日清日露戦争も、支那事変も太平洋戦争も、朝鮮戦争もベトナム戦争も体験していない。湾岸戦争は見たけれど、まあ、見たまんま。自分が一番良く知っている戦争は、ひょっとしたら、一年戦争なのではあるまいか?」と考える人が現れた。
 既に岡田斗司夫さんの昨秋2006年11月6日のブログ記事『「ガンダム講談」と考察』などで、だいたいどういうものか知ってはいたが、実見は始めて。

 2008年、日本SF大会は十数年ぶりに大阪に帰る。ダイコン7である。そのスタッフの腕試しとして、日本橋でんでんタウンの地下鉄堺筋線恵比寿町駅近傍のジャングル1F イベントフロアをお借りして、2007年8月3日〜5日、プレ企画『DAICONmini7』が実施された。
 コンベンションのブレ企画といっても一つ一つの出し物は独立して居り、会計も別。毎回入場時に参加費を払っての入場となる。

 神北夫婦は今回、金曜日に職場の半休を貰い、新幹線で移動。

 実は神北は大阪と云う街を全然知らない。というか、未だに良く覚えていない。小学校低学年の頃のEXPO'70に始まって、修学旅行とかでも行ったし、ダイコン3・4・6も参加した。人外協の縁で何度か遊びにも行ったが、ほとんど、聞いた所で乗り換えて待ち合わせ場所や目的地に行っただけ。自分で何かを用意するために走り回ったりはしていないので、地理感がまるで無い。

 取り敢えず新大阪から梅田に移動。阪急デパートの上の方の食堂街で適当に飯を喰い、5時過ぎを目処に地下鉄恵比寿町駅へと移動。
 大阪市営地下鉄の 中核は、西から四つ橋線・御堂筋線・堺筋線・谷町線を縦線に、北から中央線・長堀鶴見緑地線・千日前線を横線にした、タテヨコ編みになっている。で、梅田 駅は御堂筋線、恵比寿町駅は一本東側の堺筋線だから、電車で行くには本町駅から堺筋本町駅まで中央線・心斎橋駅から長堀橋駅まで長堀鶴見緑地線・なんば駅 から日本橋駅まで千日前線の、3つのルートどれを使って横移動しても良い。どの線でも1駅。しかも、そのすぐ南の辺りで御堂筋線は大きく東へカーブして、 まだ真っ直ぐ南方向へ降りて行く堺筋線と動物園前駅で交差している。ここまで行って1駅堺筋線を北上すると恵比寿町駅。これだと乗り換えが一回少なくて済 む。う〜む。どれにすれば良いんだぁ〜。

 結局、なんば・日本橋経由で恵比寿町へ。

 駅からジャングルまでは階段さえ登ればすぐ。恵比寿町は東京で云うと秋葉原電気街口にあたる地区で、ジャングルは地下鉄改札からの位置で云うと秋 葉原ではラジ館ぐらいの場所だと考えれば良いだろうか。何にせよ、素晴らしいポジション。入り口前には、既にダイコン7の法被を着たメンバーが何人も集ま り、客の誘導をしている。

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2007/07/09

足とおアシが不安だぞ

 今年は、開催が遅いものの、そろそろ、2ヶ月を切った今年の第46回日本SF大会Nippon2007。7月からの値上げの前に滑り込みで申し込んだので、やっとこの週末にプログレスレポート(既刊は2005年8月の1号から2007年の4月までに発行された5冊)が届いた。

 で、プログレスレポートを読み、洩れたデータの確認のため公式サイトにもアクセスしてみたんだが、うーむ。ちょっと、暗澹たる気持ちに……。

 時間の予定が全く立たないのだ。特に、横浜入りと帰路。

 なぜかというと、ちゃんとしたタイムテーブルが発表されていないから。

 

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2007/05/27

人は皆遠ざかったぞ

 2年程前に出た、少々古い本の紹介する。

『廃墟本 THE RUINS BOOK』中田香・中筋純(ミリオン出版 ¥1800+税)

 写真集と言って良いかもしれない。30件の廃墟物件の写真レポート本である。

 廃墟、なんと想像力をかき立てる言葉か。そして、今、地方の過疎化とともに日本の人口が減りかかっている現状を考えると、一部の大都会以外のあらゆる場所で、役割を終えたまま建て替えられず廃墟となってしまう建築物は、徐々に増える筈である。

 この本は、その中でも様々な意味で美しい「枯れ方」をした物件を、ライターとカメラマンの二人組が歩いた記録である。

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2007/05/25

有限会社迅雷計画だぞ

 「“時穴様”からお前たち二人が現れた時は、言い伝えがあったとはいえ驚いたぞ。しかも一人はわしを『お祖父さん』などと呼ぶ。あの時わしはまだ結婚すらしとらんかったのにな」 退役海軍大佐 巻冬吉

 『迅雷計画 ミッドウェー殲滅作戦佐原晃(学研 歴史群像新書 ¥900+税)

 奥付2007年4月10日なので、少し遅くなったが、「迅雷」の書評である。

 1998年、NASDAで技術者をしていた巻史郎(まきしろう)は、父の死を機にその遺産を元手に、少ない予算に汲々とせざるを得ない官職を退き、友人たちを引き込んで起業した。社名は、有限会社迅雷計画。しかし、JR秋葉原駅から程近い古ビルに入った資本金900万円の小さな会社は、事業内容が少しばかり変わっていた。

  1. 帝国陸海軍への各種電子機器等の供給および保守
  2. 帝国陸海軍の情報技術に関する人材教育
  3. 帝国陸海軍の兵器開発に関する情報提供および技術支援
  4. 帝国海軍の作戦指揮に関するコンサルティング全般
  5. 日本製ロケットの研究開発および宇宙開発
  6. 上記に付随する一切の業務

 巻の実家の土蔵の中には、はるか昔から“時穴様”と呼ばれる祠が祀られていた。この祠の中から奥へ向かい、人一人が荷物を持って通れる程の洞窟が続いており、抜けて行くとそこは、65年過去の同じ場所。逆に過去の“時穴様”から洞窟に入ると65年後の現代に帰って来ることが出来る。この穴は、ちょうど65年の時を行き来出来るタイムトンネルなのである。
 進まぬ日本の宇宙開発の現況は、太平洋戦争の敗北に遠因ありとする巻は、日本独自の宇宙開発、日本人を月に送り込む、という非常に個人的な想いから、父が亡くなり自分のものとなった財産を元に、大日本帝国を太平洋戦争に勝利させて日本独自の宇宙開発への道を開くため、帝国陸海軍にテコ入れを行なう会社を興したのである。

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2007/05/22

静岡ホビーショービジネスデーだぞ

 2007年5月17〜20日(木〜日)、静岡市で開かれた静岡ホビーショー。今回は、金曜日のビジネスデー2日目と、土曜日の一般デー1日目を覗いて来た。

あると
会場案内図
 静岡ツインメッセのほぼ全館を使う大型イベント。

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2007/04/16

横山信義さん15周年だぞ

 2007年4月14日、作家の執筆サポート・版権管理などを引き受ける編集プロダクション「らいとすたっふ」の主催により、四谷のホテルニューオータニにおいて、『横山信義作家生活15周年感謝の集い』という素敵なパーティが開かれた。

会場前の立花
会場入り口の生花
 徳間書店さん、C★NOVELS編集部さん、中央公論新社の早川社長などからの花がエントランスを飾る。

 横山さんは、田中芳樹さんの二次版権の管理を行なうということから始まった「らいとすたっふ」が、会社として立ち上がった最初期に徳間書店との橋渡しを行なった、いわばプロデュース第1号作家。
 当時、作家もプロデュース側も素人、編集さんがひとり手練の戦巧者だったが、架空戦記(という名前もまだ定着しておらず、IF戦記とか仮想戦記とかいろいろ云われていた)なんていう戦場は誰も初めてと云う、初めて尽くし。ビギナーズラックだけに頼ったような有様の中で唯一確実だったのは、今に至るまで一切ブレることの無い横山信義の作家性のみという状態だった。
 当時の神北の感覚から行くと、大学SF研出身の横山さんは架空戦記ジャンルに留まり続けるのではなく、かなり早い段階でスペースオペラなどをきっかけに本格的なハードSFへも積極展開を図ることになるだろうと思っていた。
 が、架空戦記市場、架空戦記読者は、そうそう易々と転進を許さなかった。次作を求める強い声に応じて、近未来パニックもの等を少しずつ挟みながら、横山さんは一貫して鋼と硝煙、戦場の風と鉄の男たちの話を書き続けて来た。
 その積み重ねの15年。会場に並べられた全著作、展示台2面分、約70冊。初期の兼業作家時代にはどうしても執筆時間がとり難く寡作だったことを脇に置き、単純に年月で割ってすら、平均年間約5冊。その減衰することの無い着実な人気が伺い知れる。

 以下、パーティの模様の簡単なフォトレポート。

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2007/03/25

TAF2007だぞ

ケロロ小隊 2007年3月22日〜25日の4日間、東京ビッグサイトで開催されている『東京国際アニメフェア(TAF)2007』のフォト・レポートである。

 神北は今年は、22日(木)のビジネスデー初日と、3日目でパブリックデーに切り替わった24日(土)の二回、訪れた。

 もうあと10日も空けずに四月の新番組ラッシュが襲い来るこの時期、アニメフェアでの露出向上に各社、なかなか気合いが入っていた。

 が、やはり会場で一番でかい顔をしているキャラクターの一つが、宇宙から来たカエル型侵略者である事には変わりない。

 ホント、コイツらはどこにでも居るよなぁ。アニメ系のショーだろうが模型系のイベントだろうがオモチャ関連だろうが、おたくショップだろうが街のコンビニだろうが、コイツらに侵略されていないところが無いという恐ろしさ。

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2007/03/24

聖なる漆黒の獣だぞ

「私に、うぬぼれるという行為は存在しない。それは、いかにうぬぼれたところで私の実力にはとうてい及ばぬからだ。そうは思わんか?」
ヤズダギルド皇子

 『黄金の魔女が棲む森 聖なる漆黒の獣』(麻木未穂 860円)徳間書店トクマノベルズEdge

 再びの麻木未穂『黄金の魔女が棲む森』シリーズである。第4巻にあたる今回は、『〜 聖なる漆黒の獣』。舞台はエーラーン帝国の内陸都 市ケルマンに始まり、東方ローマ帝国首都コンスタンティノポリスを経てイステル川を渡り北上、シフの暮らした神狩りの森もほど近い東方ローマ帝国北方の化 外の地へと広がる。

 さて、再び話は、エーラーン帝国(サーサーン朝ペルシア)から始まる。前回登場した2人、ヤズダギルド皇子傭兵スタウロスは、あの事件(前巻のマル ダース皇子が亡くなった事件)の後、王宮に居る。ヤズダギルドは皇帝ヴァラフラン4世の命により都に留まったのだ。スタウロスはそのヤズダギルドと約束し た金貨80枚の報奨金を貰うまでは、この皇子から離れられない。一度、山の宮殿に戻らないと金貨は無いと云われ、ヤズダギルドが都を離れ山に戻るのを待ち わびて……いるつもりが、いつもヤズダギルドのよいオモチャにされているスタウロス。
 一方、コンスタンティノポリスでは、前巻のお話しで親しくなったアルメニアの大貴族マミコニャン家のシャフルナーズ嬢と文の遣り取りをする“夜の親衛隊長”レギウスは、シフの追求を受けつつ困り果てていた。
 キリスト教暦395年、冬。イステル川が凍てつき、フン族が東ローマ帝国領を侵し始める時期を前に、いずれも、仲良くてめでたしめでたしである。……と終わらないのがこのお話し。
 シフのもとにやって来たエーラーン貴族の娘ウェーザクは、身籠っていた。しかし、ルヴァーの助産のもと彼女が産み落としたものは、赤子ではなく、卵の形 をした石だったのである。それを「時の卵」と呼ぶウェーザクは、パンノニアまで行きイステル川を越えて北方の山岳地帯にあると云う神の棲む居城、虚空城へ と赴き、アポルオンなる者にこれを渡して欲しいと言い残し、産褥で命を落とす。袖触り合った以上、その「時の卵」を届けてやろうと、シフは一人旅立つ。
 一方、ウェーザクの異母兄で許婚者のアスパーフバット家の世継ぎファルハードは、突然姿を消した妹を追い、一歩遅れてレギウスの荘園へと至り、妹が死に、シフと言う娘がその意志を継いで旅立った事を知り、後を追った。
 しかし、そのころエーラーンでは、時の卵の中に眠る破壊霊(ガナーグ・メーノーグ)の力を得てエーラーン帝国を、そして世界を手に入れようとする大貴族 スパンディヤード家の世継ぎミフル・ナルセが、惑術によって作り出した生ける土人形ヴォルグスを4人、遥か西の国へと放った。

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2007/03/17

海底の英霊達だぞ

 田中正文(なかまさふみ)さんは、1959年生まれだということは、神北より2歳年上。ベテランのスキューバ・ダイバーにして、世界の失われつつある美しい海底を撮影するカメラマン。この方が、2002年にパラオの海に潜って以来、強く惹かれて撮り続けて来られたのが、海底や、ジャングルの奥に今も残る、太平洋戦争の遺物。多くは、兵器、基地塹壕後、そして生活機器。
 1920年に国際連盟が発足するとともに、戦勝国日本が委任統治する事になった旧ドイツ領、南洋諸島。パラオのコロールに南洋庁が置かれたのは、2年後の1922年。それから僅か20年足らずで太平洋戦争が始まり、戦局極まった1944年3月30日のパラオ大空襲以来、最後までペリリュー島で徹底抗戦を続けた34名が救出される1947年4月2日まで、この南洋の楽園は、戦争の中にあった。

 今、60年あまり経ってなお、重く海底に残る太平洋戦争の証言者達。沈没した軍艦の中に残る英霊達の遺骨を収集する旅を通じて、田中さんが撮り貯めた2万8千枚の写真の中から、選び抜かれた120枚が、このたび、『記録写真集 パラオ 海底の英霊たち』田中正文(並木書房 ¥3800+税)として纏まった。A4版百四十余ページの、見応えのある写真集である。

 神北は、この中に2点、写真の撮影地点を総覧する地図図版を提供させて頂いた。架空戦記の作戦経路を描いたうそ地図の仕事も多いが、地図図版の作成者としてこれまでにも度々、戦史解説書の類も手伝わせて頂いている。だが、今回のこの本はその中で特に重い。
 プロの写真家の精緻を尽くした撮影により鮮烈に捉えられた、楽園に点在する兵器の残骸が、美しければ美しいだけ、沈鬱な何かをもって我々に語りかけて来る。

 海底写真を撮るスキューバ・ダイバーだった田中さんが、なぜここまで、太平洋戦争の残骸に集中して行ったのか。沈没艦艇の中に入るために、閉所での長時間潜水作業を可能とする閉鎖循環式潜水器具まで使われるようになって行ったのか。120点の写真を通して、その想いが少しずつ見えて来る。

 太平洋戦争の事を特にご存じない、興味ないと云う向きにも、一度、手に取って見て頂きたい写真集である。

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2007/03/16

コンビナートだぞ

コンビナート

コンビナート(「結合」を意味するロシア語 kombinatкомбинат から)とは、企業相互の生産性の向上のために原料・燃料・工場施設を計画的・有機的に結び付けた工業地域または企業集団のことである。 元々は旧ソ連で計画的に配置された工業地域のことであったが、石油化学工業や鉄鋼業などで、原料や製品を有機的に結び付けた工場の集合を指すようになった。

なお、日本ではその代表は石油コンビナートである。石油コンビナートとは、厳密には石油化学工業・石油精製工業に関する上述の工業施設の集合体をさすが、石油精製工場(石油化学工場が近接していないもの)や石油貯蔵施設など、概観がそれに似ている石油関連施設も、「コンビナート」または「石油コンビナート」と俗称されることが多い。

日本の主な石油化学コンビナートの所在地は、市原市姉崎地区・五井地区、袖ケ浦市川崎市四日市市堺市高石市倉敷市水島地区、大竹市岩国市周南市徳山地区、大分市鶴崎などである。

 四日市付近で生まれ育った神北にとって、コンビナートとは、子供の頃から見慣れた、普遍的に身近に存在してしかるべき産業の礎だった。なんせ、四日市のコンビナートは中核となる塩浜の第一コンビナートから霞の第三コンビナートまででも8キロ以上。その更に外側に位置する、鈴鹿川河口の南側河岸の昭和四日市石油のタンクヤードから朝明川河口の北側河岸の川越火力発電所まで考えると、実に11〜12キロ、四日市市の海岸線ほぼ全てに相当する長さにわたり、いくつもの漁港や積出埠頭などを挟みつつ、ほぼずっと、視界のどこかにガスタンクや精油塔や巨大な煙突が入り続ける。

 この石油工業地帯に起因して、四日市という街には、今も四日市ぜんそくとか公害の街とか言う負のファーストインプレッションがつきまとう。硫黄酸化物に対応する脱硫装置が各工場に設置され始めて既に35年以上。同じ石油コンビナートを擁しながら、川崎がちゃっかりと「コリアンタウンがある街」「焼肉のおいしい街」なんていう明るそうなイメージに衣替えしたにも拘らず、なんか四日市と云うとまだ「空気が悪い」と思っている人が多いみたいなのにちょっと腹が立つが、しかしそんな事とは別に、コンビナートとともに暮らし、立ち並ぶ煙突や夜空に明々と灯るフレアスタックを故郷の景色として、神北は育った。

 そういう、工業地帯っ子の魂を鷲掴みにして、マグニチュード7以上に揺さぶる美麗な写真集が出た。

 石井哲写真大山顕『工場萌え』(東京書籍 1900円(税別))である。

 (ついでに、同じ石井さんのDVD『工場萌えな日々』も紹介しておこう)

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2007/03/14

アニメの国が消えて行くぞ

 日本のアニメーション文化、アニメーション産業というものは、滅ぼうとしているのではないか? ……と、神北は考えている。しかしそれは、間接的には何らかの影響があるのかもしれないが、脅威とされているアニメーターの賃金環境の劣悪さや、中国・韓国を筆頭とするアジア各国のアニメ産業の成長などと云う、真っ当な競争社会の帰結としてではない。
 たしかに、手塚治虫さん率いる野武士達によって最初の国産テレビアニメが立ち上げられたその時から、安い制作費は日本のアニメ産業の要であったし、最大の問題点であった。他国に真似の出来ない安価で品質の高い作品を世に送ったが、あまりの過酷さから有意の人材が幾人も去って行ったし、命を落とす事すらあった。

 HOTWIRED JAPAN の連載記事『浜野保樹の「日本発のマンガ・アニメの行方」』第15回「日本のアニメーターは、どれほど貧しいか」(これ、記事に発表日付が無いのよね。多分2〜3年前のものだと思うけど、これだから信用出来ないんだ HOTWIRED JAPAN は……。)によると、この劣悪さは、アメリカの動画マンの週給が、日本ではほぼ月給にあたるレベルだと云う。

 それがいかに低いものであるかは、第13回に紹介したがアメリカの組合(The Animation Guild, Local 839 IATSE)の最低賃金と比較してみればわかる。関連する部分を再録しておく。
 「動画(inbetweener)は、「最初の6ヶ月」は時給なら23.089ドル、週給なら「5日で40時間」で923.56ドル、「ベテラン」で時給24.674ドル、週給で986.96ドルとなっている。」
 時給なので出来高払いと比較はできないが、ハリウッドでは動画の新人の時給約2500円で、日本の組合の要望額、月額124,960円を割ると50時間となり、アメリカでの週給がほとんど日本の月給となっている。
 さらに、日本の組合が提示している額は努力目標にすぎないが、アメリカのは強制力があり、それに会社が従わない場合にはピケをはられたり、組合員のサボタージュなど、激しい労働争議となる。一方で、職業別組合に所属しないと、ハリウッドでは仕事ができないし、会社も雇えない。

 ちなみに、この日本の組合の「要望額」というのは、映画演劇関連産業労組共闘会議が2004年11月10日に社団法人日本民間放送連盟に提出した「要望書」の中の「テレビアニメーション制作に関する要望」のことで「新人アニメーターの最低(保障)賃金(時間額710円×8時間)×22日=月額124,960円」「動画マンのモデル賃金 動画一枚250円×月450枚+月保障5万円=月額162,500円」「原画マンのモデル賃金 1カット3500円×月40カット+月保障7万円=月額210,000円」という、花形産業とは思えないような慎ましやかな「要望」のことである。
 社会に出て数年、20代なかば〜30代。家庭を持ち始め、人によっては子供も……という状況で、月給16万〜21万円。ファミリータイプのアパートラスマンションが7万〜15万ほど掛かる東京で暮らすには、これでも十二分に厳しい筈だが、現状はこれより随分と低い事も多いだろうし、生活費を減らすため地方に逃げ出そうにも、アニメ制作会社のほとんどが東京に集まっている日本では、それはほとんどの場合、アニメーターという職からの撤退を意味する。

 確かにこれは、労働条件としてゆゆしき状況だ。しかし、だからといって、このままある日全てが消し飛ぶなどとは思えない。産業の中核であるアニメーターは日本から海外に比重が高まり、産業として大きくなったそれぞれの国で質の高いオリジナル作品が作られるようになると、日本は、アニメーション産業のリーディング国家という今の地位からどんどん下がって行くかもしれないが、一気にそれが起こる訳ではない。日本には、そして日本のアニメ業界には、四十数年の歴史と底力がある。その力が、アニメーションを支えるため、唐突なハードランディングとはならず、軟着陸まではまだまだ時間が取れる。対応の時間はある。その間、日本製アニメを支持し、資金的にも支えられるだけのアニメファンの層が、今の日本にはあるのだ。

 で、本題である。
 このアニメの支持層が、今、急速に消えようとしているのではないか? それが、神北が危惧するところである。
 さて、みなさんに質問である。現在、アニメがどのように作られ、どのように配信されているかご存知だろうか?

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2007/03/06

銀星号だぞ

「あの銀星号に信号を送ってくれ。文面は『貴船ノ航海ノ無事ヲ祈ル。貴船ハ奇跡ノ船ナリ。ソノ責務ヲ全ウセシコトヲ我等ハ確信スルモノナリ』。通信派ではなく発行信号でだ」(高速定期旅客船『カラフル・メリイ』船長)

 退役軍人ハヤト=フォーゲルスト=ナグモとハインツ=クノール=キャンベル(なんてスープっぽい名前だ!!)は、先に終結した戦争で全滅に近い被害を被った帝国軍機動戦闘隊、一○九戦闘隊の数少ない生還者。仲間内で金を出し合って買った宝くじが大当たりし、生き残ったこの2人のフトコロに22億クレジットが転がり込んだことから、口さがないマスコミに良いようにオモチャにされたり、とんでもない騒動に巻き込まれていたが、やっと審判の場で身の潔白が決し、念願だった船を買い、自分たちの輸送会社を立ち上げた。
 とはいえ、会社のメンバーは、船長のハヤトと一等航海士のハインツ、そして、ひょんなことから客室乗務員(キャビン・アテンダント)に就任した少女、リアン=マッケンジー=カルミンの3人だけ。この20歳前後の3人、宇宙船銀星号の制御AIのクララを合わせても4人しかいない会社で、しかも、頼みの銀星号は、かつての帝国軍の殊勲艦だが、損傷・放棄されていたものをサルベージし、実に120隻に及ぶ同様の艦船からの部品を組み合わせたという、いわく付きの船。
 さて、今回彼らが飛び込む命がけのミッションは、特殊な麦の病で惑星の主要産業が滅びようとしているリアンの母星でもある農業惑星バレリアへ、1万2千トンの殺菌剤を輸送することだ。しかし、この殺菌剤ニトロ・バイセルス・ナトリウムは、極めて高性能爆薬に似た不安定な科学式を持っており、安定剤のお陰で比較的安定しているとされる製造直後はともかく、製造から2年を過ぎるものは貯蔵タンク内で変化を始め、いつ大爆発を起こすかわからない危険物質に成り代わっている。コンテナ一つ一つに液体窒素を満たした多重断熱コーティングを施して冷却装置を着けても、放射線・光線・電磁波・物理的なショックにかなり弱いことは間違いない。しかも、戦時下の物資統制のため5年間凍結保存のまま残されていたこの1万2千トンが、この宇宙で唯一、残っているニトロ・バイセルス・ナトリウムなのだ。化学工場に新たに製造ラインを整えて生産するには時間がかかり過ぎる。今、死にかけている星を救えるのは、銀星号しかないのだ。
 はたして、彼らは無事、7つのタンホイザー・ゲートを抜けて、バレリアへ辿り着けるのか? ハヤトたちの冒険が始まる。

 『若き女船長カイの挑戦』以来、なんだか、輸送業者が主人公のスペオペづいている神北である。今回ご紹介するのは『銀星みつあみ航海記 LOG.01 彼女が家出した動機』鷹見一幸(角川スニーカー文庫 ¥590)。これは、軍を退役したばかりの超絶技巧の天才パイロットと相棒のナビゲーターが中古船を買い、たまたま知り合った少女と買った船に付いて来たAIを合わせてもたった4人で切り盛りしているという、なんとも小さな会社、銀星運輸を舞台にした、鷹見さんの新作である。

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